怖いレベルの再会は天文学的奇跡!!「袖ふり合ったら驚愕の縁」
急に思い出したので忘れないうちにnoteに記しておこうと思います。
ここ数年来、パンデミックが起こる前まで夫婦でたくさん旅をしました。夫が亡くなった今だからこそ、たくさんの旅の思い出を作っておいてよかったと心から思っています。
どの旅にも素敵なストーリーがあり、今も何気ない日常のなかで不思議なぐらい思い出す瞬間があります。つくづく、人はこれまでの経験や思い出で作られているのだなぁと感じています。一方で、たくさんの思い出や記憶が時とともに失せてしまうのではないかという恐れもちょっぴりあります。
そんな数々の旅の思い出の中で、信じがたいレベルのトリハダもんエピソードがあります。
2015年に夫婦でスペイン、ギリシャの旅をしました
夫がスペイン、マドリード近くのアルカラ・デ・エナーレスという街でコンファレンスに参加したついでにマドリード、トレドを堪能した後、ギリシャのアテネに足を伸ばし、その後ふたたびスペインに戻ってから南スペインでゆったり休暇を過ごしました。
せっかくスペインにいるのだからと、カナリア諸島にも行ってみました。7つの島のうちのひとつ、ランサローテ島です。カナリア諸島はアフリカ大陸の北西、モロッコの西側あたりに位置しており、大西洋のハワイとよばれるヨーロピアンには人気のリゾートです。

【カナリア諸島のうちのひとつランサローテアイランドは火山島】
時期が9月だったこともあり、まだたくさんの観光客で賑わっていましたが、さすがに日本からは遠いので、日本人観光客にはお目にかかりませんでした。
ランサローテ島では、こぢんまりしたオトナの雰囲気のホテルに滞在していました。ホテルはオールインクルーシブなので、朝昼晩と食事をしているうちに、レストランに現れる顔ぶれにも馴染みが出てきました。たまたま同じテーブルに座り、何気ない会話が始まるのも旅の醍醐味です。
夫は独学ながらもスペイン語を学んでいたのでスペイン語はかなり話しましたが、ヨーロッパ各地からのゲストが多いので、話されている言葉はフランス語やドイツ語のほかにも北欧の言葉も聞こえてきました。それぞれの母国語は違えど、こうしたインターナショナルな場では英語さえわかればほとんどの人と会話ができました。
ある日、ディナーのテーブルで初めてランサローテを訪れたというご夫婦といっしょになりました。
実は、昼間そのカップルをわたしは羨望の眼差しでチラ見していたのです。わたしたち夫婦よりも歳はいっているようですが、老夫婦と表現するにはあまりにも素敵なカップルでした。
プールサイドで日光浴をしながら読書していた女性はしなやかな立ち居振る舞いで、とっても上品です。横たわって本を読んでいるだけなのに、まるで映画の一シーンのようにひときわ目立っていました。
美しく日焼けして、スレンダーな体型なのに、ほどよく筋肉もついていて、かっこよくビキニを着こなしていたのです。「なんて素敵に歳を重ねている女性なんだろー」と思ったので、夫にツンツンしてひそひそ話しかけました。
「ねぇ、あの人結構なお歳とお見受けするけど、ぜんぜん“オバサン”じゃなくてめちゃセクシーで素敵じゃない?」
すると夫も「ほんとだ。絵になる夫婦だな」
「いや、夫婦かどうかはわかんないじゃん?恋人同士とか、不倫かも……」
なんて、“余計なお世話”な妄想をしながら人間ウォッチングを楽しんでいたのでした。
そのお二人と会話のチャンスが訪れたのでした。
「昼間、素敵なカップルだねって話していたんですよ」
「どちらからですか?」
「ベルギーからです」
「あなたたちは?」
「アメリカからです。日本人ですけどね」
なんて調子で、食べながら、あれがおいしいとか、これもおいしいですよと言った、たわいのない会話をしているうちに、My wife is ...などという言葉が出たので、ご夫婦ということもわかってきました。
キャンパーを持っているのでよく夫婦でキャンピングの旅に出るけど、今回は安いパッケージがみつかったのでランサローテに来てみたとのことでした。
2年が過ぎ2017年に再びヨーロッパに旅をしました
夫がオランダ・アムステルダムでコンファレンスに参加したついでに、オランダからドイツ、ベルギー、フランスをまわる旅を計画しました。
夫は変人なので、せっかく旅に出ても、有名なよくある観光地をめぐることには興味がない人でした。
ヨーロッパ諸国は陸続きなので車や列車で別の国に移動できるのはおもしろいところです。在米のわたしたちが、隣の州にでかけるような感覚で、隣の国に行けてしまいます。
せっかくだからと、スキポール空港でレンタカーを借りてオランダを南下し、ドイツまでドライブを楽しむことにしました。

【アムステルダムから南下して小さなオランダの街Budel で一泊】
さらにドイツに向けてドライブすると走っても走ってもこんな景色ばかり。

風車が多いのはさすがエコの国、ドイツという感じですが、こんな景色ならわたしたちの住むミシガン州にも似たようなところはいくらでもあります。それでも道路標識がドイツ語なのでドイツにいるんだなぁという感じはありました。
さて、ジケンはそのドイツの田舎街で起こったのでした
わたしたちは、GPSだけを頼りに、フランクフルトに近い「ドイツのどこか」を走っていました。宿泊施設とレストランを併設しているような場所があったのでそこでランチを食べました。
はっきりした地名がわからないような、行きずりの土地でしたが、パーキングにはたくさんのキャンピングカーも止まっていたので、それなりにキャンパーにとっては知る人ぞ知るような場所なのかしら?などと思っていました。
ビュッフェ式スタイルのランチを終えて、コーヒーを飲んでいたところで、遠くに、目を惹くカップルが食事する姿が目に入りました。
いつものようにチラ見で人間ウォッチング。
「あのカップル、お歳のわりに素敵な雰囲気ね」
「そうだね」
しばらくすると、その“カップル”もわたしたちの方を見ていることに気づきました。
ここはドイツの片田舎です。
アジア人は少ないので、わたしたちがひときわ浮いてしまっているのかもしれません。
「なんでこんなとこにアジア人がいるのかしら?」と思われていても不思議ではありません。そんな視線をなんとなく感じながらもコーヒーとデザートを食べていました。
しばらくすると、ツカツカと歩いてこっちに来ました。
「あのー、数年前にランサローテでお会いしましたよね」
「ええええっっっっっっっっ!!!!」
この時点でわたしたち四人全員がトリハダたてて固まりました。
「OH MY GOODNESS!!!!!! あっ!!あのときの??!!😱」
こんな天文学的偶然がありうるのでしょうか?
スペイン・カナリア諸島のランサローテで、たまたま袖すりあっただけのわたしたちが、その2年後に今度はドイツの片田舎で再会してしまったのです。
うっそー!!😱
まるでキツネにつままれているようでした
彼らはベルギーに住むベルギー人夫婦。わたしたちはアメリカに住む日本人夫婦。初めて会ったのは、カナリア諸島のランサローテ島。おまけに、ランサローテでは、お互いに名前さえも名乗り合っていません。
そして、しつこいけどここはドイツの片田舎です。ドイツとベルギーは隣国同士ではありますが、一日ちがっていても、ほんの数十分時間がずれていてもこの出会いは実現していないのですから、奇跡としかいいようがありません。
四人ともが最初の出会いの印象を深く記憶に刻んでいたので、自信をもって、「あの時の夫婦」ということがわかったのでした。
「もうこれは、Goosebumps でしかありませんね」
と4人がお互いに自分たちの腕をなでなでしつつ震えました。
さすがに、今度はお互いに名乗りあいました。
彼女はクリスタル、彼はミシェルでした。
とはいえ、だから何?です。
もし、これが若い未婚の二人なら、「赤い糸で結ばれた運命」を感じてしまうところでしょうが、わたしたちにはそんなロマンスはありましぇん。
人に話しても信じてもらえないほどの偶然にはちがいないけれど、だからといって老夫婦4人にこれ以上のオチはないのです。
三文小説でもしこんな展開があれば、「あるわけないでしょ!!」と一蹴されるだけでしょうけど、まさに「事実は小説よりも奇なり」な身の毛もよだつ再会でした。
別れ際に、「また地球のどこかで会ってしまうかもしれませんね」なんて冗談を言いながら笑って別れましたが、夫が亡くなった今、それはもうなくなりました。
こんなミラクルな再会のもうひとりの証人がいなくなってしまったので、メールアドレスぐらい交換して、4人の写真も撮っておけばよかったとちょっぴり後悔しています。
⬇こちらも2015年の旅の一部です。
いいなと思ったら応援しよう!
🌺 共感、応援いただけたならうれしいです。
感謝の気持ちは次のどなたかに恩送りします。