🐾お題②:「話すことのできる古い井戸」
最近、何も面白い事が無いのです。
どうしょうかと、考えていたら閃きました。
さて、何が閃いたのでしょうか。
僕は、古い井戸の周りに
「なにか
こまったことは
ないかな?」
と、張り紙をしたのです。
そして、この様な言葉を継ぎ足しました。
「この井戸は、神に懺悔する事ができます。
どんな行いをしても、神に謝罪すれば許されます」
井戸がその様な悩み相談を受ける事など
あり得ないのですが、ダメ元でやってみたのです。
すると、30代の男性がこの張り紙を見て言いました。
「何だ、これは誰かのイタズラか?
井戸に誰かがいるのか?」
と、覗き込んでいます。
「誰も、いねじゃないか!」
と、怒りながら去っていきました。
当たり前です、井戸の中に人などいるはずがありません。
今度は、違う男性が、井戸を覗き込んでいます。
「誰かいるのか?
悩みを聞いてくれるか?」
僕は、やっとお客さんに巡り会えて嬉しい想いだったのですが、
嬉しさを抑えながら、
「ここに居ますよ。
だけど人間の目には見ることはできませんよ。
困った事があったら、何でも話して下さいね」
「困った事はなぁ、妻に浮気がバレそう何だ。
どうしたら、いいか教えてくれ」
「もっと、具体的に言ってもらわないと、
答えようが無いです。」
「具体的にか、それはな・・・・_・。
そして・・・_・
妻にバレたら、離婚物だよ。どうしようかな」
と、男は泣き声に変わっています。
「それは、いけませんね。
この井戸の水面に向かって顔を見せ下さい」
「顔か、井戸の水面に顔を向けるのか」
「カシャ」
「何の音だ、この音は」
「あなたの顔の写真を撮りました。
そして貴方の声は録音してあります。
妻に報告されると、あなたはまずい事になりますね。
この井戸の上にある貯金箱に10000円を入れると、
録音及び写真は
自動的に消去されます。
いかがいたしますか?」
そうです、僕は井戸の周りに隠しカメラと
盗聴器を仕掛けて置いたのです。
新手の詐欺を僕は画策しました。
人に知られて困る悩みのお持ちの方、
この井戸にようこそ。
