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プロダクトが増えたらCSはどうなったか?

みなさんこんにちは
カミナシの細見(@yuta_hosomi)です

カミナシが複数プロダクト体制に挑戦しはじめた2024年、 私自身も、ひとつのサービスに専任していた頃から一転し、 現在は5つあるプロダクトのうち4つのプロダクトのカスタマーサクセスを担当しています。

今回は、8ヶ月前に執筆した↑noteの内容から現在のアンサーソングnoteとして、マルチプロダクト体制におけるカスタマーサクセスの状況について、 実際の事例や考え方を交えながらまとめてみました。
(一部、カミナシとしての見解ではなく、一部個人の見解も含まれています)


前提:カミナシのマルチプロダクトの現在地

カミナシには現在、5つのプロダクトが存在します。
1年前は『カミナシ レポート』の一つだけだったことを考えると怒涛のリリース状況だったことを想像いただけるかもしれません。

カミナシのマルチプロダクト構想と機能群
- 業務カットでのプロダクト展開が特徴

このように、カミナシのマルチプロダクトは、プロダクト同士が横断的に連携するというより、それぞれの業務シーンに特化して提供している傾向が強いのが特徴です。オプションというより、ゼロからオンボーディングがそれぞれ走るイメージに近いかもしれません。
この点を理解いただくと、後述する求められるサポートのイメージしやすくなるかもしれません。

マルチプロダクト化が進んで、めちゃ苦労したこと(していること)

1.各プロダクトの特性や個性がかなり違う

これまで、いくつかのプロダクトのカスタマーサクセスとして携わらせていただく経験を踏まえて、カミナシが提供しているプロダクトには、大きく3つの特性があるように感じるようになりました。
(もしかすると、カミナシ以外のサービスでも一部当てはまるかもしれません)
カスタマーサクセスという職域は、ある意味でプロダクトが持つ特性や個性によって、まず考えるべきマインドセットや施策の時間軸が異なることを理解し、それに応じた支援や施策を講じる必要があります。

CSからみた時のカミナシのプロダクト種類はきっとこんな感じ

カミナシのプロダクトの特性とは?

橋渡し型プロダクト
多くのSaaSがこのタイプに近いです。すでにある程度、業務フローが一般化されている領域を、デジタル化によって効率化するようなプロダクトです。
例:ワークフロー管理ツールなど
→ 「いま行っている業務をこのように変えたい」「この工程を完結させたい」など、理想像(=“向こう岸”)がある程度共通化・汎用化されており、早く橋を渡る(理想に到達する)ことが求められます

山登り型プロダクト
現行業務の最適解が一般化されておらず、ゴールもまだ曖昧な領域です。
→ まず「理想の状態=登るべき山頂」を定義しながら、業務の移行を進めていく必要があります。顧客によって登る山の高さも険しさも異なるため、なぜ登るのかという目的設計まで含めて支援が必要です。
このプロダクトでは、導入〜活用までに長い時間を要することが多く、マラソンのような支援イメージに近いです。

なお、現在のカミナシには該当プロダクトはありませんが、「求人プラットフォーム」などは「マッチング型プロダクト」という、ユーザーとユーザーを繋ぎ合わせる様な特性が世の中に存在している様に感じます。


またこの特性に加えて、カミナシのプロダクトには「顧客ごとのカスタマイズ性」という軸(≒ ノーコード等による表現の自由度)も加わります。
現在のカミナシにおけるプロダクトのマトリクスは、以下のようなイメージです。

※あくまでイメージです
同じ会社のプロダクトとは思えないほど個性が異なります

2.各プロダクトの特性に応じたプロセス設計とスキルセットが必要

先述した各プロダクトの特性を踏まえ、カスタマーサクセスとして顧客がそれぞれのプロダクトを最大限に活用し、より大きなレバレッジを享受いただくためには、顧客のWhen / Who × Why? / What? / How?といった要素を、プロダクトごとに適切に整理し、顧客にとって、「適切なサポート」や「導線」を設計しなくてはなりません。

プロダクトの特性によってより補強すべきポイントがある

いつ利用するのか(When)や誰が使う(Who)はすべからず重要ですから、この中でも特に、What / How / Why の定義はプロダクトごとに異なり、カスタマーサクセスはそれぞれの要素に対して適切な「強度」で補強していく必要があります。

例えばカミナシの場合:

『カミナシ レポート』は「Why?」(なぜやるのか)の要素を補う特性があります。
・ ノーコードで自由度が高く、「Why(なぜやるか)」の目的がぶれると、使い方が曖昧になりがち。
・「なぜ使うのか」をCSが顧客と明確に共有できているかどうかが、活用の質に大きく影響します。

『カミナシ 従業員』は「What?」(何をやるのか)の要素をより補う必要のあるプロダクトだと言えるでしょう。
・チャットやお知らせ配信など、他サービスでも一般化されたユースケースが多く、「What(何をするか)」を明確にする必要があるプロダクトです。
・ ツールの利用方法はすでに一般化しているため、ユースケースや活用アイデアの提供が鍵になります。


といった具合に、プロダクト毎の特性を吟味しながら、マルチプロダクトはカスタマーサクセスとして「どんなサポート」が「何から」「いつ必要なのか」構築することが重要になります。

例えば、『カミナシ 設備保全』では"山登り型"ですので、ユーザーが進んでいる実感をより感じてもらう為に、「クイックウィン」をいかに早く体験いただき、もっと広げようというメリットを顧客に感じていただくことが効果的です。(石井さんのnoteがその一例です。)
一方で『カミナシ 従業員』は早く運用をひろげていくために、オペレーションづくりをより早くするための他社Tipsコンテンツなどが効果的です。

なかなか横展開ができないケースが多いのがCSからみたカミナシのサービス群の特徴であり、サービスによってまったく違うCSとしてのあり方や施策が必要になるため、多角的なスキル・センスが求められます。
私はこれが、難しくも面白いなと感じます。


3.プロダクト1年生にカスタマーサクセスという”役割だけ”では不十分

タイトルだけを見ると非常にパワフルなワードですが、誤解を恐れずに言うと、「カスタマーサクセス」という考え方や支援プログラム自体は不可欠です。しかし、プロダクト1年目というフェーズにおいては、いわゆる「CS担当」という枠を超えて、社内横断的に動く姿勢がより求められます。
というのも、初期のプロダクトでは

「誰に届けて、どう売っていくか」
「最小限の支援で成果を出せる顧客像は?」
「オンボーディングってどこまでやればよいの?」

といった仮説がまだまだ固まっておらず、立ち上げ初期のプロダクトに対しては、我々の主務である"導入初期設計&支援実行"を担いながら、"セールス工程へのより訴求を磨くためのフィードバック"や、"PdMと一緒に顧客インタビューし探索を行う"、などCSという役割のキャップを外した役割が必要です。

これまでの単一プロダクトだった際はご契約後のお客様をいかにサクセスできるかに没頭してもいい環境でした。CSとしてプロダクトにおける前線の一部を担い、時には売り手の観点から、時にはプロダクトの代理人として振る舞う。 そんな柔軟な動きが必要でした。マルチプロダクト化が進んでいくなかでは、ある種筋トレをしながらマラソンをするような感覚で、色々な筋肉を使っているように振る舞うことが求められるように感じます。


4.売れなきゃ始まらない。でも、続けてもらえるかも同じくらい大事でそれをどうチームに還元できるか?

私は、2つ目のプロダクトの立ち上げから携わらせていただきましたが、1つ目のプロダクトと比較して、以下のような違いを感じました。

顧客基盤やリードリソースがあるため、「売れる」(=興味を持ってもらえるポイントや機能)にどうしても全体の意識が向きがちになる

事業として「売れなければ意味がない」のは当然ですが、2つ目のプロダクトでもありすでに困っている人たちと出会えており、その声を直接聞ける環境があるため、売れるための情報が蓄積されやすい状況にあります。
しかし、その“売れる為の情報バイアス”があることを理解したうえで、プロダクト全体の方向性とのバランスを取ることも非常に重要です。
たとえば、顧客の「こうしたい」「ああしてほしい」といった声を聞く“探索”のフェーズでは、Howの話(=機能面の検討)に意識が偏りがちです。
ですが、カスタマーサクセスには、その機能を「体験いただく前段階」での“そもそも利用を始められるかどうか?”を整える役割もあります。この視点はCSはならではあり、チームへ還元したり、適度にブレーキをかけたりすることも求められます。


時間軸とともに必要な要素が広がっていく

個人的には、サービスの初期段階においてカスタマーサクセスがこの "Renewal Ready?" に対して明確にオーナーシップを持ち、社内ステークホルダーに向けて適切なアウトプットを行いながら、全体の方向性に対して舵を取っていくことが重要だと考えています。

Renewal Ready?では特にCSがフィードバックすべき視点の観点

① その体験は使い始めるために必要十分か?
・利用想定しているハードウェア(端末)の対応は十分か?
・利用前のアカウントの作成は期待どおりの成果につながっているか? など

②その体験は使い続けるために必要十分か?
・編集削除などのメンテナンスは最低限可能か?
・アカウント管理は手入れがいきやすい体験か? など

③その体験は利用規模が変わっても必要十分か?
・エンタープライズ企業でも同じ様に利用可能か?
・ユーザーのマネジメントラインが増えても無理なく使えるか? など

これらの観点は、プロダクトマーケットフィット前やワイヤーフレームの段階では意図的に後回しに(または意識できてない)なりがちです。この点をカスタマーサクセスが顧客の側で確認し、顧客から直接フィードバックをいただく”半歩先”に社内に示唆を還元することも重要な役割だと感じました。

VoCを構築したnoteはこちらをご覧ください


5.マルチプロダクトは兵站との戦い

マルチプロダクト化によって、それまで1本だった戦線が、各プロダクトごとに複数の戦線へと広がっていく―― そんなイメージを私は持ちました。
各プロダクトはそれぞれ異なるフェーズ・戦略・チーム構成・提供価値を持っています。
その中でカスタマーサクセスは、共通の顧客基盤に対して、それぞれのプロダクトに最適な支援を届けていかなければなりません。

(余談ですが、私は『キングダム』が好きなので…)
歴史や戦術書においても、戦線が広がったときに最も重要になるのは「兵站(へいたん)」であると繰り返し語られてきましたが、まさにカミナシのマルチプロダクト展開にもそれが当てはまると感じました。


「兵站(へいたん)」とは?
軍事学上、戦闘地帯から見て後方の軍の諸活動・機関・諸施設を総称したもの。戦争において作戦を行う部隊の移動と支援を計画し、また、実施する活動を指す用語であり、物資の配給や整備、兵員の展開や衛生、施設の構築や維持などが含まれる。

—Wikipediaより

カミナシにおける「兵站」とは、ビジネスモデルの特性上、以下の3つが主に該当すると私は考えています。その兵站の整備がとにかく大変。

  • 人的リソース(=採用)

  • 情報

  • 営業活動におけるツール(CRM等)


人的リソース(=採用)の確保は十分か?楽観的すぎないか?

これは、言わずもがな非常に重要です。
CS工程は、プロダクト導入後の“最後の砦”として、予期せぬ課題にも柔軟に対応する必要があります。 そのため、気付いたときには人手が足りなくなりやすいと感じました。
実際、Sales人員の増加と同タイミングでのリソース投下をCS側で見込んでおくことが、現実的な初期設計ではないかとやってみた所感です。

初期フェーズではSales人員を増やすのが定石ですが、同時に中長期的な視点では、CS人員の厚みを持たせる組織戦略が必要です。マルチプロダクトを進めるタイミングですぐに採用計画も連動して見積もることが重要だと痛感しました。


情報を「集める」「届ける」仕組みを作る

顧客とのミーティングログを残す、事例やノウハウを社内へ積極的に還元する―― こうした地道な情報流通の設計を先手で講じないと、チーム内外でカオスが生まれます。CSが本来の力を発揮するためには、

  • プロダクトの仕様変更やリリース情報を「確実に届ける」仕組み

  • 起きている顧客の声を「確実に吸い上げて社内へ返す」仕組み

  • 前工程の部門に適切な情報を送り出す横断の仕組み

この双方向の情報流通インフラが欠かせません。組織が150名〜規模へと拡大するなかで、カミナシレポートの単一プロダクトだけだったことと・数十名規模だった頃と同じインフラ強度では到底立ち行かなくなる感覚を強烈に感じました。いまでもここにはたくさんの課題と向き合っている最中です。


オペレーション構築にちゃんと投資する

昨年から、カミナシではCS Opsの立ち上げを本格化させ、組織横断で強化に取り組んでいます。前述の情報の流通設計はもちろん、リスクの早期検知の自動化や営業資料の整備など、兵站が混線しないための事前投資が極めて重要であると日々痛感しています。CRMやGainsightの設計・構築にもコストをしっかりと投資しています。実際にこのOps領域をリードしている金木さんのnoteがとても参考になりますので、ぜひご一読ください。

マルチプロダクト化におけるCSの挑戦は、「兵站をどう整えるか」にかかっている――これが、実際に複数プロダクトでCS支援を行ってきたなかでの、リアルな実感です。でも、その兵站を“みんな”で整備していくのは最高に面白いし、いま楽しい。そんなふうに毎日感じています。


マルチプロダクト化が進んで、めちゃ良くなったこと

「すみません、それはうちのサービスでは難しいです。」に応えられる

お客さまに貢献したいという想いが強い人ほど、この言葉を伝えなければならない場面はとてもつらいものです。(カスタマーサクセスの役割を担ったことがある方であれば、この感情に共感いただける方も少なくないのではないでしょうか)

カミナシのマルチプロダクト展開が進んだことで、ノンデスクワーカーの現場にある「あれ“も”なんとかしたい」というニーズに応えられるラインナップが整いつつあります。これまでは、

「記録はデジタル化できたけど、マニュアルもデジタル化したい」
「日本語に不慣れな従業員に、うまく指示や伝達ができない」

といったご相談をいただいても、
「他社ではこういった運用で代用している事例はありますが……」
「ただ、当社のプロダクトでは対応できないんです」
というような、心苦しいお返事をするしかありませんでした。
しかし、マルチプロダクト化が進んだことで、解決できる顧客課題の選択肢が増え、

「それであれば、こちらのプロダクトでお役に立てるかもしれません」
「アカウントを作り直す必要もないので、導入もスムーズですよ」

といった前向きなご提案がかなりできるようになりました。こうした変化により、「CSとしてなによりも…嬉しい変化」を日常の中で実感できるようになっています。 まさに、カスタマーサクセス冥利に尽きる瞬間です。

キャリアパスやスキル獲得の機会が増え続けている

CS全員で、複数のプロダクトを担当できるようにトレーニングしたり、仕組みを整備している真っ只中です。

例えば、
横断的にプロダクト導入プロダクトの設計にオーナシップをもったり、PdMやPmMと連携し、プロダクト視点でリードする「プロダクトリード」
クロスセル・アップセルの起点をつくる「カスタマーマーケティング」
既存顧客のロイヤリティ向上やチャーン防止が目的のコミュニティ施策「カスタマーコミュニティマネージャー」

カスタマーサクセスチームで実際に新設している役割やポジションの一例

といった、これまでに存在しなかった新たな役割・ポジションが次々と必要になり、構築が進んでいます。また、前述した通り、同じ会社ではあるものの、プロダクトの特性が多様なサービスラインナップであることも、カスタマーサクセスとして色々な筋力が鍛えられるのが、キャリアを考えたときにポジティブな経験が積めているように感じます。


こんな感じで、今のカミナシCSの一端をリアルに綴ってみました。
「ちょっと面白そうかも」と思った方、ぜひ私たちと一緒に日本の約3,900万人のノンデスクワーカーの皆さんを支援していきましょう!

このnoteに関することでもゆる〜くお話しましょう!XのDMでもお待ちしています!

最後に・・・・絶賛採用募集中のポジションです👀

お読みいただいた、どなたかのなにか前向きなエネルギーの一助になれば幸いです!お読みいただきありがとうございました!


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