忍殺TRPGリプレイ【アンダーワールド・ディテクティヴ】02
前回のあらすじ:オヒガンと現世の狭間に浮かぶキョート城へ潜入したドラゴン・ユカノ、タカギ・ガンドー/ディテクティヴ、イエローフィスト。ユカノはアラクニッドと対話するために別行動をとり、残る2人はバンブーエルフを救出するため、ホウリュウ・テンプル地下牢の探索を開始した!
◆

2人はいったん貯水槽の部屋を出て通路に戻り、奥の部屋の前に向かう。正面は突き当りで、左側の壁と流れ沿いにはさらに先へ進む通路があるが、まずはここだ。扉にはいかにも恐ろしげなオフダが貼ってあり、奥の壁には3つのダンゴが串で貫かれたような、古代文明じみた壁画が描かれている。
「ニンジャのジツでしょうか?」イエローフィストは首をひねる。彼女はカラテで解決できないことは苦手だ。謎解きのたぐいはディテクティヴに任せるしかない。「俺もUNIXならともかく、こういうニンポのたぐいはよ……。ン?」ディテクティヴの視界に、何か光るものが浮かび上がった。

オフダの1枚が、古びて朽ちかけている。ディテクティヴは導かれるようにそこへ顔を近づけ、フッと息を吹きかけた。01010101……オフダは01分解して消え去り、音もなく扉が開いた。「アタリか」探偵はニヤリと笑い、しめやかに部屋の中へ足を踏み入れる。続いて、イエローフィストも。
探索継続

……部屋の中には、古代の土器めいた紋様が刻まれた台座が据えられている。そこから超自然の炎が噴き出し、炎の中には黒い立方体が浮かび、ゆっくりと自転しながら少しずつ大きくなっていく。おそらくこの立方体を精製する装置なのだ。台座の背後の壁には、地下牢の見取り図が描かれている。

文字はあまりに古い書体で読み取れないが、扉の前の壁に描かれていた「3つのダンゴと串」に似た構造が地図から見て取れる。この部屋が真ん中にあり、その左右に部屋があり、黒い串……水路で貫かれている。貯水槽の穴は台座の下を通り、さらに左側の隠し部屋にまで通じているわけだ。

ランダムトレジャー2個。2D6[14]=ガラクタ(1D6[3]=ネズミの死骸)と電脳ペインキラー素子(に相当する回復アイテム、体力を3回復するが崩れ状態になる)、オーガニック・スシかトロ粉末。オヒガンの狭間でスシやトロ粉末などを摂取すると戻れなくなるが、一応それ相応のものをゲット。
続いて、水路の制御装置と思しき台座を操作してみる。ニューロン判定、難易度HARD。失敗すると誤作動を起こし、2回目も失敗すると爆発する。DTが挑む。電脳値9で[321165243]成功!
「なるほど……なるほど。だいたいわかったぜ」ディテクティヴはタフに微笑みながら壁や床、天井や台座、見取り図を見回し、頷いた。「要は、この台座が貯水槽の水を制御してるわけだ」「どうすれば?」「ちょっと待ってな」ディテクティヴは台座の表面に手を触れ、エテルの流れを……0101010
ガゴン。ガゴン。ガゴン。ザァーッ……。右側の部屋、貯水槽の方で物音がし、水が流れる音が聴こえた。台座の炎は次第に小さくなって掻き消え、黒い立方体が台座の上に落ちた。「黒い水をなんとかして、こいつを精製してたってわけか」ディテクティヴは手のひら大のそれをポケットにしまう。
見た目よりもずしりと重く、貴重なものであることはわかる。「貯水槽へ戻ってみようぜ。水が抜けてたら、あの穴を潜ってみる。どうもなってなければ、別の道を進むさ」「ハイ!」イエローフィストは頷いた。……果たして貯水槽の水は抜けていた。2人は慎重に底へ降り、穴を潜って進む。
???

……干上がった水路を潜り抜け、台座の部屋の下を通って、到達したのは最初と同じような貯水槽の底だ。見上げると天井があり、ニンジャアトモスフィアを微弱に感じる。ディテクティヴには覚えがある。「……バンブーエルフ=サンだな。やれやれ、ようやく再会だぜ」「やりましたね!」
ニンジャ脚力で貯水槽の底から跳躍し、2人は地下牢に到達する。暗い部屋の片隅には、憔悴した様子のバンブーエルフがいた。首と四肢には銀色の枷がはめられ、冷たい壁に銀色の鎖で繋がれている。おそらくジツがかけられた拘束具だ。「う……」バンブーエルフは目を閉じたままうめいた。
ランダムトレジャー2つ。2D6[53]=ZBRまたは解毒剤、ガラクタ(1D6[4]=配管工の修理道具相当のなんか)。解毒剤を入手。他にスシが2つと、バイオインゴット……に相当するなんかが5つある。ニューロン判定、難易度N。DTは9D6[426263231]成功。最高級のオハギ(万札10相当)だ。
奇妙なことに、牢内には江戸時代様式の重箱が置かれ、その中には見事なスシやオハギが納められていた。時間が経って腐敗した様子もない。ここはオヒガンと現世の狭間、時間は意味をなさぬのか。そして鎖に繋がれたバンブーエルフが、どうやってこれを食べていたのか。……牢番がいるはず。
「ユカノ=サンが言ってたな。ここでスシを食べると戻れなくなる、とか」「ハイ」2人は渋い顔をした。とすると、バンブーエルフはどうなるのか。彼女の顔は土気色で、生気に乏しい。スシやオハギを食べさせられていたにしては痩せている。「……ひょっとして」ディテクティヴは思い当たる。
ニューロン判定、難易度HARD。DTは9D6[132363463]成功。台座の部屋で手に入れた「電脳ペインキラー」相当のもの…黒い立方体を消費して、バンブーエルフを拘束から解き放ち、ある程度回復させることができる。
ロングコートのポケットから取り出したのは、先ほど入手した黒い立方体だ。バンブーエルフの牢屋とあの台座が隣接し、謎めいたギミックが仕掛けられていたのは、これと無関係とも思えない。たぶん、バンブーエルフからエネルギーを抽出し、黒い水と反応させて、これを精製していたのだ。
「こいつを……」ディテクティヴはバンブーエルフの首枷に、それを当ててみる。01010101……立方体は少し削れ、首枷は黒く染まり、歪んで捻じれ、01分解した。続いて手足の枷も。「ダイジョブか」枷から解放されたバンブーエルフに、残った立方体を近づけてみる。それは分解され、吸収された。
バンブーエルフは薄く目を開いた。「……うう……ここは」「ドーモ、ディテクティヴです。ここはキョート城の地下牢だ。助けに来た。安心してくれ」ディテクティヴは優しく語りかけ、彼女を励ました。戦えるほどには回復できていなさそうだが、なんとか立って歩くことはできそうだ。

◆衰弱したバンブーエルフ(種別:ニンジャ)
カラテ 6>5 体力 6>3(上限5)
ニューロン 12>5 精神力 16>3(上限5)
ワザマエ 6>5 脚力 4/E
ジツ 5>0 万札 0
DKK 0 名声 10
攻撃/射撃/機先/電脳 5/ 5/ 5/ 5
回避/精密/側転/発動 5/ 5/ 5/ -
即応ダイス:5 緊急回避ダイス:0
◇装備や所持品:なし
◇ジツやスキル
☆バンブー・ニンジャクラン、ジツLV5(現在使用不能)
◉常人の三倍の脚力
◉ランスキック
◉トライアングル・リープ
◉魅了(ゼゲン・ジツ)
◉浮世離れ
○生い立ち:アーチ級ニンジャソウルの片鱗
◉交渉:超然
◉知識:山岳エリア
◇カルマ:善
◇ユウジョウ:ユカノ(親密度2)、ナンシー(親密度1)、イグナイト(親密度1)
◇衰弱状態
能力値合計:34>15酩酊したブライカンならぬ、衰弱したバンブーエルフです。牢番によってエメツ抽出装置に繋がれ、苦しめられていました。猥褻は一切ありません。衰弱死しないようスシやオハギを与えられていたため、だいぶオヒガン汚染も進んでいますが、エメツの欠片を埋め込めば現世に還れるでしょう。
「すまなかったな。前に助けた後は置いて逃げちまってよ」「よく覚えていない……けど、ありがとう」「ドーモ、イエローフィストです。あなたがドラゴン・ドージョーのセンパイですね」「ドーモ……」「ユカノ=サンも来ているぜ。早いとこ会わせてやろう」「ハイ!」3人は情報を交換する。
……その時。
???
『今の物音は何だ!』『脱走か?』地下牢の扉の外から声が聴こえてきた。それも複数。かつ、ニンジャソウルを感じる!「牢番か」ディテクティヴは警戒し、イエローフィストはバンブーエルフの小柄な体を米俵めいて抱え上げた。長居も無用な戦いも不要だ。彼女を救出して脱出すればよい。

だが!『脱走は許さん!非常用シャッター作動!』ガゴン!何らかのレバーが操作される音!続いて貯水槽のあった部屋の近くでゴギギギギと異音!「オイオイオイオイ」ナムサン!閉じ込められたか!『そこの牢屋からチェックするぜ、ストームタロン=サン!』『ああ、シーワーラット=サン!』

◆ストームタロン(種別:ニンジャ)
カラテ 5 体力 6
ニューロン 4 精神力 4
ワザマエ 4 脚力 4/E
ジツ 4 万札 15
攻撃/射撃/機先/電脳 6/ 5/ 4/ 4
回避/精密/側転/発動 5/ 5/ 4/ 9
即応ダイス:5 緊急回避ダイス:0
◇装備や所持品:なし
◇ジツやスキル
☆ムテキ系ニンジャソウル、ジツLV4
☆ムテキ・アティチュードLV3
★ムテキ・ウェポン
★◉走り抜ける刃
◉常人の三倍の脚力
◉ツジギリ
◉ニンジャソウルの闇
◉交渉:威圧、卑屈
◉知識:ドラッグ、犯罪
能力値合計:21
◆シーワーラット(種別:ニンジャ)
カラテ 2 体力 4
ニューロン 5 精神力 9
ワザマエ 6 脚力 4/E
ジツ 4 万札 15
攻撃/射撃/機先/電脳 2/ 6/ 5/ 4
回避/精密/側転/発動 6/ 6/ 6/ 9
即応ダイス:5 緊急回避ダイス:0
◇装備や所持品:なし
◇ジツやスキル
☆ドク系ニンジャソウル、ジツLV4
☆未熟なるドク・エンハンスメント
◉◉グレーター級ニンジャソウルの力
★未熟なるモウドク・ダート
★ドク・スリケン
★◉遅効毒
◉頑強なる肉体
◉スリケン乱射
◉常人の三倍の脚力
◉交渉:煽り、卑屈
◉知識:ドラッグ、犯罪、危険生物、旧世紀地下道網
能力値合計:21どうしたわけか、彼らはこの次元ではザイバツの末端に組み入れられ、ホウリュウ・テンプル地下牢の牢番をやっているようです。投獄後に狂気に囚われて勝手にやっているのか、フェイスレスが実体化したのか、オヒガンを通って到来したのか定かではありませんが、ジツ値が壁を1つ超えており、そこそこ油断ならぬ相手です。たぶんワッチドッグみたいに自我や股間をケジメされていますが、今回は精神攻撃は効くようです。
「ブッダミット!」ディテクティヴは舌打ちし、イエローフィストはバンブーエルフを床に下ろす。数の上では3対2、こちらが有利だ!一触即発!
戦闘開始
【続く】
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