鈴木さんとの再会、タコライスともずく天ぷら
悲しみのタコライス事件の次の日に鈴木さんと再会した。さっそくカレーを食べたこと、280円が驚異的な安さだと話したあと、タコライスを忘れた悲しみも付け加えた。
▽ 前回のお話
鈴木さんは日常にタコライスをつくることに驚いていた。というより、タコライスが何なのかいまいちわかっておらず、タコスと混同している様子だった。
タコライスは、タコスの具材をご飯にのっけた、沖縄発祥の料理であるという浅い知識を披露する。つくり方は適当ですよと話すわたしに、いやいやと返す鈴木さん。タコライスが大層な料理ではないことを、伝えきれないままになった。
沖縄料理が好きなんですか?ソーキそばとか、と聞くタコライスがわからない鈴木さんは、わたしより少し年上なのではと想像する。質問もズレていて、ちょっと世間知らずでかわいらしい。わたし自身に興味を持って質問してくれたことがうれしく、それに応えたくなってしまう。
鈴木さんの問いに、そういうけではないですけど〜、ソーキそばとかは特に好きとかなく普通ですけど…
あ、でも、
「もずくの天ぷらは好きです」
と答える。
鈴木さんは、もずくの天ぷらも知らなかった。
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「スーパーの三杯酢じゃない、味付けしてないもずくで、普通の天ぷらっていうより衣が厚めでフリットみたいな。この辺のスーパーでも三杯酢じゃないやつ売ってるんかな?沖縄ではあると思うんですけど、自分でつくったことはないんでスーパーで探したことないなぁ。なんか普通のもずくより若干太い気もします。あ、茎ぽいとこではなく、柔らかさはそのままに太さだけ違うような…え?どこで食べれるんですかねー?沖縄とか居酒屋とか…?あ、そうです、塩で食べます!」
もずく天、ひいては自分のプレゼンを思いっきりがんばるわたし。鈴木さんにたのしい奴と思われたい。久しぶりに家族以外と会話らしい会話、しかも大好きな食べ物の話ができていることに高揚した。
勝手に、鈴木さんとなら仲良くなれそうな気がしている。友人のあのコと、昔ひととき仕事を共にし、大好きだったあのひとに似ている。
先にnoteに書いた、友達とマーラータンを食べたいという夢について思い出す。タコライスももずく天も食べたことのない鈴木さんだ、絶対マーラータンを食べたことがないに決まっている。
同じく、マーラータンを食べたことがないわたしにうってつけの人材(友人)ではないだろうか。多い苗字ランキング上位の鈴木と山田、いろいろとお似合いだと思う。
相手の気持ちも自分の気持ちも不明瞭なので、まだまだ様子を伺おうと思う。よく知らん奴からのマーラータン食べに行きましょうなんて、怖過ぎる。警戒されては本末転倒だ。
土日にしか会えない鈴木さんとたまの日曜日しか出勤しないわたし、次はいつ会えるだろう。次に会えたら、まず食べものの好き嫌いから聞いてみようと目論んでいる。
