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日銀短観から内需を買って、決算前に降りた記録——+309,323円のうち、仮説が稼いだのはいくらか

同じ銘柄を、2回に分けて建てました。

1回目は、日銀短観の業種別DIを見て立てた仮説にもとづくもの。2回目は、上がってきたので乗せた買い増しです。

結果はこうなりました。

  • 1回目(500株)… 22日持って +312,575円

  • 2回目(400株)… 2日で切って -3,252円

利益の全部が、仮説にもとづいた1回目から出ています。

同じ銘柄、同じ相場、同じ人間が、3週間のうちに2つの入り方をした記録です。順に書きます。


仮説:短観のDIから、内需に寄せる

7月1日発表の日銀短観で、業種別のDIを見ていました。宿泊・飲食サービスが改善していた。

当時考えていたのはこうです。TOPIXは連日高値で、銀行主導で幅が出ている。AI・半導体はすでに買われている。一方で内需——宿泊、小売、建設——は、業況判断が改善しているのに株価が追いついていない。近い将来、内需がアウトパフォームするのではないか。

そこから宿泊関連を絞り込んで、共立メンテナンス(9616)を主軸候補にしました。ホテルとドーミーインを持っている会社です。

実行:2,875円で500株

7月13日、500株を2,875円で建てました。フィボナッチで押し目の位置を見て、そこから段階的に入る形です。

ここまでは、仮説どおりに動いています。

2回目:3,007円で400株

7月15日、400株を3,007円で追加しました。2,875円から+4.6%上がったところで、上に買い増しています。

このときの根拠を正直に書くと、短観とは関係ありません。上がっていたからです。仮説が当たっていると分かって、乗せたくなった。

7月17日、この400株だけを3,000.25円で処分しました。-3,252円。保有2日です。

金額は小さいので、当時は何とも思っていませんでした。ただ、いま並べて見ると、この400株は最初から違う理由で入っていて、違う終わり方をしています。

8月4日:決算前に、全量降りた

8月7日に1Q決算を控えていました。8月4日の朝、残っていた500株を見ています。

  • 株価 3,495円、建値2,875円に対して +21.6%

  • RSI(短期)93.70

判断は3段階で動きました。

最初は「またいでもいい」と思っていました。根拠は短観のシナリオがまだ生きていることです。次に「織り込みが進みすぎているから半分か」に変わりました。ホテル・内需は月次データが毎月出るので、決算を待たずに情報が株価に入っていきます。RSI93という数字は、その結果です。

そして「半分」を「全量」に変えたのは、そのときの地合いでした。

決算発表が本格化していた時期で、好決算を出しても売られる銘柄が、半分くらいありました。 自分の持ち株でも同じことが起きています。NECと富士通は決算後に反落し、GSXも良くない位置で売られていました。当時のメモには「決算で窓を開けて、そのままモメンタムを保つ動きが見当たらない」と書いています。

好決算が出ても、上がるとは限らない。 そういう相場では、決算を跨ぐ意味そのものが薄くなります。上に取れる余地が小さいところに、good newsが出ても買われない地合いが重なった。ここで全量に変わりました。

最終的に 500株を全量返済しました。3,505.22円、+312,575円。保有22日です。

決算跨ぎのリスクをゼロにした形になります。

答え合わせ

決算は8月7日に発表されました。私が降りた3営業日後です。

  • 8月4日の決済単価 … 3,505.22円

  • 8月13日 終値 … 3,250.0円

  • 8月14日 終値 … 3,278.0円

降りた値段より、6.5%下にいます。500株で計算すると、約113,600円。持ち続けていた場合との差です。

数字だけ見れば、決算前に降りたのは正解でした。

ただし、これを「読みが当たった」と書くつもりはありません。

8月4日に私が考えていたのは、決算で出るはずのものが、もう株価に入っているということです。

ホテルや内需は月次データが毎月出ます。決算日を待たなくても、業績の中身は少しずつ株価に反映されていく。建値から+21.6%という上昇と、RSI93.70という過熱は、その結果だと見ました。

だとすれば、跨いでも上に取れる余地は小さい。一方で、外したときの下だけはそのまま残る。割に合わないと判断して降りた、というのが実際のところです。

つまり私は決算の中身を予想したのではなく、どこまで織り込まれているかと、それが買われる地合いかどうかを見て降りています。決算がどう出るかについては、何も当てていません。

「好決算でも売られる」という見立てのほうは、2日後に自分の持ち株で確認することになりました。8月6日、保有していたJX金属(5016)が上方修正を出しています。それでも東証の終値は約-3.1%、同日夜のPTSも4,012円で-3.14%でした。上方修正が出た銘柄が、その日のうちに3%下げる。そういう相場だった、ということです。

決算後に上げていた可能性も、同じくらいありました。そのときの私は「利益を取り逃した」と書いていたはずです。事後には、どちらの物語も書けます。

言えるのは、リスクを外すと決めて、実際にリスクは外れた、というところまでです。それが良い判断だったかどうかは、この1回では決まりません。

補足として1つ。会社は5月15日の時点で、今期を経常-0.8%・最終-3.8%の減益予想としていました。その予想が置かれたまま、株価は7月から8月にかけて上げています。私はこの点を判断材料にしていませんでしたが、「織り込みが進んでいた」の中身は、実際にはこういうことだったのかもしれません。

何が利益を生んだのか

通算で+309,323円。内訳を並べ直します。

  • 短観の仮説にもとづく500株 … 22日保有、+312,575円

  • 上がったから乗せた400株 … 2日保有、-3,252円

比率でいうと、利益の101%が1回目から出ていて、2回目がその1%を削っているという形です。

この2つの違いは、はっきりしています。

1回目は、株価を見る前に理由がありました。 短観のDI、内需と外需の相対、まだ株価に入っていないという見立て。そのあとで値段を探しています。

2回目は、株価が先にありました。 上がったという事実があって、そのあとで「仮説が当たっているから乗せる」という理由が付いています。順番が逆です。

そして順番が逆の玉は、2日しか持てませんでした。持てなかったのではなく、持つ理由がなかったからです。上がったから入った玉は、上がらなくなった瞬間に根拠が消えます。

この記録で言えること・言えないこと

言えること。 私の場合、短観のDIを起点にした1本については、仮説から決済まで筋が通っていて、結果も出ました。

言えないこと。 これは1銘柄1回の記録です。短観のDIを見れば勝てる、という話ではまったくありません。同じ時期に同じ仮説から入った他の銘柄では、うまくいっていないものもあります。

そしてもう一つ。決算前に降りたのが正しかったかどうかは、この記録だけでは決められません。 降りたあとの値動きは1つの結果でしかなく、逆になっていた可能性も同じくらいありました。「リスクを外した」と「利益を取り逃した」は、事後にはどちらの物語も書けます。

書けるのは、そのとき何を見て、どう迷って、どう決めたかまでです。


次にやること

10月頭に、次の日銀短観が出ます。

今回は「短観を見て入った」という記録を、あとから書きました。次は逆にします。発表前に、何を見るつもりかを先に書いておく。 どの業種のDIが改善していたら何を検討するのか、外れたと判断する条件は何か。

そのうえで、発表後に照合します。外れていたら、外れたまま書きます。

後から書く記録は、どうしても筋が通って見えます。順番を逆にしないと、そこは検証になりません。


本記事は個人の取引記録とその振り返りであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。数値はSBI証券・楽天証券の取引履歴CSVを集計したものです。投資判断はご自身の責任でお願いします。

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