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この歌はそんな歌なんだ

この歌はそんな歌なんだ。

随分前のお話。
地元で友人の結婚披露宴。比較的小さな披露宴会場で和やかな雰囲気で式は進んでいた。

新郎の友人としての僕らの円卓。

新婦が凄い美人で、一体新郎は何をどうしたらこんなに素敵な新婦を!という驚きがあったり、でも新郎新婦の職場の上司もいるからバカ騒ぎはちょっと遠慮しよう。とか、そんな雰囲気。落ち着いた良い披露宴だ。

宴は無事進行し、終盤に差し掛かっていた。

雲行きが怪しくなったのはカラオケが始まってから
(なんでカラオケ???とは思ったけど)。

二人目ぐらいに上席の年配の男性が西城秀樹?だか誰かの歌を歌う。
その歌詞の中に「浮気は男の勲章」らしきフレーズが流れる。
「ん???、今さ、浮気とか歌った??」
「う、歌ったね・・・。」
「披露宴に浮気の歌?・・・。」
でもまあ、お酒も入っているし、みんな聞き流しているようだし。
まあいいか、みたいな。

次に新郎のお父様がマイクを握った。お父様は無難に「北国の春」を選曲。なんかほっとした雰囲気が流れて、僕らもほっとした。
(ちなみに新郎はお父様がカラオケするなんて全く知らなくて、この時点でたまげていたらしい)
これで余興的なものが終わり、後は親族の方々のご挨拶等々で終わるものだと列席した方々は誰もが思ったはずだ。

しかし、そうは簡単に終わらなかった。

新郎お母様がマイクを握り、熱唱。「人生いろいろ」。
<人生いろいろ 男もいろいろ 女だっていろいろ 咲き乱れるの 恋は突然くるわ 別れもそうね>
ここで人生いろいろ、島倉千代子!いろいろ咲き乱れちゃう。
お父様の北国の春があっさり葬り去られる。

これが最後のカラオケで、あとは〆のあいさつになってしまうのか。
和やかな披露宴が最後に新郎母の「人生いろいろ」で終わっていいのか?

僕はとっさに同じ円卓のYクンに言い放つ。
「もう1曲カラオケ、司会のお姉さんに頼んで来る。その間に老若男女問わずにっこりほっこりする曲選んでおいて!」
人生いろいろはもうすぐ終わりそう。早く終われ。いやそうではない、早く終わってしまうとこっちが困る。でも早く終われ、人生いろいろ。時間はない。

司会のお姉さんは快く1曲だけOKしてくれた。さすがに人生いろいろで終わるわけには行かないと思ったらしい。

Yクンは、サーファーでおしゃれでテニスコーチでロンハーマンを着こなす。ちょっとむかつく。
その彼が提案した曲。
か、完璧。すげぇぞYクン。

そして僕たちの円卓だけで一瞬のミーティング。
「このテーブルみんなで歌おう、間奏に入ったら親戚の子どもたちも呼んで最後は新郎新婦も呼んでみんなで歌おう、この曲ならみんなで歌える、知っている」円卓全員団結。
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完璧だった。子どもたちは呼んだ瞬間ダッシュで僕たちのテーブルまで来てくれた。他の来賓の方々も来てくれた。新郎新婦も来てくれた。嬉しそうだった。

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そんな歌なんだ、「世界で一つだけの花」。

槇原敬之さん。また音楽シーンに戻ってきて、ミラクルスーパーヒットかっ飛ばして。ビートルズなんて薬まみれさ。


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