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神々の遊ぶ庭 -エゾシカの暮らす山-

神々の遊ぶ庭カムイミンタラ、大雪山。エゾシカは、アイヌではカムイ(神)ではなかったようですがときに神々しさを感じてしまいます。


エゾシカは、北海道では身近な動物ですが、自然の中で暮らす彼らはときに神々しくもあります。以前は登山口から中腹までで出会っていましたが、最近は山頂付近でも見かけるようになりました。

神々の遊ぶ庭の第2章では、大雪山(=カムイミンタラ)で出会ったエゾシカを紹介します。

01 白雲のぬし

彼らに出会ったのは2021年。白雲避難小屋の近くの草原で草を食む2頭のエゾシカ。標高2000mほどの場所で出会ったことも、立派な角を持つ牡鹿に出会ったのも大雪山でははじめて。この年から毎年、彼らには会っている。

2頭の牡鹿(2021年7月23日)

1頭の牡鹿は、おそらく先天的に一方の角が生えないという特徴があることやそもそも山頂付近でエゾシカに会うことが珍しいため同じ個体で間違いないだろう。

2022年は小柄なエゾシカと3頭で行動していたが、2023年は小柄なエゾシカは見当たらなかった。

3頭で行動を共にする(2022年8月6日)

2023年は、明らかに前の年より大きくなっていた。くすんだ毛並みに変わり、威厳を感じる風貌の成熟した雄の迫力に圧倒された。

成熟した雄の迫力に圧倒される(2023年9月4日)

02 ヒサゴ沼のシルエット

2020年7月18日に緑岳登山口を出発してトムラウシ山に向かう。トムラウシ山に登頂後に戻ってきたヒサゴ沼で夕闇に包まれる景色を眺めながら夕食を摂る。

他の登山者から沼の対岸にヒグマがいると教えてもらい、カメラを手に向かうが会うことはできなかった。その足で散策しながら東の沼に行くと対岸にエゾシカのシルエットが浮かび上がる。立派な角をこちらに向けエゾシカも気配を感じたのだろう。直後に闇に消えて行った。

対岸の気配(2020年7月19日)

翌朝、山を越えて昇った朝陽に対岸の斜面が染まり出す。前日、ヒグマが居たという場所に行ってみる。すると森から親子のエゾシカが沼に入ってくる。カメラを取って戻ってくるとなにかの気配を察知したのか子鹿は藪の中に入る。
私の気配を警戒したのかとかと思ったが、母鹿は別の所をじっと見ていた。

朝陽に染まりゆく頃(2020年7月20日)

03 雲上の食卓

岩場の斜面の途中で一息ついでに振り向くと遠くの山なみの麓に雲海が漂っていた。目の前の樹林はほんの少し色づきはじめている。草原には数組のエゾシカの親子。まだ青さが残る草や木の葉を食んでいる。

私の視線に気づいた一頭が警戒の声を発するも、すぐに食事に戻る。
子鹿は疲れたのか寝そべって母鹿の食事を眺めている。

雲上の食卓(2021年9月4日)

銀泉台の登山口や少し登った第一花園のあたりでエゾシカに会うことはあったが、標高が高い場所で会うようになったのはこの年からだ。

04 秋色の親子

紅葉がはじまった緑岳の中腹。ガスが抜けるとワタスゲが揺らめく草原で数頭のエゾシカが草を食んでいた。

草を食んでいた子鹿は母親が少し先に移動していることに気づいて駆け足で追いかける。母鹿はときおり振り返り、子鹿が追いつくのを待つ。随分大きいように見えるが草だけでは物足りないのか、お乳をねだる子鹿に優しく毛繕い。子鹿はこちらの気配が気になる様子。

紅葉の草原の親仔(2019年9月15日)

≪編集後記≫

峠道などを車で走行中に至る所でみかけるエゾシカの飛び出し注意の標識。昼も夜も関係なく飛び出てくるエゾシカにどんなに気をつけていても何度も踏んだ急ブレーキ。特に夜間は、道路脇の草を求めて集まっているため注意が必要です。

とかち帯広空港に到着し、20時にレンタカーで出発して、大雪高原温泉に23時に到着するまで眠気覚ましに出会った動物を数えたことがありますが、エゾシカの最高記録は38頭。キツネやイタチのような小動物は10匹以上見かけました。交通量が少なく、走りやすい道ですがスピードの出し過ぎには注意が必要です。

ですが山で会うと格好の被写体です。多くのエゾシカは、警戒心が強いように思いますが、たまに登山道に出てきて、しばらく先導してくれる若いエゾシカもいました。

彼らによる高山植物等の食害は気になりますが、山で会えるとうれしくなってしまいます。

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