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出来ないことは、しなければ良い。

長いこと生きてきて、転職も両手で収まらないくらい経験したけれど、運が良かったのか幸いだったのだろうか、いわゆるブラック企業にはお目にかからなかった。
ブラックな仕事はあったが、雇い主としてはブラックではなかった。

だから、ブラック企業を辞めたいと悩む人の気持ちが分からない。
単純に「辞めれば良いのでは?」と思ってしまうからだ。
辞めるに辞められないというのは、一体どういう状況なのだろうか?
イヤなら辞めれば良いだけではないのか?

辞められないのは引き止められているからなのかと思うが、そうではないようで、辞めたいけど辞められないというから、更に分からなくなる。
辞めるには勿体ない会社なのか?(給与が高いから辞められないのか?)

辞めること自体に抵抗があるのだろうか。成果を出せなかった、頑張れなかった自分が悔しいので辞められないのだろうか。それとも、スキルも能力もないから辞められないのだろうか?
であれば、今のところで取り敢えず給与を貰っていても良いのかもしれない。

私も若い時は何でも頑張ろうとしてきた。無理をすることもあった。若さと気力で頑張ることもあった。
しかし20代も後半になると、やりたいことだけをやることにした。やりたい仕事だから、辞めたいとは思わなかった。専門職だったので人間関係など無視していた。(笑)
そして「別のやりたいことをするために」転職をした。

40歳の声を聞くようになると確かに辞めるに辞められない事態と遭遇した。それは家族を養わなければならない現実があったからだ、つまり私はシングルインカムで一家4人の大黒柱だったからだ。

今の夫婦共稼ぎダブルインカムの人々、全てが自分の肩の上に乗り他者を「自分一人の稼ぎで家族全員を養う経験のない」人達が羨ましくもある。しかし、社内では極力やりたいことだけを選んでやっていたので、余り気にもならなかった。

もっとも40代~50代は自分の市場価値を確認するために、疑似的な転職活動をした。それは業界の動向を見るのにも役立ったので、今から思えば面白かった。

55歳の直前で早期退職して、サラリーマンを卒業してしまったので、あとは現在のようなフリーター生活となった。お金は関係なく、面白いか否かで仕事を選んだので、全くストレスを感じることもなく、不安になることもなかった。

この時に思ったのは、世の中は意外と、「何もしなくても生きていける」という感覚だった。何もしないとは別に仕事をしないという意味ではなく、無理なことをしなくても、実は世の中にはハローワークや転職サイトに出ない仕事が、山のようにあるという意味である。もちろん公序良俗に反しない、真っ当な仕事である。

学校では教えてくれないが、社会は安心してフリーターで生活が出来るという仕組みになっているのである。

60歳を過ぎてからは体力的な問題もあり、それまでのやりたいことだけをやる、という考えから、「出来ないことはやらない」という考えになった。出来ないことを無理してやってもナンセンスではないか。

若い人なら出来ないことにもチャレンジして成長する意味はあるが、60歳を過ぎたら無理してやって腰を痛めたり、怪我をしても意味がない。だから、出来ないことはやらないと宣言した。

ブラックな会社で悩んでいる人は出来ないことや、無理難題をやらされているのではないだろうか?
無理をしても出来るようになって、頑張りたいという気持ちがあるのなら頑張れば良いだろうが、イヤなことなら無理して頑張ってもしかたがない。サッサと辞めた方が良い。

私は労働者の立場も、経営者の立場も経験しているので言うが、経営者としての私は出来ない人は使わない。使う必要がないからだ。出来る人に出来ることをやらせて、生産性と効率を上げ、バリューを生み出すことしか考えない。

ということで、今の私は、やりたいことしかやらない、かつ、出来ないことはしないを徹底しているのだ。それでも仕事は断るほどあるから、何の心配もない。人は独立独歩で良い。
#note   #エッセイ   #高齢者   #フリーター   #役立たず
【記】やく・たたず(屋久 佇(竚))

追記:
視点は少し変わるが、私の本業PMPであるプロジェクトマネジメントの観点から言うと、プロジェクトマネジメントで最初に行うことはnot to do、つまり「やらないこと」を決めることになる。

初めにやらないことを決めることで、行うべきことのスコープ(範囲)が自ずと決まることに繋がる。スコープを曖昧にしているとプロジェクトの崩壊に繋がるリスクがあるので、not to doを明言することが大切となる。

尚、「やらないこと」はあくまでも、「今、やらない」ことを指している。後から行うことや、条件や環境が整うまでやらないことは裏側にあっても構わない。

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