見出し画像

「かぐや姫のアルバイト」


駅前通りの商店街に古ぼけた喫茶店がある。
常連のお客様は、ほとんど居ない。
観光客が時間つぶしに訪れる喫茶店。
紅茶の美味しい喫茶店なのに、
愛想のないオーナーが店の人気を妨げているのだ。
ところが、その喫茶店が街の話題になっている。
店の前に張り出された
[かぐや姫のアルバイト中]の看板

「かぐや姫のアルバイト中って何だろう?」
と、観光客の一人が疑問を抱く。
「本当だ、面白そうだ!入ってみようか?
まだ電車の時間もあるし・_・」

店のドアを開けると、見目麗しき貴賓のある若い女性。
お客様に微笑み掛けながら
「いらっしゃいませ、」の、涼やか声。
一目で人の心を掴む愛らしい女性。
その女性、日本人離れした彫りの深い顔立ちで
目の色はサファイアの宝石を思わせる深いブルー。
長い黒髪が艶やかに色めいている。
本当に月から来たのかと思わせる
オーラを彼女は醸し出していた。
「あの店には、かぐや姫がいる」
との、噂が街中に広まり、
多くの人が訪れる人気のお店に変わっていった。

店の前には長い行列ができ、
そのほとんどが男性客。
かぐや姫に一目会いたいと想いの男性が、
遠い街からも訪れる。
おかげ店は大繁盛と思われた。
だが、突然の閉店。
オーナーはどこに行ったのかも、わからず雲隠れ。
街では、「かぐや姫は月に帰ったのでは?」
との噂で溢れ返っていた。

「かぐや姫が月に帰えるのは仕方が無いが、
何故、店のオーナーまで姿を消したんだ?」
「そういえば、あのオーナー
夜逃げしたらしいよ」

「何故、夜逃げするんだ。
あの店、かぐや姫のおかげで儲かっていたんだろ!」
「もしかすると、
オーナーも月に連れて行かれたんじゃないかぁ」
「そんな、馬鹿な・_・〆」

巷では謎が謎呼ぶミステリーとして噂されていた。
だが、あるジャーナリストが真相を暴く。

「どうやら、かぐや姫の自給が
相当高かったらしいぞ。」

「自給が高いっていくら何だよ」

「聞いたところによると、
時給150ドルだって。」
「それは、すごく高いな〜
今円安だし・_・_〆、
オーナーも困っただろうな」
「そう、
売上を全部かぐや姫にもって
行かれったらしいよ。」

「その自給を払う為に
オーナーは◯◯◯トークンに
手を出したんだ」

「え〜あの総理大臣の名前がついてるトークンに
手を出したの?」
「総理大臣の手のひら返しで大損したらしいよ。
今、借金取りに追われているって」


いいなと思ったら応援しよう!