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更年期を東洋医学で読み解く:なぜ「腎」の養生が鍵となるのか?

食とカラダのスペシャリスト・山本八栄子です。

これまでに2500名以上の女性の食事と健康をサポートしてきました。

更年期障害の色々な症状は、特に40代頃から出始める人もいます。

もちろん、更年期障害を経験することなく、
歳を重ねていく人も多いです。

更年期障害は、

西洋医学では、ホルモンバランスの変化に注目します。


ですが、東洋医学では、
これらの症状を「腎(じん)の衰え」と捉え、
その養生に重きを置きます。

そのような根源的な原因を東洋医学の視点から見ていくことで、
より深い理解と適切な養生が可能になると思っています。



1. 東洋医学における「腎」:生命の根源と更年期の本質


東洋医学における「腎」は、
単に臓器としての腎臓を指すものではありません。

「腎」は、わたしたちの生命活動を支える根源的なエネルギーである「精(せい)」を貯蔵する場所です。
精は言ってみれば、生命の種というか大元のところです。


そして、成長、発育、生殖、そして老化といった、
人が生まれ、生き、そして老いていく全ての過程を司どります。

つまり、生命力そのもの、超重要なシステムというわけです。

わたしたち女性は、生理周期や妊娠・出産といった
生殖機能を持っていますが、

「腎」の「精」が満たされると生殖可能になります。

だから、妊娠するためには、生理を整えないといけないし、
「腎」を養生することが大切になるのです。

そして、「精」のピークが28歳。

女性のカラダは7の倍数で変化していきますが、
28歳と35歳は違うかったと思うのです。
(もう過ぎた人は振り返ってみてね)

28歳を境に少しずつ「精」は減っていきます

少しずつ減っていって、最後、
それがなくなるとき、「死」を迎えます。

それが自然の摂理。

特に40代以降は、「精」の消耗が顕著になるので、
「腎虚(じんきょ)という状態になりやすいです。

「腎」の力が「虚」、つまりなくなっていくということです。

更年期に現れる

ホットフラッシュ、多汗、不眠、イライラ、めまい、耳鳴り、骨の脆弱化、足腰の痛みやだるさ、頻尿、物忘れ

このような症状は、全てこの「腎の精」の不足、
すなわち「腎虚」が引き起こすものと東洋医学では考えます。

「腎」は「骨を主り、髄を生じ、脳に通じる」とされ、
また「耳、髪、二陰(生殖器と肛門)」とも密接に関わるため、
これらの部位に症状が出やすいのも「腎虚」の典型的な現れです。

これは少し難しいのですが、
東洋医学の基礎となる五行という考え方では、

万物は「木・火・土・金・水」の5つの要素から成り立つと
考えられていて、
この5つにカテゴライズされます。

「腎」は「水」の配当されますが、他にも
耳、骨、髪、生殖器、肛門も同じ「水」グループです。

つまり、「腎」が衰えると、
耳が聞こえにくくなり、
骨粗鬆症や骨が曲がり、
髪の毛が抜けたり、白髪になります。

これが老化です。

「腎」のケアをすることでアンチエイジングということになります。


2.「腎陰虚」と「腎陽虚」:更年期をタイプ別に捉える


「腎虚」といっても、
東洋医学ではそのタイプをさらに細分化して捉えます。

更年期に特に多く見られるのは、
「腎陰虚(じんいんきょ)」と「腎陽虚(じんようきょ)」です。

「腎」に中にも「陰」と「陽」があります。

この陰陽のバランスが取れているのが健康です。

老化とは「精」が小さくなっていくのですが、
小さくてもその中の陰陽のバランスが取れていたら元気な老人なんです。

ですが、陰陽どちらかが突出することで
いろいろな症状になってきます。

  • 腎陰虚(じんいんきょ):「陰」が足りてない

    「陰」はカラダを潤し、冷却する作用を持つエネルギーです。

    陰が不足すると、体内の熱を冷ます力が弱まり、
    火照り、のぼせ、ホットフラッシュ、寝汗、口の渇き、
    目の乾燥、不眠、イライラ
    といった「熱」の症状が前面に出やすくなります。

    舌は赤く、苔が少なめな傾向があります。

  • 腎陽虚(じんようきょ):「陽」が足りてない

    「陽」はカラダを温め、活動させる作用を持つエネルギーです。

    この陽が不足すると、カラダ全体が冷えやすくなり、
    手足の冷え、腰や膝の冷痛、頻尿(特に夜間)、むくみ、
    気力低下、抑うつ傾向
    といった「冷え」の症状が顕著になります。

    舌は淡く、白っぽい苔が見られることが多いです。

ご自身の症状がどちらのタイプに近いかを知ることで、
より的確な食事による養生が可能になります。

3. 「腎」を養う食養生:今日から始める実践的なアプローチ


「腎」を養う食養生は、単に特定の食材を摂るだけでなく、
その「食べ方」や「組み合わせ」もとても大切です。

1. 「黒い食材」を積極的に取り入れる:腎の滋養強壮

前述しましたが、東洋医学では、五行論で、
「腎」は「水」に属し、その色は「黒」に対応します。
そのため、黒い食材は「腎」を補い、滋養強壮に役立つとされます。

  • 黒豆、黒ごま、黒きくらげ、ひじき、わかめ、昆布、のり

    これらは「腎」の精を補い、髪の毛の艶や骨の健康維持にも繋がります。特に黒ごまは、「腎」の潤いを補い乾燥症状を和らげる「滋陰(じいん)」作用も期待できます。

2. 「粘り気のある食材」で潤いを補う:腎陰虚の対策

「腎陰虚」の方は、潤いが不足しています。
そのため、粘り気のある食材を積極的に摂ることで、
体内の陰液を補い、乾燥や熱症状の緩和に繋がります。

  • 山芋(長芋)、オクラ、なめこ、蓮根、なつめ、クコの実

    これらの食材は、カラダに潤いを与え、熱を冷ます作用があります。
    特に山芋は「脾(消化吸収)」と「腎」の両方を補う優れた食材です。

3. 「温性・平性の食材」で冷えを防ぐ:腎陽虚の対策

「腎陽虚」の方はカラダを温めることが重要です。
「腎」は冷えにとても弱いです。
カラダを冷やす生ものや冷たい飲食物は避け、
カラダを温める性質を持つ食材を選びましょう。

  • 羊肉、鶏肉、エビ、クルミ、ニラ、生姜、シナモン

    これらの食材はカラダを温め、「腎陽」を補う作用があります。
    スープや煮込み料理でカラダを芯から温めるのがおすすめです。

4. 「生命力豊かな食材」で「精」をチャージ

種子類や豆類、卵など、生命力に溢れる食材は
「腎の精」を補うと考えられています。

  • くるみ、栗、卵、魚介類(特に牡蠣、うなぎ、エビ)

    これらの食材は、まさに「精」の源として「腎」の働きをサポートします。

5. 避けたい「腎」に負担をかける食習慣

  • 冷たい飲食物の過剰摂取


    カラダを冷やして、「腎陽」を消耗させます。(火を消してしまうの)
    常温以上のものを意識しましょう。

  • 過剰な塩分


    東洋医学では、鹹味(かんみ、塩辛い味)が、
    「腎」を養う味とされますが、過剰な摂取は
    「腎」に負担をかけ、高血圧やむくみの原因となることがあります。

  • 精製された糖質や脂質の過剰摂取


    これらは消化に負担をかけ、「脾胃(消化器系)」の働きを阻害することで、間接的に「腎」の負担にも繋がります。
    (相剋の関係なのだけど、それはまた別の機会に)

  • 夜間の過食・不規則な食事

    消化器官に負担をかけ、カラダ全体の気の巡りを滞らせ、
    「腎」の消耗を招きます。

4. 食事で「腎」を養い、更年期を「養生」する


更年期の症状は、単なる一時的な不調ではなく、

東洋医学的に見れば「腎」のエネルギーの転換期、
あるいは消耗のサインです。

また、大体において血が足りてないことが多いです。

この時期にこそ、ご自身の体質と「腎」の状態や
血が作れてるかどうかなどを見つめ直し、


適切な食養生を行うことが、

その後の人生を健やかに、
そして豊かに過ごすための鍵となります。

「腎」を養う食事や血を作る食事は、
一朝一夕に効果が現れるものではありませんが、
日々の積み重ねが必ずあなたのカラダをサポートしてくれます。


この記事があなたの健康の小さな第一歩になればとても嬉しいです。


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