感情高ぶり号泣しちゃった!!幸せ&感謝
人生最大級に特別な夜でした。
感動的な映画やドラマを見てはすぐに泣く生前の夫に「泣かない女」と言わしめたわたしですが人目もはばからずに泣きました。
先週金曜日デトロイト近郊のこぢんまりしたライブハウスで、ミュージシャン/プロデューサーとして活動している末息子が5年ぶり新アルバムをリリースしたため記念ライブが開かれました。
本来2020年中に発表する予定だったアルバムがコロナ禍でライブ活動もできない世の中となったため断念&延期となっていたものがようやくこの世に出ました。
2020年はパンデミックで世界が激変。多くの人々が新しい生き方を模索する中で、芸術分野を生業にしているアーティストやそれに関連する人々にとってはまさに暗黒時代への突入でした。加えて息子にとっては父親の癌闘病と向き合う闇も加わりました。
コントロール不能な状況を嘆いてもしょうがない。気持ちを切り替え期限にとらわれず満足のいく作品を作ろうと、より納得できる作品を追求しているうちに、録音のしなおしも含めて当初の予定よりさらに2年半の歳月をかけての発表となりました。
ショーに集まってくれた人たちは、彼らの音楽やライブが好きで応援し続けてくれているファンで、この日を楽しみに駆けつけてくれた人ばかりでした。会場全体がとても温かい雰囲気でお祝いの熱気が伝わってきました。
演奏家として、サウンドエンジニアとして人の作品の制作を手伝うことも彼の仕事の一部ですが、自身のバンドにおいては、曲作りから演奏、アレンジ、録音、ミキシング、プロデュースに関わる全てを息子が仕切っているためそれこそが彼にとっての「自分の音楽」です。
彼はふだんあまり前面に出ることを好みませんので、これまでソロで歌うことはありませんでしたが、今回のアルバムではアコースティックギターだけで息子が単独で弾き語る1曲が入っています。彼らのサウンドといえば、それぞれの演奏者のソロをふんだんに盛り込んだ"大人のポップ"が定番なのでちょっと異色です。
この曲にはちょっとした裏話があります。今後わたしの「一生の思い出の曲」となるはずです。
生前の夫はよく息子に「たまにはおまえが歌えよ。オレはお前が歌う歌が聴きたいし、歌っている姿が見たいんだ」と言いました。
そのたびわたしは、息子には息子の描いているビジョンがあるのだから口出ししないほうがいいと夫を戒めました。すると夫は、「全部歌えって注文つけているわけじゃない。一曲ぐらいオレのために息子が歌ったってバチはあたらんだろう」と開き直っていました。
前回のアルバムを出したあとそんなやりとりがあったことから、夫の末期がんがわかったときに「次のアルバムにこの曲入れるから。オレ歌うから」と送ってきた曲です。夫が目を閉じて何度も何度も聴きながら闘病中の床にいた2020年の姿が脳裏によみがえります。
末息子はサモアに居るころ8歳で初めてギターを手にして以来「音楽大好き」の道をまっしぐらに突き進んで来ました。好きが嵩じていろんな楽器を演奏しているうちにマルチ奏者となり、大学でも音楽を専攻しました。卒業後は演奏家としてだけでなく、ありとあらゆる音楽や音に関連した仕事に携わっています。
演奏家としては今はベーシストとして活動することが多いのですが、ギター、トランペット、サックス、ドラムを操るマルチ奏者であり、作曲から編曲、レコーディング、ミキシングまでを手掛ける世にも珍しいレベルの万能型プロデューサーです。“親の翌目”を差し引いても音楽的才能と音に対する拘りは桁違いです。
生ギター1本で歌いはじめた息子のソロが始まると、久々の彼らのサウンドでノリノリだった会場は一気に静寂に包まれました。シーンとした中でわたしの頭の中では走馬灯のように過去の思い出が巡りはじめました。
子どものころからギターやトランペット担いでタレントショーに出ては賞金稼ぎしていたこと、学校や大学イベントに出まくっていた日々。ヒップホップにハマってヒップホップ音楽ばかり作っていた時期。ジャズ三昧の大学時代。ファースト・アルバムのリリースコンサートで泣いた夫のこと……。
夫は子どもたちには、やりたいことをすればいい、成りたい者になればいいと言ってきた人です。これまでは夫婦で見守り続けていたのにこの日、念願だった息子のソロを歌う姿を見ることなく逝った夫。父の願いを知りながら見せられなかった息子の悔しい気持ち。曲にはそれが込められていました。音楽で心を表現する人だから。
目の前でショーを楽しみ、彼の生み出した曲を聴いて喝采してくれる人々がいる現実がぐるぐるしたら感謝の涙がとめどなく溢れてきて制御不能となりました。息子のタローも弟の歌を聴いて涙を拭っていました。身内でもないのに何か心に染みるものを感じたのか、オーディエンスみんながしんみりしたあとに大喝采が起こりました。涙腺完全破壊です。
ハイスクール時代ぐらいから「演奏家以上に音楽プロデューサーになりたい」と言い続けて活動してきたので、その意味では成りたい道を突き進んできたと言えます。
彼は、作詞、作曲にとどまらず、演奏家の個性を最大限に引き出して音楽を生み出すことが好きでたまりません。そうしたプロデューサーとしての拘りの強さは呆れるほどでまさに音楽を作る職人といった感じです。今回リリースされたアルバムを聴けば拘りを活かし切っていることがわかります。
音楽に明け暮れる息子のおかげで常に若きミュージャンに囲まれながら、音といっしょに暮らしてきたことをこの日あらためて幸せなことだと思わずにはいられませんでした。心の中で夫に「あなたの念願成就したよ」とつぶやきながら息子の偉業に乾杯🍷することとなりました。💗I love my life 💗
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