笠木泉さんとのこと
昨日(2025年3月13日)の笠木泉さんの岸田國士戯曲賞受賞の一報は、なんだかとても嬉しかった。涙が出てきた。
昨年暮れに横浜の象の鼻テラスで上演された『海まで100年』という作品の上演脚本が評価されての受賞で、もちろん僕も観に行きました。
笠木さんと僕との出会いは、13年前、広島のアステールプラザが主催でノゾエ征爾さんを招聘して上演された『ガラパコスパコス広島版』の東京公演を笠木さんが観にきてくださっていたのがきっかけです。
(ちなみに書くと、『ガラパコスパコス広島版』の東京公演が終わったちょうど翌日、ノゾエ征爾さんの岸田國士戯曲賞の受賞の一報が入って、僕らはもう広島に帰ってしまっていたのでお祝いはできなかったのですが、祝賀ムードに包まれた幸福な公演でした。そして、2022年に『柔らかく揺れる』という作品で、岸田國士戯曲賞を受賞された福名理穂さんも演出部として参加されていました。当時まだ20歳だったかな?)
『ガラパコスパコス広島版』が終わった後も僕はまだ広島に住んでいました。
終わった2、3ヶ月後に、ノゾエ征爾さんの主宰する、はえぎわの公演が下北沢のスズナリで上演されるというので広島から観に行ったのを覚えています。観終わった後、ノゾエさんが、僕をはえぎわの打ち上げに近くの安いチェーン店の居酒屋に誘ってくれたのです。人見知りの僕に、声をかけてくれたのがはえぎわの公演に客演していらした笠木泉さんでした。なんと、僕の奇怪でポンコツな演技をべた褒めしてくださったのです!僕はそれが、とっても嬉しかったのです。はえぎわの俳優の方も優しく、もちろんお世辞でしょうが、僕の演技をとても褒めてくださいました。僕は知らないのですが、カオティックコスモスという芸名の方に芸風?が似ていると言われました。それをノゾエさんに伝えると爆笑されていましたが笑
……。
そこで、お世辞でも褒めてくださったのが嬉しくて、僕は笠木泉さんという女優さんに気に留めるようになりました。(ありがたいことにそこからFacebook でもつながるようになりました)ノゾエさんと同時受賞の矢内原美邦さんのミクニヤナイハラプロジェクト『前向きタイモン』を大阪まで観に行った記憶もあります。
あんまり書きたくはないですが、僕は広島の演劇の人たちとは仲が悪く、広島の演劇界?ではとても孤立した存在でした。中には「あんな、演劇の俳優の訓練をまともに受けてないヤツ(僕のこと)をなんであんな大きな舞台に出すんだ!」と厳しく批判していた人もいました。僕は演劇をやりたかっただけなんですけどね。狭い広島なんて土地なんだからもっと仲良くすればいいのに……。とても残念なことです。
そんなこんなで、僕は広島の演劇界?から孤立する一方だったので、コンテンポラリーダンスの方に活動の方向をシフトしていくようになりました。
コンテンポラリーダンスにだんだんとハマっていったのです。
だけど、そこでも僕はうまく人間関係を広島ではつくっていくことができず、こじれにこじれてしまい、
2017年、僕は再び上京することを決意するに至るのです。
一大決心でした。40歳になっていました。
2018年には友達の劇団にも一度出演しましたが、仕事で忙しいのと相変わらずのヘタクソな演技に絶望して、それからは演劇の舞台にでていません。
Twitterで笠木泉さんをフォローしていました。
その頃、たしか矢内原美邦さんのニブロールというダンスカンパニーに出演するので興味あるかたはDMくださいとのツイートがあったので、僕はDMで観に行きたいですとメッセージを書き、観に行った記憶があります。
ステキなダンス公演と演技でした(お世辞かも笑)コロナ禍前に、宮沢章夫さんの『14歳の国』っていうのも観に行った記憶がありますね。
そしてスヌーヌーの公演も確か三鷹に観に行った記憶があります。スヌーヌー初体験です。客席にはノゾエさんの姿もありました。僕はノゾエさんに今度次に演る松尾スズキさんの舞台『人間御破算』観に行きますとお伝えしました。
スヌーヌーの舞台の感想を僕はメールで笠木さんにお伝えしました。拙い僕の感想を「感想いただきとても嬉しいです」と、喜んでくださっているような返信をくださいました。
なんだか、とりとめがなくなってきましたな……。
笠木さんとの距離がさらに縮まったなと思うのは、やっぱり、昨年勉強会グループをつくると、笠木さんがいきなり告知をTwitter(X)に出したのがきっかけです。
名前を【スヌーヌーの不思議な旅】といいます。応募者が多かったため、昼の部と夜の部に分けられました。
勉強会では昼の部ではギリシャ悲劇ソポクレスの『オイディプス王』を、夜の部では太田省吾さんの『小町風伝』を1年かけて読むというものでした。
僕は昼の部の『オイディプス王』の昼の回に1年間参加させてもらえるようになりました。そこで、戯曲を読むのと、ちょっとしたテーマトークをするのですが、ここでようやく、笠木さんと雑談めいた話ができるようになった気がします。好きな本の事や映画、この夏印象に残ったこと、今年一年言い残した思い出、などなど、戯曲を読む前に話しました。でも、今年一年、笠木さんは本当に舞台に多忙をきわめた感じがします。その合間をぬうかたちでスヌーヌーの不思議な旅は続けられました。幸い、今年度も続けて開催するようなので、笠木さんとの交流ももっとあればいいなぁと、僕は個人的には思っています。
そんな感じで、笠木さんとのことを思い出しながら書いたのですが、
全ては『ガラパコスパコス広島版』に出演したからですよと、ちょっと仲が悪くなってしまったアステールプラザさんにお礼と感謝の言葉をこの場ですが書いておきます。そして僕のポンコツな演技をベタ褒めしてくれた笠木泉さん。感謝しているのですよ。今後ともよろしくお願いいたします。
そして、岸田國士戯曲賞の受賞。本当におめでとうと言いたいのです!!
思いの外長くなってしまったのでこの辺で。

