「ミラノ・コルティナオリンピック」を見終えた感想
「ミラノ・コルティナオリンピック」が閉幕した。2/4〜2/23の19日間に繰り広げられる数多くの競技と人間ドラマ。時差は8時間で、競技は日本時間の深夜早朝。結果が気になって、なかなか夜も眠れなかった。その中で心を動かされたポイントを列挙。どちらかと言えば敗者の心にドラマを感じる。

①麗々しい式典・芸術の国イタリア🇮🇹らしく凝った演出。やたらと長い(時間が)。しかし経済的な負担も大きく、ここまで派手にやる必要があるのだろうか? 昨今は経済的負担に開催を尻込みする国や都市も多いと聞くので、政治主導の華美が心配になる。報道では美辞麗句を並べているが、本当にそう思っているのだろうか?

②新たな競技が多数〜スノーボードへの移行・女子ジャンプにラージヒルなど女子に門戸が開かれたり、モーグルにデュアルができたり、知らなかった競技の出現が多数で競技の様変わりを実感。特に船木和喜氏のテレビ解説における「スノーボード🏂は『カッコいい』と選手が増加していて、スキー⛷️人口を遥かに上回っている。ジャンプなどは参加者も少なく、スキープレーヤーの側からは羨ましい限り」の発言が印象的。この意見に関しては、ノルディック複合の渡部暁斗選手も同様の発言をしていた。
③やっぱり強いのは欧米。特に寒い北欧地区。当たり前だが、暑いアフリカや南アジアなどの参加はほとんどない片務的オリンピック。あとウクライナ🇺🇦紛争で、ロシア🇷🇺やベルラーシがいない。特に女子フィギィアスケート⛸️では、ロシア🇷🇺が最強国だったので、競技の意義そのものの正当性に疑問が生じる。

④男子フィギィアにおける「4回転の神」マリニン選手のフリーにおける大失敗による、よもやの8位。「オリンピックには魔物がいる」とよく言われるが、マリニン選手も魔物に捕まってしまった。大穴のカザフスタン🇰🇿シャイドロフ選手が金メダル🥇とは、強盗に刺殺されたデニス・デン氏の憑依であろうか。しかし世界のレベルを一気に引き上げたのは、ネイサン・チェン氏とマリニン選手だと思う。まだ21歳、次のオリンピックで、人類未踏のクアッドアクセル(4回転半)を魅せて欲しい。

⑤スキージャンプ混合団体で日本🇯🇵が銅メダル🥉。これで救われたのが、高梨沙羅選手。前回の北京オリンピックでは、スーツ規定違反で失格して、チームはメダルを獲得できなかった。その時の彼女の絶望と謝罪は見ていて痛々しかった。よくぞ引退しないで、耐え忍んだ。この時は優勝候補ノルウェー🇳🇴チームも失格など、スーツ規定違反の嵐が吹き荒れた。今回のオリンピックでは、場外の悲劇が繰り返されなかったことに安堵。

⑥女子モーグルで4位となって、メダル🥉に一歩届かなかった冨高日向子選手。それも同点でターン点差での後塵。この時の解説が上村愛子氏。高校三年生の1998年長野から2014年ソチまで5回連続出場。ひたむきに努力して競技に打ち込むも、7位➡︎6位➡︎5位➡︎4位➡︎4位と、遂にメダルに手が届かなかった。それに対して里谷多英氏は長野で金、ソルトレイクで銅メダルを獲得。数多のお騒がせタイプの選手だったが、真の天才肌だった。過去に最も神さまにメダルを懇願するなら上村愛子氏だった。冨高日向子選手はデュアルモーグルでも準々決勝敗退となり、引退を示唆。冨高日向子選手の悔しさを最も知っているのは上村愛子氏に他ならない。

⑦たぶん日本🇯🇵というか今回オリンピックのMVPは「りくりゅう」。ペアの絆、木原運送、お姉さん発言など、あまりに多く語られ過ぎているので、ここではパス。ひとつだけ言及するなら、結果が出ず失意を続けていた木原龍一選手に、11年間も支援を続けた木下グループはすごい👏。

⑧銅メダル🥉を得た女子パシュート。前回オリンピックからチームメイトだった佐藤綾乃選手の「美帆さんのお尻しか見てこなかった」に納得。世界のトップスケーターであった高木美帆選手の実力はダントツ。残り2人のメンバーは、高木美帆選手の足を引っ張らないように必死だったことが伝わってくる。それが出来なくなった姉の高木菜那氏は前回オリンピックを最後に引退した。そんな高木美帆選手も、全盛期に比べると、持久力に若干の衰えを感じた。だから高木美帆選手は、1,500mでメダルを逃したからといって泣かないで。一時期は世界無敵だった自分を褒めてあげて(オリンピック優勝タイムは1:54.09だったが、高木美帆選手の持つ世界記録は1:49:83)。高梨沙羅選手も含めて、選手としてのピークが、オリンピックとほんの少しズレただけ。

⑨優れたあるいは面白い解説者が頻出。特に「りくりゅう」解説の高橋成美氏の評価が爆上がり。SP後の逆転予言や、自身がペアを務めた木原龍一選手の相手である三浦璃来選手への感激とリスペクト、そして嫉妬さえも天然に表現。フィギィアスケート⛸️における町田樹氏の大学教授のような分析。敗戦を続けるカーリング🥌日本女子チームに対する吉田知那美選手の「日本代表(フォルティウス)の強さを一番知っているのは、戦って負けたロコ・ソラーレ、私たちです」にはグッときた。妹・高木美帆選手への姉・菜那氏の解説というより熱狂的応援📣。
⑩非難轟轟覚悟で、以下の発言。本来のオリンピックは「アマチュアの祭典」のはず。しかし今の選手たちはどう見てもプロフェッショナル(これは高校野球なんかもそう)。プロフェッショナルとは、その人の発揮するパフォーマンスによって収益を獲得する職業であろう。たしかに冬季オリンピックの選手たちは、今の羽生結弦氏のようにショービジネスで収益を得てはいない。しかし海外遠征や世界トップクラスになるためには、スポンサーが必要。これはプロフェッショナルと実質的にあまり変わらないのではないか。勝った負けたにカッカする気持ちはわからないでもない。その後の人生を左右するメダルに一喜一憂する気持ちも、応援する立場からも、よくわかる。メダル🥇、メダル🥈、メダル🥉と、国威発揚に連呼するマスコミ。本来ならばスポーツは、メダルのためではなく、身体を鍛えて動かす自己実現の場であるはず。そこにいつも違和感を感じる。そういう意味で女子フィギィアスケートのアリサ・リュウの「メダルはいらない」宣言は清新だった。そこでオリンピックに提案。
1️⃣メダルの廃止(入賞=賞状は残す)
2️⃣開会式と閉会式の廃止(華美なコスト削減)
3️⃣毎年開催(世界選手権化)
4️⃣各国分散開催(特定開催国の負担軽減)
