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生成AIで発想をインキュベートする

最近、事業構想に関するビジネススクールに通っており、日々会社の新規事業の構想をしている。とはいえ、新しい事業をゼロから構想するのは難しく、最初は何も思い浮かばなかった。週にひとつ思いつけばいいほうで、そんなに新規事業ってポンポン思いつくものでもないな、と。

そこで試行錯誤をして、生成AI(chatGPT)を活用して発想する方法を考えてみたのだが、これが見事にハマって、かなり量産ができるようになった。

生成AIを使うのはなんかズルをしているような気がしないこともないが、使うなとは言われていないし、ラクをしているというわけでもないので、少しここでやり方を書いてみる。

これは別に事業構想に限らず、ありとあらゆる発想に共通して言えるものだと思う。

<レシピ>
1.思いついたことを思いつくままに書いてみる
2.生成AIに流し込んで、論点を整理してもらう
3.整理した論点をもとにディスカッション
4.結論をまとめてもらう
5.まとめてもらった結論を自分の言葉に置き換える

この流れで思考を整理していく。このフローの破壊力はなかなかすさまじく、週にひとつ思いつくかどうかというペースだったアイデアが、日に3つぐらいの勢いで生み出され続けている。従来の21倍である。

むしろアイデアが思いつかないというよりは、時間的な制約があるからこれ以上はできない、という感じになっている。

最初の「思いついたことを思いつくままに書いてみる」というのがすべての起点になる。あとの工程はここで書かれたことがベースになるが、ここで考えていることを書き切ってしまうことで自分の思想が網羅されるのだろう。

ここで書く「思いつくこと」というのは、自分の思考そのものである。「さて、今日も考えますか」みたいなところから書いていく。何かテーマを決めておいて、それについて考えていることを思考そのままに書き出していく。時間をあらかじめ決めておいて、その時間の枠の中で捻り出すと効率がよい。だいたい自分は15分ぐらいに設定することが多い。

3の「整理した論点をもとにディスカッション」のパートが面白い。chatGPTと凡庸なアイデアを議論していると、途中から面白いことを閃いたりすることがある。たとえ凡庸な結論であったとしても、とにかくアウトプットすることが大事と、先に進めてしまっているのだが。

とりあえずアウトプットしておけば、時間が経ってから新しい切り口を思いつく可能性があるかも。既存のアイデアと融合することだってあるかもしれない。

このディスカッションも、たとえば「この事業アイデアのネガティブな指摘をしてほしい」などと指示すると、痛いところをどんどん突いてくる。もちろん自分の脳内で「指摘役」を作って議論することも大事だと思うのだが、chatGPTに容赦なくやってもらうと一層磨きがかかる。

chatGPTは一連のディスカッションの論点をまとめるのも得意だ。ただ、最終的なアウトプットは自分の言葉で書いたほうがいい。生成AIは言い回しがAIっぽくて不自然だからだ。また、自分の言葉で書く過程でまた新しい発想が加わることがあるかも。

こうして議論していると、知識の量でアイデアの質が磨かれるんだな、とつくづく思う。たとえば、太陽光発電に関わることを思いつき、発電の仕組みを知る必要があったときに、素人では急に調べられるものではない。

しかし生成AIなら、議論の中で知識を普通に引き出してきてくれる。正確かどうかは別途確認をとる必要があるのだが、ブレーンストーミングの相手としてはこれほど心強いものはそうそういないだろう。

ちょっとした思いつき、発想を知識が下支えしてくれる。これを個人の脳みそに入れておく必要さえない。chatGPTに聞けばいいからだ。知識に対しての感度があればそれでいい。

こうやってchatGPTを活用していると、これからの社会では「知識格差」が結構生まれそうだな、と思えてくる。これだけAIが賢くなり、普通に使えるレベルのものが出てくると、「考えることは全部AIに任せればいいのでは?」と思う人も出てくるだろう。

しかし、考えることをすべてAIに任せる社会にはならないと思う。なぜなら、人間には探究心があるからだ。AIが人間を超える知性を見せるなら、それを学ぼう、理解しようとする人間が出てくるだろう。そうやって、AIを教師に学ぶ人間がすごいパフォーマンスを出す社会になるんじゃないかな、と。

なぜそう思うかというと、AIが先行して本格的に導入されている将棋の世界がそうなっているからである。AIがどれだけ強くなっても、それだけで人間の将棋は強くならない。AIを使って「自分の頭で汗をかく」人が強くなる。それはchatGPTにおいても同じことだな、と。

頭の使い方がわかってきたというか、ディスカッションの相手を得たというか。現代社会は、生成AIとの掛け合わせがパワーを発揮するのだと思う。

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