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「数メートルの誤差」が、選手の未来を変えてしまう。代表|山田貴之

育成年代の選手にこそ、高精度なGPSデータ活用が必要だと思う理由


育成年代のサッカー現場でも、GPSによる走行距離分析やコンディショニング管理は、当たり前になりつつあります。

走行距離、スプリント回数、加減速回数、衝撃負荷管理。

以前と比べて、取得できるデータ量は圧倒的に増えました。

しかし私は、現場を見る中でずっと違和感を持っていました。

「測れている」ことと、「正しく判断できている」ことは、まったく別の話である。

ということです。

もともと私は、測量や位置情報技術の世界で仕事をしてきました。

「どれだけ正確に測れるか」

数センチ、数ミリメートルの誤差を突き詰める世界です。

一般の人から見れば小さな差かもしれません。

しかし現場によっては、その誤差が結果を大きく変えてしまう。

そんな世界に、長く身を置いてきました。

だからこそ、スポーツ現場でのGPSデータ活用を見た時、強い違和感がありました。

「そのデータ、本当に信頼できるのか?」

ということです。

GPSで走行距離を測る。
スプリントを分析する。
コンディショニングを可視化する。

今では、それ自体は珍しいことではありません。

ですが、本当に重要なのは「測れていること」ではなく、「現場で正しく活用できているか」だと思っています。

たとえば、数メートルの誤差。

日常生活では気にならないかもしれません。

しかし育成年代のサッカーでは、その差が、

・今日は追い込むべきなのか
・休ませるべきなのか
・ケガのリスクは高まっていないか

そうした負荷管理やコンディショニング判断を左右することがあります。

「データは客観的」と言われます。

でも、もしその前提となる計測に大きな誤差があったら。

本当は誰よりも走っていた選手が、「走れていない選手」として評価されてしまうかもしれない。

逆に、本来休ませるべき状態だった選手を、「まだいける」と判断してしまうかもしれない。

特に育成年代では、その判断が、選手の未来そのものを左右することもあります。

だから私は、「なんとなくデータを使う」ことに、強い危機感を持っています。

もちろん、データだけでチームが強くなるわけではありません。

監督には監督の感覚がある。
テクニカルコーチには技術的な視点がある。
フィジカルコーチには身体を見る視点がある。

現場には、長年積み重ねられてきた経験があります。

だから私たちは「感覚を否定するため」にデータを使いたいわけではありません。

むしろ逆です。

経験や感覚を、より確信を持って判断できるようにする。

そのために、GPSデータやコンディショニング分析を使いたいと思っています。

データは、選手を管理するためのものではなく、

選手を守り、育てるためのもの。

私はそう考えています。

今回のnoteでは書ききれなかったのですが、

・選手は本当に「走れている」のか
・今の負荷設定は適切なのか
・ケガのリスクは見えているのか
・「見えなかった負荷」をどう可視化するのか

こうしたテーマについて、もっと現場目線で深くお話ししたいと思っています。


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