#5【美食・建築探訪】ものがたりのある空間で味わう豆花 桃城豆花(嘉義)
ずっと行きたかった嘉義の「桃城豆花」
2024年のGW、台南に滞在した際に日帰りで嘉義へ行きました(台南の話はまたの機会に)。嘉義には、タイルフェチ(=私)にはたまらない「台湾花甎博物館」や、古民家をリノベーションした素敵なカフェがたくさんあり、ずっと訪れたいと思っていた場所です。

そんな嘉義で、到着して最初に向かったのが「桃城豆花」。台湾人のグルメ系YouTuberが訪れているのを観て、その建物の素晴らしさに驚愕したのを今でも覚えています。
豆花屋さんといえば、屋台スタイルでカウンターに座り、さっと食べて帰るイメージ。それを思いっきり覆してくれたのが、このお店です。
「桃城豆花」は嘉義で人気の豆花屋さんで、今回向かったのは2号店(光華路)のほう。もし行かれる際にはご注意ください。Googlemapのリンクを貼っておきますね。
ちなみに「桃城」とは、昔の嘉義の名称だったそうです。にしても「桃城」って字面、かっこよすぎません・・・?
「診療所」から「豆花スイーツ店」へリノベーション
お店に到着した瞬間。格子柄のファサード・無骨な躯体・鉄窓花が目の前に。もう「好き」が止まりません。


この桃城豆花は、1953年ごろに建てられた「徳山医院」という病院だったそうです。1989年から空き家になっていましたが、桃城豆花の2代目オーナーがこの場所を気に入り、昔ながらの工法で修繕したのだとか。すごすぎる……!
元診療所の建物は、広々とした空間にできるうえ、特徴的なファサードが多いため、台湾ではリノベーション物件として人気があるそうです。なるほど。
店内に入り、さっそく注文。なんと、この注文カウンターは病院の受付台を再利用しているとか。もう、胸キュンが止まりません。
客席は1階・2階・中庭とあり、今回は2階に着席。間仕切りがほとんど取り払われていて広々とした空間に。でも、ところどころ間仕切りの跡が残っていて、当時の姿を妄想したくなります。そして、しれっとパントンのFlowerpot Lampがぶら下がっていたり、ジャン・プルーヴェのスタンダードっぽいチェアが混ざっていたり……。意外な組み合わせなのに、空間にうまく馴染んでいるのが面白い。

まとまり感があるのも素敵。
さらに驚いたのは、間仕切り壁を一部残して、プランター代わりにしていること。こういう発想、大好きです。きっと日本なら、全部壁を撤去して新しくプランターを置くんだろうな……。

そして、階段エリアも見逃せません。ここにも直線を使った格子のデザインが取り入れられていて、徹底的に統一されたデザインに感動。

ちなみに、1階の受付カウンターの奥にも客席があります。この空間もまるで映画のワンシーンのよう。

嘉義の豆花は「豆漿豆花」
さて、豆花が到着。白い!

嘉義では、豆花といえば「豆漿豆花」らしいです。日本でいう「あんこ玉が入ったおしるこ」みたいな感じでしょうか……? うまく説明できませんが、とにかく不思議な感覚。でも、もちろんおいしい! 優しい甘さで、ほっとする味わいです。豆花はヘルシーで罪悪感ゼロのスイーツなので、本当に大好き。
「日焼けしちゃってもいいや」と思ってしまうくらい居心地のよい中庭
中庭にも席があって、ここで過ごすのもすごく気持ちよさそう。

桃城豆花にはお食事メニューもあるので、ゆっくりご飯を食べながら過ごすのもいいですね。近所にあったら、間違いなく週1で通います。こんな中庭で、パスタとワインのランチなんて最高すぎる。ずっといられる……。
「ものがたり」のある空間が貴重な時代に
近年の病院デザインといえば、患者さんの不安を和らげるために「暖色・曲線・間接照明・木目」などを多用するのが鉄板。でも、徳山医院はその真逆で、直線を多用したモダンな雰囲気。それが時を経て今の感覚とマッチして、新しく豆花スイーツ店として生まれ変わったのは本当に面白いなと感じました。
診療所だった建物が丁寧に修繕され、豆花屋さんになったという「ものがたり」。それ自体がとても貴重だと感じました。
こうした「ものがたり」を大切にする場所が、東京にももっと増えたらいいな……と、心から思います。
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