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【平均さん】睡眠7時間30分でほぼ平均。それでも朝は起きられない|05

あなたは、毎日何時間寝ていますか?

総務省の令和3年「社会生活基本調査」によると、45〜49歳男性の一日の平均睡眠時間は7時間37分でした。主人公の平均さんは46歳で、普段は午前0時ごろに寝て、午前7時30分ごろに起きるため、睡眠時間は7時間30分。平均との差はわずか7分なので、今回は「ほぼ平均さん」だ。

ただし、この調査の睡眠時間は指定された二日間の生活行動から算出された週全体の平均であり、本人が布団にいた時間や、理想とする睡眠時間と完全に同じものではない。それでも時計だけを見れば、平均さんは同世代の平均にほとんど着地している。

ところが、起きるのはつらい。

目覚まし時計が鳴った瞬間、七時間半という十分そうな数字は、平均さんの身体を一ミリも持ち上げてくれない。眠った時間はほぼ平均なのに、起き上がるための力だけが計算に入っていないようで、あと五分、もう一度だけと布団へ戻りたくなる。

朝に弱いことは、自分でもずっと分かっている。

だから平均さんは、四社連続でフレックスタイム制の会社を選んだ。始業時間を自分である程度ずらせる会社なら、朝から無理に別人へ変わらなくても働ける。遅い日は午前十一時ごろに出社していたため、世間の通勤ラッシュが落ち着いた時間に家を出て、そのぶん帰宅時間も後ろへずれた。

早く出れば早く帰れると言われても、まず早く起きることが難しい。

だったら、起きられる時間に働き始め、遅く帰る生活へ合わせればいい。平均さんは朝型になる努力を続ける代わりに、朝に弱いまま会社へ着ける仕組みを選んだ。

帰りが遅い生活にも、小さな利点があった。

近所のイオンは午後十一時まで営業しており、平均さんが帰る頃には弁当に半額のシールが貼られている。朝早く出社できないことが退勤を遅らせ、その遅さが夕食を安くするため、生活全体で見れば、弱点が家計の味方へ回る日もあった。

夜更かしして何かを成し遂げているわけではない。

起きていてもYouTubeを見るくらいで、平均さん自身、それを有意義な時間だとは思っていない。だから動画を眺めながら夜を使う不毛さと、そのまま眠ってしまう不毛さを比べれば、寝ているほうが余計な買い物をせず、無駄遣いよりはましだと考える。

「寝る体力があるのはいいことだ」と言われることもある。

確かに眠れず苦しむより、午前0時に寝て七時間半を確保できることは悪くない。しかし平均さんが困っているのは、長く眠れるかどうかではなく、朝になっても起きたい理由が見つからないことである。

その証拠に、釣りの日だけは別人になる。

船に乗る日は、午前一時に家を出る。普段ならまだ寝始めて一時間しかたっていない時刻だが、釣りへ行くとなれば、睡眠が三時間しかなくても目を開けた瞬間から頭が動き、支度の続きを思い出せる。

しかも平均さんは船酔いする。

寝不足のまま船へ乗れば、沖へ出る前から身体が不安定になるため、できれば四時間半は眠りたい。家を出る午前一時から逆算すると、午後八時半には寝る必要があり、会社から家まで一時間、帰宅後の準備にも一時間かかるので、釣りの前日は午後五時に早退する。

午後六時には入眠改善薬のドリエルを飲み、すぐ眠れた日は計画通り四時間半を確保できる。

ただし、楽しみな予定があるからといって、身体が計算通り眠ってくれるとは限らない。早退し、移動し、道具をそろえ、薬まで飲んだのに、時計を見ると午後九時になっていることもある。四時間半寝るための作戦を立てた結果、実際の睡眠は四時間を切り、それでも午前一時になると起きて出発する。

普段の朝なら、七時間半寝てもつらい。

釣りの朝なら、三時間でもシャキッとしている。

この差を睡眠時間だけで説明しようとすると、平均さんの身体は矛盾している。七時間半は足りず、三時間なら足りるはずがないのに、布団から出られるかどうかは数字と反対に動く。

平均さんにとって、起床を決めているのは睡眠の長さだけではなく、その先にイベントがあるかどうかだった。

会社へ行く朝は、起きたあとに待っている一日が昨日とよく似ている。顔を洗い、電車へ乗り、仕事を始めるまでの順番が分かりきっているため、目覚まし時計は予定を知らせても、身体を前へ引っ張るほどの力を持たない。

一方、釣りの日には、海の状態も、釣れる魚も、船の上で何が起きるかも決まっていない。午前一時の暗さの向こうに、自分から行きたい場所があるから、三時間しか寝ていない身体でも先に動き始める。

もちろん、楽しみさえあれば睡眠不足でも健康に問題がないという話ではない。眠気が消えたように感じても、必要な休息が不要になるわけではなく、船酔いを避けるために四時間半寝たいという平均さん自身の感覚も残っている。

それでも、「もっと長く寝れば朝に強くなれる」という一般論だけでは、七時間半の日と三時間の日の逆転を説明できない。

平均さんは、平均より七分短い睡眠を改善して七時間三十七分にすれば、毎朝気持ちよく起きられるとは思っていない。あと七分で統計上の目的地へ着いても、翌朝に会社しかなければ、その七分ごと布団へ引き戻される可能性が高い。

睡眠時間は、ほぼ平均。

起きるつらさは、時計の外にある。

平均さんは今日も午前0時に寝て、午前7時30分の目覚ましをつらそうに止める。その一方で釣りの前日になれば、午後五時に会社を出て、午後六時にドリエルを飲み、眠れた時間が何時間であっても午前一時には立ち上がる。

長く寝ることより、起きたくなるイベントがあるかどうか。

平均さんの睡眠は平均に近いのに、朝を動かしているものは平均時間の表には載っていない。

あなたは、毎日何時間寝ていますか? 同じ睡眠時間でも、翌日の予定によって起きやすさは変わりますか。平均? 平均以上???


【タグ】

#平均さん #睡眠時間 #朝が苦手 #フレックスタイム #釣り

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