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「水泳学習は座学で!」我が町の水泳学習事情の闇を暴く。

「保護者の皆さまにおかれましては、諸事情への御理解と御協力を賜りますようお願いいたします。」
こんな一文には到底、納得できないし、こどもたちに筋通して話せないから「保護者・大人」として書く。

令和8年5月、篠栗町の保護者の元に届いた「教育委員会からのお知らせ」に、驚き、落胆された方も多いのではないか。
水泳くらいいいか!では済まされない背景、タブーに踏み込む。

※「水泳学習」自体に反対の立場の方は「IT(パソコン)学習」や「学校給食」等に置き換えて、読み進めて欲しい。

保護者に届いたお知らせ

「今年度の小中学校における水泳の実技学習は一切中止、座学に切り替える」


理由は、近年の少雨傾向と、今年の渇水との事。
町全体で節水が必要な中、学校プールへの給水を見送るというもの。
一見すると、「異常気象のだから仕方ない」と諦めてしまいそうな話だ。

しかし、本当にそうか? 近隣の宇美町や志免町、筑紫野市などでは、
天候や水資源に左右されない「民間スイミングスクールへの委託」へとスマートに移行し、子どもたちは今年もプロの指導のもとで安全な環境下で指導を受けている。
なぜ、篠栗町は「完全中止・座学だけ」という最悪の決断を下したのか。

篠栗町議会の議事録を遡ると、
12年以上前から続く行政の「先送り」体質と、
驚くべき「予算の優先順位の歪み」が招いた必然の結末
であると判明した。

1. 既に12年前から始まっていた「先送り」と「縦割り」

今から12年前の平成26年(2014年)9月議会。当時すでに、40年以上が経過した町民プールは「底のシートが浮き上がり、泳ぐと手が床につく」という極限状態にあったと当時の飯田町議が指摘している。
09_question_35526614.pdf ⇐※31ページから参照

町水泳連盟など現場から「3年も前から異常が出ている」と再三指摘されていたにもかかわらず、当時の行政は「顕著に支障が出ていなかったから、予算計上が遅れた」と答弁(言い訳)をしている。さらに、学校プールを管轄する「学校教育課」と、町民プールを管轄する「社会教育課」の連携不足(縦割り行政)により、修繕の優先順位が決められなかったことが議会で指摘され、当時の課長は謝罪の弁を述べている。
この頃から、篠栗町のプール施設や授業に対する将来ビジョンが欠けていて、町有施設の適切な保守管理能力も崩壊し始めていたと言える。

2. 「泳げなくていい、座学でいい」という教育長の開き直り

それから10年が経った一昨年、令和6年(2024年)9月議会で崎山町議が質問に立たれた際に、更に深刻な状況が明らかになっている。篠栗北中学校のプールは数年前から故障したまま放置。再建には2億円、勢門小の修繕には3,000万円が必要であるものの、「どちらも目処が立っていない」という絶望的な状況が報告されている。
このとき、崎山議員から「プールがある学校とない学校で、教育の機会均等はどうなるのか」と問われた今長谷教育長は、信じられない答弁を口にしている記録が残っている。 2024_9_question.pdf ⇐※23ページから参照

「学習指導要領において、場合によっては、座学で済ませるということも認められております。したがって、必ずしも実技を伴わなければいけないということではない」
町教育の責任者が、「実技をさせなくていいルールがあるから、できなくても問題ない」と言い切ってしまったのだ。また、答弁の端々には「できる限りの機会を与える」や「経験をさせる」といった上からの表現が目立つ。言うまでもなく「機会均等」に対する明確な答弁にはなっていない。

この年の北中の生徒は、小学校のプールを借りて行う予定だった年1回の着衣水泳が雷で中止になったため、
年間で一度も水に触れることなく、水泳授業を終えている旨が議事録から伺える。「修繕費用がない⇒民間委託の交渉も進まない⇒だったら、座学で済ませればいい!」
今回の「渇水による全面中止」という決定は、まさに行政にとって「渡りに舟」であり、この長年の思考停止と地続きの姿勢を感じてしまうのは私だけだろうか。

3. 町長は「夢物語の温水プール構想」で現実から逃避

前述の教育長の答弁に納得いかなかったのか、崎山議員は三浦町長へと再質問を試みている。しかしながら、北中に2億円、勢門小に3,000万円の修繕費が必要で「目処が立っていない」という絶望的な財政状況の中、
町長は「クリーンパーク(ゴミ処理場)の建て替え時の余熱を使った温水プール構想を他町と話している」と得意気に答弁をされている。
目の前でプールに入れず、卒業していく子どもたちがいる(他の自治体と格差が生じている)のに、「自身の未来の壮大なインフラ夢構想」を語ることで、目前の予算不足と意思決定の遅れという現実と責任から目を背けているようにしか見えない。答弁から2年を迎えようとしているが、何らの進展も聞かれない。町内の教育の機会均等だけでなく、近隣の町や県下…と広い視野で比較した時に、短期的、中長期的に今の判断が適切なのかどうか議員にも執行部側にも再度、検証して欲しい。

全戸配布される議会だよりNO.221号より

4. 「子どもに使う金はない」が「撤退する企業には数千万円を免除」の怪

行政は一貫して「プールを直す財政的な目処が立たない(お金がない)」と言い続けている。しかし、崎山議員が一般質問をされた同定例会の「議会だより」を見ると、その金銭感覚の矛盾に強い憤りを覚えざるを得ない。
北地区産業団地において、進出予定だった企業がコロナ禍や世界情勢を理由に撤退・解約する事態が相次いだ。驚くべきことに町は、本来なら契約書に基づいて企業が町に支払うべき「違約金(ケアユー社だけで7,900万円)」などの請求権を、いとも簡単に「権利放棄」して、購入時と同額で土地を買い戻す議案を可決させている。その理由は、賛成派の議員(村瀬議員、崎山議員)や町長の言葉を借りれば「要望を受け入れない冷たい町と思われたくないから」。あまりにも歪んでいないか?民間のビジネス感覚では絶対にあり得ない大甘な対応で、故意に権利を放棄することは、町民に対する背任行為と言われても弁解の余地はないと思う。

撤退していく企業に対しては、数千万円〜億単位の違約金をサラリと免除して「優しい町」の顔をする一方で、この町で育ち、今まさに義務教育を受けている子どもたちに対しては、プールの修繕費(勢門小3,000万円など)すら出し渋り、「水がないから座学で我慢しろ」という「冷酷な仕打ち」を強いていることに私は我慢ならない。子どもたちが将来、この事実を知った時に、町に誇りを感じられるか?他の自治体との格差を知った時にどんな気持ちになるか考えて欲しい。

議会だよりの表紙


自分の財布、自分の土地だったら同じ判断を下すだろうか?


私は当然オレンジの反対議員の考えに近い。
青の賛成の議員は自分の言葉か?自分で考えて発言してる?


【事業用地3】2024年9月撮影 ➡ 今も同じ状況。
悪しき前例を踏襲(違約金無の撤退・同額で買戻し)しないか心配。

5.これまでの12年間のまとめ

  • 12年前(平成26年): 縦割り行政のせいで修繕の優先順位を間違え、町民プールを丸々閉鎖。 博多区や粕屋町のプール施設を使うように案内。

  • 2年前(令和6年): 北中のプールが数年前から故障し、再建に2億円かかるため放置。「実技なしの座学でOK」と教育長が公式に開き直る。

  • 現在(令和8年): 渇水を理由に、待ってましたと言わんばかりに全小中学校のプールを「完全中止・座学化」へと移行

冒頭の少雨・渇水は「最後の一押し」に過ぎず、本質は「2億円の再建費も出せない、民間委託の交渉も進められない、それならいっそ、指導要領を盾にして、渇水を理由に一斉に座学にしてしまえ」という、行政の長い怠慢とサボタージュの結果と考える。
12年前の飯田議員、一昨年の崎山議員がこれだけ的確に警鐘を鳴らしていたのに、このザマだ。これは一事が万事で、オアシス篠栗の温浴施設、「人命第一として決断した」と言う町民体育館の利用停止の問題も同様だと言える。長年、雨漏りを放置し、漏電の危険まで指摘されてきた勢門小学校の体育館はやっと改修されたが、人命第一を標榜し、指定避難所としているにも関わらず、志免町のようなエアコン完備も見送られているのが現状だ。

【冨永の政策提言】子どもたちの命と学びを守る「4つの具体策」

  • ① 違約金・損害賠償請求権の厳格な執行による「町有施設の改修」  今後は、企業の勝手な都合による撤退に対しては、契約通り違約金を1円単位まで厳格に徴収すべき。「企業に優しい町」ではなく「町民に優しい町」へ舵を切り、確保した財源を組み換え、老朽化した教育インフラや町有施設の修繕に組み替えるべき。

  • ② 水資源・天候に左右されない「民間委託・広域連携」への全面移行 今回の渇水で露呈した通り、自前で屋外プールを維持するのはリスクが高すぎる。放棄した違約金や、毎年のプールの維持費(年間約200万円)を原資に充て、近隣の民間インフラスイミングスクールや、近隣町との広域連携による「全天候型インドアプール授業(送迎バス付き)」への移行を、具体的な交渉として開始すべき。

  • ③ 縦割り行政の解体と「子どもファースト」の予算一本化      12年前から続く「学校教育課」と「社会教育課」の縦割りを廃止し、町内のスポーツ・教育インフラの予算と計画を一つにまとめるべき。役所の縄張り争いで修繕の優先順位が遅れるような事態を二度と起こしてはならない。

  • ④ 本気の「ふるさと納税」で稼ぐ町、自主財源の確保を!                 財源がない。予算がないと言いながらも、ふるさと納税の寄付受入額は残念な結果と言わざるを得ない。町の事業者にも失礼な話だと思う。町民、事業者に広く協力を求めて、寄付額を倍増させて、こどもたちや高齢者を中心とした町民サービスに還元する姿勢を見せて欲しい。


2026年1月20日西日本新聞朝刊

※参考資料 他の自治体の取組み


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