音の無い世界の歌姫
竜に突然拉致されたメグリー、ひとりぼっちで眠っています。
気がつくと、そこは見知らぬ世界。
透明なクリスタル色に覆われ幻想的な空間。
でも何も聞こえない、無音の世界。
「いったい、ここは何処なの?
何故何も聞こえてこないの?」
と、言葉に出しても、自分の耳にも届いてはこない。
悲しみに耽るメグリーですが、たとえ音が聴こえなくても、
彼女には歌を歌う事だけが、生きる希望なのです。
「私は、歌うわ。誰に聴こえなくても!
歌えば私だけでも元気になれるわ」
凛々しく歌う姿はアゲハ蝶の目に留まります。
「あそこでマイクを握っている女性は、何をしているのかしら」
と、アゲハ蝶は不思議に思って見ていました。
「歌を歌っているみたいだぞ」
と、モンシロ蝶が答えています。
「歌を歌っているの?何も聴こえ無いよ。
でも、綺麗な人だね。見ているだけでも心が和むよ」
と、黒アゲハ蝶が言っています
「なんだか、楽しいそうだね。仲間を呼んでこよう。」
多くの蝶々たちが、歌姫の周りで踊る様に舞飛かいます。
それは蝶々達が歌姫を元気付けている様です。
「私の歌声、蝶々さん達には聴こえるの?
嬉しいよ。私はひとりぼっちでは無いのね。
蝶々さんの為に心を込めて歌いますよ」
歌姫の心に勇気と希望が湧きおこります。
そして、歌声は蝶々の胸に届いたのでしょうか?
♪蝶々蝶々、菜の花に留まれ
菜の花が飽いたら桜に留まれ
と、歌姫は歌いました。
気がつくと
蝶々はみんな菜の花に行ってしまいました。
歌姫はまたひとりぼっちです。
続編に続く
