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ミッション : インポッシブル

ひとつ前のblogにも書いたが、今更ながら原付の免許を取得した。車ではなく、原付だ。試験会場では過剰な自意識が発動し、なぜあのひとは車ではなくわざわざ原付免許を取るのであろうと全員から思われている!と、誰も見てやしないのに被害妄想を膨らませていた。

実際、なんで原付?と友人から笑われもしたが、いま車の免許を取っても乗る機会がなく、ペーパードライバーになること必至。2ヶ月後にひと月ほどトルコにも行くので、取得するまで間延びもするし、また学び直すことにもなりかねないと、とりあえずの原付である。でもみなさま、心配(?)には及びません。いずれ夫が設立する解体会社のため、準中型、果ては大型免許を取得するよう仰せつかっている。それらを取得した暁に、きちんとご報告させていただけたらと思う。

「大型」とは…
トラックの中で一番大きいサイズに分類されることが多い。具体的には、道路運送車両法で定められる大型トラックは、全長12m、全幅2.5m、全高3.8mまで。また、最大積載量6.5トン以上、車両総重量11トン以上の場合も大型トラックに分類される。でかぁ。

街で見かける1番大きなトラックが大型になるのだが、今はそんなこと、とてもじゃないが考えられない。昨日の夜、駐車場やその周辺で少し運転の練習をした。実技講習のときより幾分慣れ、夫にも思ったほどひどくはないから大丈夫と言われたが、まだこれからが本番だ。

今日は、無くなりかけたガソリンを入れに行くという任務を与えられた。はじめて公道を走る。空いていることを考慮し、午前中に向かうべくいつよりも早起きして身支度を終えたが、緊張のあまり決心がつかない。二段階右折も未経験であるし、いざ車の通る道を目の前にするとパニックになってしまうのではないかと恐怖を抱き、Googleマップをみてガソリンスタンドまでの道のりのシュミレーションをした。その距離、たったの600mではあるのだが。

気持ちを奮い立たせ、駐車場まで降りてゆく。そういえば、シートの開け方をきちんと習っていない。夫に電話しようか迷ったが、これくらい自分でなんとかしようとネットで調べた。キーを差し込み “シート” に合わせ、そのまま押せば開くということもはじめて知った。そして、いざオープン。中にヘルメットの姿はなかった。

ヘルメットは夫が車に乗せたまま仕事に向かっていた。わたしの重大ミッションは、あっけなく頓挫した。覚悟していたことが先延ばしになり、拍子抜け。はじめてを終えれぬまま緊張を抱えつづけるより、早く済ませてしまいたいが致し方ない。夫が帰宅してから再チャレンジしようと思う。

そんなこんなで、わたしの挑戦はまだ終わらない。はじまってすらいない。ガソリンを入れたあとは、もう少し遠距離の運転にも慣れなければならないし、果ての果てには大型が待っている。

16歳で免許を取るのと41歳で取るのでは、感覚が全く違うと思う。実技講習においても、若人と比べ、自分の飲み込みの悪さに本当に驚いた。年齢だけが関係しているわけではないとは思うが、10代の頃と比べると、状況の察知能力や理解に至るスピード、動体視力など、格段に衰えている実感がある。教官に「右足」と指示され、平気で左足を出している。注意をされても、対象が自分ということになかなか気づかない。

抗えないものがあることを知り、やれやれと不安でいっぱいのまま帰路に着いたのだが、帰りのバスから原付に乗っているおばあさんを目にし、勇気をもらった。とても見慣れた光景だが、わたしも大丈夫と思えた。小さなはじめては緊張感があり、年々挑戦する気力が減少していることも事実だ。だがその緊張感も新鮮で悪くはない。

かつて、高速に乗ったことがないという友人Iちゃんが、練習がてら大阪から信楽まで連れていってくれたことがあった。免許を持っているMさんを助手席に座らせ、2人で小一時間もルートをシュミレートしていた。免許を持たないわたしとKちゃんがその様子を後部座席からイジっていたが、今ならIちゃんの気持ちがすごくわかる。

はじめての高速は、案内板やナビを確認したりと慌ただしそうだ。ルートと出口がわかりづらく、Iちゃんは信楽までの道中、何度も高速を降りかけた。なんなら、1度本当に降りてしまった。

高速へ戻り、そして再び誤って出口へ向かう。もう後戻りはできまいと2度目の降車を覚悟したとき、Iちゃんは思いっきり右にハンドルを切った。軌道修正が効かない距離で、軌道修正をした。出口へ向かう道路と信楽へのルートを分岐している壁に、ぶつかるーーー!と、一同死(最低でも事故)を覚悟した。驚きのあまり、誰も声が出なかった。助手席のMさんは体勢を低くし、両腕で頭部を守っていた。それほどまでに身の危険を感じるできごとであったが、もちろん事故は免れ、無事信楽への到着を果たした。軌道修正する際、Iちゃんは瞬時に後方の車の有無を確認していたらしい。彼女の身体能力の高さを再確認した日であった。

原付をきっかけに、Iちゃんらとのそんなこんなを思い出した。あれから半年が経とうとしているが、最近も高速に乗っているだろうか。チャレンジ精神と勇気に改めて拍手を送るとともに、このblogをIちゃんに捧げる。(いらんか。)

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