「このメーカーの色はダメ」は、本当に言い切れるのか〜複数のメーカーを使う自分が思う事〜
ここ数日、SONYのRAWデータの色味がSNSで大きな話題になっていた。
赤みが強いとか、CanonやNikonの方が自然だとか、RAWの時点でこれは厳しいとか…
一方で、RAWなんだから現像前提でしょみたいな意見や現像ソフトのデフォルト設定の違いでは?とか、最終的な作品とは別の話しみたいな意見もあり、タイムラインは大盛り上がりだった。
まぁこの手の話題を見るたびに思うのは結局、この議論に正解はない。
なぜなら、人それぞれ写真に求めるものが違うからだ。
撮って出しJPEGを重視する人もいれば、RAWをじっくり現像することを前提に撮る人もいる。
カメラの「色」が大事な人もいれば「AF性能」が何より大事という人もいるので、当たり前だが全員が納得する答えなんて最初から存在しない。
これを言っちゃあお終いよ的な話しをすれば、スマホなのかPCのモニターなのか、それもどんなモニターなのか、キャリブレーションはしているのかなどなど、これだけ条件が違えば見えている色も当然変わるし、私たちは同じ写真を見ているようで実は同じ色を見ていない
だからSNSで流れてきた一枚だけを見て「このメーカーの色はおかしい」と断言するのは、少し危うい気もする。
もっと言えば印刷でもしない限り、撮り手が見て欲しい本当の色なんて誰にも分からない。
もちろん、それでもメーカーごとの個性はある。
私はSONY、Nikon、Canon、OM SYSTEM、PENTAXなど節操なく色々なメーカーを使っている。
メーカーを揃える気もないし得手不得手もあるので、このメーカーしか使わないという考えもない。
基本は現場に一番合う道具を持っていく。
人物を撮るならCanon、肌の色の出方はやはり魅力的だ。
野鳥や風景など、細部まで解像感を求めるならNikon。
歩き回る撮影や長時間の山歩きならOM SYSTEM、軽さは正義だと何度も思わされた。
スナップなどで一眼レフのシャッター音や光学ファインダーを味わいたい日はPENTAX。
撮影そのものを楽しむ時間になる。
そしてSONY、AF性能や総合性能は本当に高い。
野鳥撮影でも安心して任せられる場面は多い。
ただ、私個人としては諸々の理由で現行のSONY機でJPEG撮って出しのスナップを積極的に撮りたいとは思わない。
逆にα7R IIIのJPEGは今でも好きだ。
だから今回の話題も「SONYはダメだ」とは全く思わないし「何も問題ない」とも思わない。
どちらにも一理あるが、結論を言えば人それぞれだからメーカーを信仰している人同士が議論しても、おそらく永遠に平行線だろう。
そして今回、一番面白いと思ったのはそこではない。
SNSという視点で見ると、この話題を最初に投げかけた人の一人勝ちだと思った。
賛成する人や反対する人「いや、私はこう思う」と引用ポストが増え、果てはメーカー論争まで始まる。
誰もが自分の経験を語り始める。
つまり、結論が出ないテーマだからこそ、議論が止まらない。
SNSは「正解」がある話より「人それぞれ」の話の方が圧倒的に伸びる。
だから今回のようなテーマは、良くも悪くもある意味盛り上がる。
元ネタを提供した人を擁護するつもりはないが、SNSというゲームのルールだけを見るなら、最も多くの人に考えさせ、議論させた時点で、その人が一番勝ったと言えるのかもしれない。
メーカー論争はこれからも無くならないだろう。
でも私は「どのメーカーが最強か」を決めることには、あまり興味がない。
それよりも、その日の目的に合わせて道具を選ぶ方がずっと賢明で最適解を得られると思う。
カメラは宗教ではなく道具だ、そして道具にはそれぞれ得意な仕事がある。
私はこれからも、その時々で一番自分に合った一台を選びながら写真を楽しんでいきたいと思う。
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