和田弘とマヒナスターズとのデュエット歌手田代美代子81歳、古賀政男音楽博物館けやきホールでワンマンライブ🎶
古賀政男音楽博物館けやきホールで開催された、田代美代子コンサート「MIYOKO NOW 今が最高!」(以下、敬称略)。田代美代子は石井好子に師事した「銀巴里」のシャンソン歌手。和田弘とマヒナスターズとのデュエット「愛して愛してあいしちゃったの」「ここがいいのよ」のヒットで、紅白歌合戦に出場。その後の病気で長期休養を経て、歌手に復帰。

第1部。白いドレスをまとって、舞台袖から登場してきた第一印象は『デカい!』だった。ヒール👠を履いていないのにあのタッパ。冒頭はバーバラ・ストライザンド「追憶」。朗々たる歌声は、宝塚歌劇のように堂々としている。声量もあり、時にハスキーな歌声。中村あゆみや葛城ユキは好きな歌手だった。アップテンポな曲が続いたが、一方で八代亜紀「ブーケ」💐はシットリと歌い上げる。そのあたりは積み重ねた年輪か、むしろこういう歌い方の方が聴かせる気がした。

第2部。ブレザー姿で登場して、凛とした女性教師のように見えた。男子生徒にとって美しい先生は密かな憧れである。紅白歌合戦に出場したヒット曲であるマヒナスターズとの「愛して愛してあいしちゃったのよ」「ここがいいのよ」はメドレーで、客席からは懐かしの拍手喝采👏。シャンソン歌手としてスタートしてから傾倒したカンツォーネも披露。その後が驚愕だった。なんと「さとうきび畑」は田代美代子の持ち歌だったのだ。作詞作曲の寺島尚彦は石井好子伴奏のピアニスト🎹だったが、相方多忙につき当時は田代美代子とのペア状態となっていた。1967年に田代美代子によって全国労音で初演された反戦歌。今となっては、すっかり森山良子の曲のようになっているだけに驚きだった。曲のアレンジも森山良子バージョンとはずいぶんと違っていた。実際には森山良子だけでなく、(Wikipediaによれば)ちあきなおみや上條恒彦など15人もの歌手にカバーされている名曲(レコード化は森山良子が最初)。
アンコールでメンバー紹介する際に、企画・構成の新田博邦と音楽監督の久米大作が舞台下に呼ばれてのトークがあった。ここで田代美代子が爆弾発言💥。久米大作の奥さまは久保田早紀なのだそうだ。久保田早紀には「異邦人」より「夢飛行」に魅せられた。歌手引退後は教会宣教師を務め、久米小百合と名乗っていた(だから久米だったんだ!)。ずっと彼女の宣教音楽を聴いてみたかった。所属していると噂に聞いた三島バプテスト教会に「礼拝に参加させてもらえませんか?」と問い合わせた。しかし「当教会でコンサートされたことはありますが、教会員ではありません」との回答だった。諦めた夢が繋がるかもしれない。
お招き頂いての鑑賞だったが、言いたい放題書かせてもらう。最初は『紅白歌合戦出場歌手とはいえ、81歳とはずいぶんな年代物を引っ張り出してきたものだ』というのが感想だった。しかし実際にステージに接して、この企画は『開運!なんでも鑑定団』でお宝認定される骨董品だった。田代美代子は、浜口庫之助には「色気がない」と貶されたそうだが、そんなことはないと思う。なんとなく風貌が由紀さおりに似た、自分は好みの女性のタイプ。おそらくコンサートは数十年ぶりで、想像を絶する緊張だったのだろう。そしてこの年齢にして、よくぞ長丁場のステージを乗り切ったものだ。歌手本人も終盤は歌いながら、感激の涙がこらえ切れず。自分も含めた聴衆ももらい泣き。2時間の公演は、舞台に立ったアーティストたちにとっても、観客席にとっても素晴らしい人生の果実だった。

