もっと変わっていく未来を知るためのオススメ書籍『超入門ブロックチェーン』『ソラミツ』〜BC時代はコミュニティの時代!?
ブロックチェーンというテクノロジーは、インターネットの出現の同じかそれ以上に社会や産業を変えると言われています。
通貨や契約、取引が自動化されたり、可視化されたりすることは、ビジネスの構造も変えていくでのでしょうね。圧倒的な低コストという普及動機がありますので、始めると速度は早いのだろうなと思います。
エンターテインメントやコンテンツの領域は、ブロックチェーンと相性がよく、エンターテック・エバンジェリストを名乗っている以上、トレンドはチェックしているつもりです。僕が代表を務めるスタートアップスタジオENTREとしても、BC技術を活用した事業プランは、様々な可能性を日々、検討取り組んでいます。
そんな中で、おすすめ書籍二冊をご紹介します。
日本発で世界最先端の取組が!ソラミツへの期待
コロナ禍の給付金やワクチン接種でも日本の行政や社会でテクノロジー活用が遅れていることは見せつけられました。
日本が「先進国」に留まるためには、デジタルテクノロジーの活用が死活的に重要な今、勇気をもらえる本です。
ソラミツは、日本を愛しすぎて、日本国籍を取得したアメリカ人が創業者のテクノロジーカンパニーです。創業チームに、友人で、StudioENTREのメンターや大阪音大の客員教授もお願いしてる松田一敬さんがいるので、濃い情報交換は日常的にさせてもらっています。著者の宮沢さんが松田さんが巻き込んで、現在ソラミツの社長をやられていますが、Edyの立ち上げをした実績を持っている、日本のフィンテックの草分けです。
前半は、世界で最初に中央銀行がデジタル通貨を取り入れたカンボジアの「パコン」の事例が詳しく紹介されています。若いカンボジア官僚たちのビジョンと熱量は、オッサンの国になってしまった日本人から見ると羨ましいですね。中国の衛星国のように見えるカンボジアの中銀デジタル通貨の実現を日本企業が達成したというのは国際政治的にも大金星です(ちなみにサッカー代表監督も本田がやってますね)。
後半は「デジタル円」の可能性とグローバル視点でデジタル通貨の展望について丁寧に語られています。膝を打つ箇所がたくさんありました。
宮沢さんは政府、自民党、日銀などと会合を重ねている立場から発言されています。
「デジタル人民元が日本円より便利ならどうなるかを、楽観視しないほうがいい」
これは決して脅しではなく、技術最前線からの実感だ。(P143)
この本を読むと、日銀・政府が、デジタル通貨に向けて具体的に取り組んでいる様子もわかります。方向としてはとても良いなと思いながら、提言書にある「スピード感が課題」となると、日本政府の苦手分野なので心配です。
デジタル通貨に関心がある人は誰もが、「これから広範に普及する通貨は何か?」を考えていることだろう。これに対し、私は、複数の通貨が利便性、相互運用性、信用力、広範な利用可能性などの点で競争する事は賛成だが、法定通貨に対して安定的な価値を維持し、大枠では中央銀行の金融政策の傘の下で運用する通貨が現実的な解だ、考えていると。
法定通貨に対して価格が安定しているが微妙に変動するステーブルコインや、法定通貨に対して価値が一対1で一定しているデジタル通貨が、これからの決済手段として普及していくのではないか。 (P206)
金融システムに対して責任感を持っている筆者だけに、リアリティと重みがあり、投機的に踊っているようにも聞こえるよくある仮想通貨の話とは一線を画した重みを感じます。
若き俊英が解く「アナログとデジタルのいいとこ取り」
さて、StudioENTREでは、音楽✕アートワークのNFTマーケットサービス.muraを10月末にローンチしますが、その事業を一緒にやっているGinco代表の森川くんの最新著作も激オススメです。
ブロックチェーン界隈には若き天才、俊英たちが多いのですが、森川くんもその一人で、この本でも俯瞰した視点から、ブロックチェーン技術の価値の本質と構造を語っています
ブロックチェーンは、人間同士の間で形成される信頼を拡張し、進化をもたらすものです。(P19)
ブロックチェーン技術が示唆した4つの可能性
1.障害やエラーに強い分散ネットワークの可能性
社会全体に関わるようなシステムが1つの障害で停止してもしまう(といったリスクを軽減する、ダウン耐性の強いシステムが構築できるようになりました。
2.不正や改ざんに強い記録システムの可能性
過去に起こった出来事に対して確からしさを担保することのできる記録システムが実現可能になりました。
3.網羅的で透明性の高い追跡システムの可能性
情報の追跡性(トレーサビリティー)を高めることができるのではないかと言う可能性を秘めています
4.オープンでそ結合なシステム連携の可能性
ネットワークが世界中で共有されていることから、ブロックチェーン上に存在する複数のサービスを相互に接続することが従来の手法に比べて低く比較的容易に実現します。
これら4つの可能性を一言でまとめたのが「デジタルとアナログのいいとこ取り」です。(P55)
人類は、「デジタルとアナログとのいいとこ取り」をして、「信頼」関係を進化させていくのでしょう。是非、読んでみてください。
GINCOと取り組んでいる新事業.mura(どっとみゅーら)は、まさに、音楽家と音楽ファンが「n対n」で信頼関係を醸造されていくコミュニテイを目指していきます。
インターネットはブラックボックスを作ることを難しくして「特権階級」を維持できず、あらゆる存在に「民主化」されるという圧力を掛ける続けています。それに伴い音楽ビジネスでは、「個へのパワーシフト」が強烈におきていることは、このnoteでも折に触れて書いてきました。
ブロックチェーンは、従来の「集中管理型」の仕組みの弱点を「分散型」で解消するというトレンドを強く呼び起こします。大切なものほど、どこかに集中させるのではなく、情報やデータを分散させて、透明性や追跡性を高めることでこれまでより「早く」「安く」「安全に」管理するということが始まろうとしています。
BC時代のエンタメビジネスは、フィンテックと不可分!?
インターネット革命は、情報伝達を変えましたが、ブロックチェーン革命は契約や取引、通貨などを変えるので、変革のパワーはもっと深いところにあるのでしょう。
エンタメ関連の新規事業を日々考えている立場、特にスタートアップ=社会にイノベーションをもたらすという観点から見ると、ほとんどのエンタメ関連事業は、フィンテックと不可分になっているなと感じています。事業としての大成功=スケーラビリティポイントを想定すると、ユーザーデータ解析含めたフィンテック的な要素を取り組むプランニングになっていくのです。
ユーザー体験を快適にするために従来のビジネスを一気通貫型にしたり、ユーザー情報をより効果的にフィードバックしていくビジネススキームを想定すると、金融的な部分の変革も付いてきます。逆に言うと、ブロックチェーンがそれを可能にしている時代なのでしょう。
コミュニティの重要性が圧倒的に増す
同時に実感するのは、コミュニティの価値が上がっていくということです。人的なつながりと言い換えても良いかもしれません。「信頼の拡張」が行われる際には、そこのベースにコミュニティがあるのが自然に感じられるのです。
インターネットは市場をグローバルに緊密化させ、個人と個人が繋がる世界を実現しました。国家を超えたコミュニケーションや商取引が日常的に行われていますし、それは加速していくでしょう。
一方で、インターネットもブロックチェーンもベースには性善説的な思想があると僕は感じています。性善説をベースに、よりよい社会を作っていく、そのためにはズルいことや悪いことができない仕組みも同時に実装するという発想になっています。最終的には国ごとの法律で罰せられるという基本はありますが、その前に、各コミュニティ=人的つながりの中で、パージされないためにやっては悪いことをやらない、あるいは、コミュニティ内での自分の価値を上げるために価値を上げる行動をするというモチベーションが働きます。
親族血族一党は大切にしても、それ以外の人は騙しても儲かれば構わない的な価値観を持つ人が多い中国人で、胡麻信用Alipayの信用スコアを高く保つために、道徳心のある行動が増えたというのが象徴的です
グローバルに繋がっていく時代だからこそ、人間同士のつながり、なんらかのテーマや趣味や仕事などでつながっているコミュニティの場が大切になり、そこに分散型管理の取引の時代が合致しているな、と感じますし、そこにビジネスチャンスがたくさん眠っているような気がする、というのが、二冊の示唆あふれる本を読了した僕の気づきです。
始まりつつあるブロックチェーンの時代を備えるためにも是非、読んでみてください!
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