イランの核能力と中東核拡散の危険性――セオドア・ポストルが訴える「軍事解決は不可能、外交しかない」という現実

全体の要約:
MITのセオドア・ポストル教授は、イランはすでに高度な核技術、濃縮ウラン、遠心分離機能力を保有しており、政治的決断さえ下せば短期間で10~20発規模の核兵器を製造できる可能性があると主張した。
教授によれば、一般に想定されているよりも少ない兵器級ウランで核爆弾は製造可能であり、IAEAの公開データを分析するとIR-6遠心分離機の性能は従来推定の2~4倍に達する可能性がある。そのため、イランの核兵器製造能力は広く認識されているよりもはるかに大きいという。
一方で、教授はイラン指導部を合理的な行為主体と評価し、核兵器保有がサウジアラビア、トルコ、エジプトなどの核武装を誘発し、自国の安全保障を悪化させることを理解しているため、本来は核兵器を保有したくないと論じた。
しかし、イスラエルや米国による軍事圧力や体制転換の脅威が続けば、イラン国内で核武装論が強まり、最終的に核兵器保有へ向かう危険があると警告した。
教授は「軍事的解決策は存在しない」と強調し、仮に核開発を阻止したいのであれば外交交渉以外に現実的選択肢はないと主張した。
また、イランが核兵器を保有した場合でも、イスラエルや米国への核攻撃は自国の壊滅を意味するため、合理的な国家として実際に使用する可能性は低いと述べた。
さらに、最大の脅威は核保有国の増加による誤認や事故であり、核兵器国が増えるほど予期しない核戦争の危険が高まると指摘した。
最後に、パトリオット・ミサイル防衛システムについても、その実戦性能は過大評価されており、イランの弾道ミサイルに対する迎撃能力は極めて限定的だと主張した。したがって、軍事的抑止よりも外交による緊張緩和こそが中東の安全保障にとって最も合理的な道であると結論付けた。

Theodore Postol: Iran Can Now Build 10-20 Nuclear Weapons - U.S. Must Negotiate

全文和訳:
グレン・ディーセン:お帰りなさい。本日は、マサチューセッツ工科大学の科学技術・国家安全保障政策教授であり、核兵器運搬システム、ミサイル、ミサイル防衛の専門家でもあるセオドア・ポストル教授をお迎えしています。教授は国防総省への助言も行なってこられました。本日もご出演いただき、ありがとうございます。

セオドア・ポストル:こちらこそ、お招きいただき大変うれしく思います。

グレン・ディーセン:さて、本日はイランの核能力について議論したいと思います。これは、どのような核合意が必要になるのかを考えるうえで非常に重要な問題だからです。というのも、対イラン戦争は多くの面で極めて悲惨な結果をもたらしました。
その悲劇の一つは、本質的にイランに対する存亡の危機を生み出したことです。アメリカやイスラエルは体制転換を目指しているかもしれませんが、現政権に代わる政府が控えているわけではありません。そのため、最もあり得る結果はイランのバルカン化、すなわち国家の分裂であり、実際には国家そのものの破壊でしょう。それはシリアやリビアで起きたことに近いものになるはずです。
ですから、イスラエル、そしておそらくアメリカにとっては、地域の主要勢力を一つ排除できれば十分なのかもしれません。しかし、もし今あなたがテヘランにいるなら、イスラエルとアメリカは決して諦めないだろうと考えるはずです。彼らはいずれ再び攻撃を仕掛け、イランを打ち負かし、破壊しようとするでしょう。

ここで問題となるのは、イランが今や核兵器を開発する十分すぎる理由を持ってしまったということです。核兵器はしばしば「究極の抑止力」と呼ばれます。私はもちろんイランが核兵器を開発しないことを願っています。しかし同時に、この戦争が核開発への巨大なインセンティブを生み出したという現実についても率直であるべきだと思います。
また、以前にもあなたと話したことがありますが、イランはかなりの技術的ノウハウを持っていますし、高濃縮ウランや核物質も保有しています。ですから、この問題は現実的な課題なのです。
そこで、この件について、あなたはご自身の研究や分析を準備されているとのことでした。

セオドア・ポストル:ええ、この状況について改めて検討してみました。以前にも調べていましたが、今回もう一度見直しました。そして、重要だと思われるいくつかの結論に到達しました。
私の話を聞いて理性的に考えてくれる人がどれほどいるかは分かりません。私たちは皆、その問題をよく知っています。しかし、これから説明する結論の根拠はしっかりしていると考えています。そして、その結論は外交的解決が可能である一方、軍事的解決は不可能であることを非常に強く示しています。
この事実は権限を持つ立場の人々に認識されなければなりません。そうでなければ、西南アジアにおいて核拡散が爆発的に進行する事態を目にすることになるでしょう。

まず第一に認識すべきなのは、イラン人は核兵器を作りたいわけではないということです。彼らが求めているのは抑止力です。特にイスラエルによる核攻撃を抑止したいのです。
イスラエルは、その行動によって、自らがイランにとって存亡上の脅威であることを示してきました。そして、さらに言えば、イランに対する大量虐殺的脅威であるとさえ言えるかもしれません。実際にそれを実行できるかどうかは別として、少なくとも他の地域ではそうした行動を取っています。特にガザやレバノンがそうです。
南レバノンの状況は実にひどいもので、いくつかの点ではガザで起きていることと似ています。要するに、いわゆる防衛を名目として、レバノンの人々に対して民族浄化を行ない、さらなる領土を獲得しようとしているように見えます。

したがって、イラン指導部の視点からすれば、彼らはある意味で大量虐殺的脅威をもたらす二つの敵対勢力に直面しているのです。それにもかかわらず、彼らは依然として交渉を望んでいます。
なぜ交渉を望むのか。それは彼らが極めて合理的だからです。外交への取り組みだけでなく、戦争が始まって以降の行動を見ても、その合理性は明らかです。彼らは戦争遂行において驚くべき規律と熟慮を示してきました。この点は本当に印象的です。

基本的に、イラン指導部は核兵器を保有すれば、サウジアラビアがほぼ確実に対抗措置として核保有国になることを理解しています。そしてサウジアラビアは、非常に短期間で核保有国になれる可能性があります。
なぜなら、サウジアラビアはパキスタンの原爆開発計画に資金を提供してきたからです。そして、将来サウジアラビアが核兵器を必要とする事態になれば、パキスタンがそれを提供するという了解があったとされています。
そして、そのような状況が存在することは一般的に認識されているように思われます。さらにサウジアラビアは、イランだけが核兵器を持つ状況を容認せず、自らも核兵器を取得することを明確にしています。
イラン側は、そのことが自国の国家安全保障に重大な悪影響を与えることを理解しています。

もちろん、トルコもあります。もしイランとサウジアラビアが核兵器を保有するなら、トルコも容易に核開発へと進む可能性があります。そして、おそらくエジプトもそうでしょう。
さらに、湾岸諸国の一部がどのような能力を持ち得るのかについては、まだ分かっていません。彼らの産業基盤はより限定的ですが、莫大な資金を持っています。そのため、どのような展開になるのか予測できません。

つまり私たちは、近年ではむしろ珍しい存在となった合理的な行為主体と向き合っているのです。そして、その主体は何らかの合意を交渉によって実現したいと考えています。
一方で、別の側面もあります。それは、特にアメリカ、そしてより広く西側諸国の非合理的な行動によって、イランが追い詰められ、核兵器を保有する以外に選択肢がないという結論に至る場合です。

もちろん、事態はそれほど単純ではないかもしれません。あなたのような方であれば、さまざまなシナリオを描き出すことができるでしょう。
しかし確実に言えるのは、イラン指導部の中には非常に合理的な人々が存在するということです。そして同時に、その指導部に反対する人々も存在し、彼らは今すぐ核兵器を開発すべきだと考えています。
国内の政治的議論は複雑であり、まったく予測がつきません。そして、核兵器開発を進めるべきだと主張する勢力が内部論争で勝利するのがいつになるのか、あるいは本当に勝利するのかも分かりません。いつ起きてもおかしくありませんし、私たちには分からないのです。

そこで重要なのは、イランとの交渉による合意形成の努力を行なわなかった場合、世界がどのような姿になるのかを自問することです。
改めて強調したいのですが、イランは交渉を望んでいます。
さて、まず最初のポイントとして、いくつかお見せしたいものがあります。

スライドは見えていますか?

グレン・ディーセン:はい、今表示されています。

セオドア・ポストル:スライドが表示されましたね。では始めましょう。

すでに触れた点もありますが、改めて強調しておく価値のある基本的なポイントがいくつかあります。

第一に、イランは実際には10発から20発程度の核兵器を製造できるということです。
これは今日一般的に語られている見解とは少し異なります。現在の一般的な見方では、イランは60%まで濃縮された440kgの六フッ化ウランから、短期間で10発程度の核兵器を製造できるとされています。
しかし、その推定には前提があります。すなわち、イランが製造する核兵器1発あたりに25kgの高濃縮兵器級ウランが必要だという前提です。
ところが実際には、核爆弾を製造するために25kgもの高濃縮兵器級ウランは必要ありません。必要なのは14~15kg程度です。これは兵器の設計に関係しています。
なぜなら、技術的観点から状況を見れば、もし自分がイラン人であり、迅速な核兵器製造を考える立場なら、一般に議論されているような種類の兵器は作らないだろうと思われるからです。

その代わりに、15kgの兵器級ウランの中心核を取り囲むように、ウラン238でできた中空球殻を配置した兵器を製造するでしょう。
その理由は、この外側のウラン238球殻が兵器にとって二つの有益な効果を持つからです。
第一に、この球殻は中性子を兵器の中心部へ反射します。これにより、核兵器製造に必要なウラン235の量を減らすことができます。つまり、より小さな臨界質量で済むのです。
そして臨界質量が小さくなれば、より多くのウラン235を複数の兵器製造に回すことができます。これが第一の利点です。
第二の利点は、このウラン反射体が非常に重いということです。
そのため、この方式で製造された原子爆弾が超臨界状態に達し、急激なエネルギー放出を始めた際に、兵器の膨張をわずかに遅らせることができます。
仮に数百分の一マイクロ秒、つまりごく短い時間だけ膨張を遅らせることができれば、爆発威力は大幅に増加します。
なぜなら、兵器級ウランが自己崩壊して分散する前に、より多くの核分裂が進行するからです。

つまり二つの利点があるわけです。
代償として重量は増加します。しかし後で示すように、その重量増加は問題にはなりません。製造される兵器の大きさと重量は、これまでイスラエルに対する通常弾頭攻撃に使用されてきた既存の長距離ミサイルに容易に搭載できる範囲に収まるからです。
したがって、もし核兵器開発を進める決断をした場合、イランは核兵器そのものだけでなく、その弾頭を運搬できる弾道ミサイルの発射手段もすでに保有していることになります。

残る問題は弾道ミサイルの信頼性ですが、それは非常に高いように見えます。
なぜなら、イスラエルの弾道ミサイル防衛はほとんど役に立っていないからです。

少し話がそれるかもしれませんが、おそらく1~2週間以内に別の講演を行なう予定です。その中で、パトリオット・システムがイランの弾道ミサイル迎撃に完全に失敗していることを示すつもりです。
能力はほぼゼロに近いと言ってよいでしょう。

したがって、弾道ミサイル攻撃という観点から見れば、これは非常に信頼性の高い運搬システムです。
私はこれを示すデータも持っています。
私が収集したこのデータの重要性を強調しておきたいと思います。
さらに、国際原子力機関(IAEA)が公表している情報を適切に分析すると、IR6型遠心分離機の効率は、一般的に想定されている値の2~3倍高いという結論に達します。
実は私自身もそうした高い効率を想定していませんでした。
というのも、遠心分離機1基が実際にどれほどの濃縮能力を持つのかを正確に分析するのは非常に複雑な作業だからです。

しかし、この結論は極めて重要です。
なぜなら、例えばイランが60%濃縮ウランを用いて急速に17発、18発、あるいは19発の核兵器を製造・兵器化した後でも、その後は天然ウランから年間1~2発、あるいはそれ以上の核兵器を比較的容易に生産し続けられる可能性があることを意味するからです。
つまり、もしこれを思いとどまらせる何らかの措置が取られなければ、私たちは巨大な核兵器保有国の誕生を目の当たりにすることになるのです。

もっとも、この状況は必ずしも恐れるべきものではありません。
なぜなら、合理的に考えるなら、私がすでに説明したように、イランは交渉を望んでいることが理解できるからです。
彼らは、自国の周囲を潜在的に敵対的な核保有国に囲まれるような立場に自らを置きたいとは思っていません。
彼らの懸念はイスラエルだけではないのです。
したがって、彼らは交渉に極めて強い関心を持っています。
2015年の包括的共同行動計画(JCPOA)への参加によっても、彼らは自国の濃縮計画に対して非常に厳しい制約を受け入れ、その枠組みの中で行動する意思があることを示しました。
つまり、ここには解決策に必要な要素がすべて揃っているのです。

私の政策的な主張は非常に単純です。
交渉する以外に選択肢はありません。
もし交渉しなければ、いずれ非常に強力な核保有国が誕生することになります。それがあなた方の選択なのです。
軍事的手段をさらに強化するにせよ、軍事的圧力を継続するにせよ、最終的にはイランを核兵器開発という決断へ追い込むことになります。
しかもイランには、それを大量に製造し、さらに核戦力を拡大し続ける能力があります。
ですから、少しでも合理的に考えるなら、私にはこれは難しい選択には思えません。

さて、私の評価の中で何が変わったのでしょうか。
なぜ前回よりもさらに悲観的な評価を下しているのでしょうか。
その理由は、イランが核兵器製造に必要とするガス遠心分離機が、人々が考えているよりも数が多く、しかも性能が高い可能性が高いからです。

例えば、これは「科学国際安全保障研究所」による表です。
ここには、2025年6月22日の「ミッドナイト・ハンマー」攻撃までの数か月間に製造された遠心分離機の数が示されています。
この攻撃はイランの核計画に大きな損害を与えました。
致命的な損害ではありませんでしたが、確かに重大な損害でした。

その時点まで、イランは毎月450基の遠心分離機を生産していました。
イランが採用している基本単位は174基の遠心分離機によるカスケードです。
後でお見せしますが、彼らはこのカスケードを2つ連結して348基構成の複合カスケードを構築することができます。
そして、その能力をすでに実証しています。
後ほどお見せするように、IAEAもこれを報告しています。

私はIAEAの報告書を読み直していた際、偶然この事実を発見しました。
もっと賢ければ、もっと早く気づいていたかもしれません。
しかし重要なのは、これは単なる推測ではないということです。
これはIAEAが報告している生産実績によって明確に実証された能力なのです。
この点については後ほど説明します。

さて、核爆弾を製造するために必要なウラン量ですが、通常は……
カーソルは見えていますよね?

グレン・ディーセン:はい、見えています。

セオドア・ポストル:はい、わかりました。
核爆弾を製造するために必要なウラン量は、最大で55kgほどになる場合があります。これは、核物質だけを用いて、90%まで濃縮されたウラン金属の球体を単純に組み立てる場合です。
その場合、反射材などを用いない「裸の球体」のウラン金属で核兵器を作るには、およそ55kgのウラン金属が必要になります。
ちなみに、もし濃縮度が83.7%であれば――後で説明しますが――必要量はおそらく60~65kg程度になるでしょう。

83.6%という数字について説明すると、フォルドゥ施設(※イラン中部にある同国第2のウラン濃縮施設)では、ウラン235が83.6~83.7%まで濃縮された痕跡が検出されています。
これはごく微量の痕跡でした。しかし少なくとも、90%には達していないものの、兵器級に非常に近い濃縮を実現する能力が実証されたことを示しています。
通常、人々は90%濃縮を前提に議論します。
一方、10cm厚のウラン反射体を用いる設計にすると、必要量はおよそ20kg程度まで減ります。
実際には、先ほど少し言い間違えました。私が話しているのは20kg程度です。

さらに10cm厚のベリリウム反射体を使えば、もっと少ない量で済みます。
ただし、そのためにはベリリウムを加工する能力が必要です。
イランがベリリウムを扱う技術を持っており、またベリリウムを保有していることを示す有力な証拠もありますが、ここでは二つの可能性に焦点を当てます。
すなわち、
・90%濃縮ウラン20.5kg
・90%濃縮ウラン14.1kg
という二つのケースです。

さて、実際にこれをどのように兵器化するかを考えてみましょう。
これらの材料を用いて核爆弾を組み立てるわけです。
この図は『エンサイクロペディア・アメリカーナ』から引用したものです。

ここで重要なのは、この設計では核物質を圧縮しようとしていないということです。
もし球対称の爆薬を使って核物質を圧縮するなら、核爆弾を作るのに必要なウラン金属の量はさらに少なくて済みます。
しかし、爆縮方式は複雑です。
現代の技術があったとしても、イランが現時点でその技術を完全に手中にしているとは考えにくい。

一方、ここで示している方法は極めて単純です。
脅威にさらされている状況であれば、爆縮型兵器について人々がいろいろ議論するのはあまり意味がありません。
なぜなら、現実にはこう考えるからです。「最善は十分に良いものの敵である」。
つまり、理想的な兵器を目指して時間をかけるより、確実に作れる単純な兵器を作るということです。
だから実際には、非常に単純な兵器を製造するでしょう。

例えば、しばしば引用される『原子力科学者会報』などは、この問題について誤った情報を広める大きな組織の一つですが、「イランは核兵器を作れない」といった短いコメントを出したりします。
私は彼らがどこからそんな結論を導き出しているのか分かりません。
この組織がこれほどまでに誤情報を発信し続けていることは信じがたいほどです。
あれはクラブです。社交クラブのようなものです。実質的な専門知識はほとんどありません。
しかも、その状況を改善しようともしていません。
詳しくは話しませんが、私はこの組織のCEO兼会長と長時間議論したことがあります。
しかし彼女は、私が何を話しているのか理解しようという関心をまったく示しませんでした。本当に驚くべきことでした。

さて話を戻しましょう。

兵器の寸法や重量がどの程度になるのか、概念図ではありますがイメージを示したいと思います。
例えば55kgのウラン核を持つ兵器の場合、その直径はおそらく25~30cm程度です。本来なら図の中に数値を書き込んでおくべきでした。
そして、コアを小型化して55kgではなく20.5kgにした場合、その周囲を取り囲むウラン238反射体はかなり重くなります。
10cm厚の反射体なら、その重量は約350kgになります。
しかし、これは必ずしも欠点ではありません。兵器全体の重量は350kgを少し超える程度だからです。
仮にさらに100kg分の装置――起爆装置や電子機器、構造部材など――が必要だったとしても、全体重量450kg程度の兵器を製造できます。
これは長距離ミサイルが搭載できる重量範囲に十分収まっています。

この方式の利点は、ウラン金属を扱う技術さえ持っていればよいことです。
そして、ウラン核を製造するのであれば、当然すでにウラン金属を扱う技術は持っているはずです。
ウラン238は、機械的特性や加工上の観点から見れば、ウラン235とほぼ同じです。
したがって、必要な技術はすでにすべて手元にあります。
ここには特別に高度な技術は何もありません。

もちろん、より軽量な兵器を目指すなら、10cm以上のベリリウム反射体を用いることも可能です。
ただし、その場合はベリリウム加工技術が必要になります。
もっとも、それはイランが持っていない能力だという意味ではありません。
彼らがすでにその能力を保有している可能性は十分あります。
その利点は兵器を大幅に軽量化できることです。
反射体が非常に重いウランではなく、軽量なベリリウムになるからです。

しかし、そもそもなぜそこまで軽量化が必要なのでしょうか。
弾道ミサイルに搭載できるのであれば、なぜわざわざベリリウムを使う必要があるのでしょうか。
私の推測では、ウランを使う方が合理的です。
なぜならウランは非常に重い物質であり、核兵器が超臨界状態になった際の膨張を遅らせることができるからです。
その結果、爆発威力はより大きくなります。
もちろん、これはあくまで私の推測ですが。

さて、核兵器の実例を見た方が理解しやすいでしょう。
そこで見つけたのがこの図です。
ちなみに、この図はおそらくアメリカの原子力法に基づく機密制限データであるはずです。
誰かがこの機密設計図を盗み出して複製したのでしょう。
誰がやったのかは知りませんが、現在では公然と公開されています。

これはW33核砲弾です。
選択する設定によって、1キロトンから40キロトンの爆発威力を持ちます。
では、どのように作動するのでしょうか。
まず内部に小さなガスボンベがあります。

この点については、現時点でイランには実現できないでしょう。
なぜなら、そのガスボンベには重水素(デューテリウム)と三重水素(トリチウム)の混合ガスが入っているからです。
トリチウムを生産するには大規模な産業基盤が必要です。
そして必要量を考えると、イランがそれを保有している可能性は極めて低いと思われます。
もちろん私が間違っている可能性もあります。もしそうなら、事態はさらに深刻です。

この兵器では、組み立てられた臨界質量へ送り込まれる中性子の量を、重水素・トリチウム混合ガスの量によって制御します。
もし低出力にしたいなら、このガスをほとんど入れません。
逆に非常に高い出力が欲しいなら、大量のガスを注入するのです。

そして何が起きるかというと、この砲弾が発射されると、内部には兵器級ウラン金属でできたリング状の部分があります。また、兵器級核物質でできた環状のスラッグ(塊)もあります。
これは砲弾ですから、まず発射時に非常に大きな加速度を受けます。そして飛行中には空気抵抗によって非常に大きな減速度を受けます。
その結果、この環状の金属リングが所定の位置へ移動し、核爆発を起こすにはあと少し足りない程度の臨界質量を形成します。
しかし、それだけでは核爆発は起きません。

そこで、このスラッグがあります。適切なタイミングになると、爆薬によってこのスラッグがこちらの空洞部分へ押し込まれます。
スラッグが空洞へ突入すると、その過程で重水素・三重水素ガスの容器が押し潰されます。
すると、臨界質量から放出される中性子によって温度が急激に上昇します。
最終的には温度が数千万ケルビンに達します。
そこで重水素と三重水素の混合ガスが熱核反応(核融合反応)を起こします。
重水素と三重水素は融合してヘリウム4になります。
そしてヘリウム4へ融合する際に中性子が放出されます。
この中性子は非常に高いエネルギーを持っています。

通常、ウラン核から放出される中性子のエネルギーは100万電子ボルト程度です。
しかし、この核融合反応から放出される中性子は1400万電子ボルトにもなります。
そのため、これらの中性子が周囲のウランへ突入すると、単に核分裂を起こすだけではありません。
ウラン原子を文字通り叩き壊してしまうのです。
単なる核分裂というより、粉砕するような作用です。
その結果、中性子数が爆発的に増加し、中性子増殖が急激に進みます。
当然ながら、それによって爆発威力は飛躍的に増大します。
そしてこの設計は40キロトン程度の威力を実現できるように見えます。
かなり大きな爆発威力です。

さて、先ほどお見せしたウラン型兵器の寸法を見てみましょう。
ご覧の通り、サイズはおよそ30cm程度です。
とても扱えないほど巨大な装置ではありません。
これを弾道ミサイルに搭載することは十分可能だと容易に分かります。
ですから、「イランにはこんなことはできない」と言う人がいるなら、その人はイランがすでに実証している技術について何も理解していないか、あるいは煙幕を張っているだけです。
まったく根拠のない話をしているのです。

私はそうした考えがどこから出てくるのか理解できません。
現実には、この国は核兵器を製造する能力を持っています。
そして、その核兵器は十分な信頼性を持つでしょう。
必ずしも核実験を行なう必要すらありません。

重要なのは、この事実を踏まえて考えることです。
つまり、イランを「核兵器を持つ以外に選択肢がない」と感じる心理状態へ追い込むことについてです。
彼ら自身は、本来なら核兵器を持たない方が自国の利益になると理解しています。
それにもかかわらず、外部からの脅威があまりにも大きくなり、「悪い選択肢同士を比較した結果、核兵器保有を選ぶ方がましだ」と判断する状況へ追い込まれること。
それこそが最大の問題なのです。

もう少しサイズ感をお見せしましょう。
これは先ほどの砲弾内部に入る核パッケージです。
コンピュータグラフィックスの力を借りて、この部分を取り出し、砲弾の中にどのように収まるかを示しています。
ご覧の通り、きれいに収まります。
ですから、これは魔法のような技術ではありません。
もちろん、自宅のガレージでやろうとすれば話は別です。それは確かに難しいでしょう。
しかし、イランのように巨大な技術基盤を持つ国家であれば、これは十分に実現可能です。
それが私の言いたいことです。

さて、もう一つの重要技術がガス遠心分離機です。
そして、イランがガス遠心分離機を保有していることは分かっています。

国際原子力機関(IAEA)は非常に興味深い報告書を公表しています。
まずその報告書をお見せしましょう。これは2025年の報告書です。
2025年8月頃のもののようですが、2025年3月に公表された「イラン・イスラム共和国に関する検証・監視報告書」です。
では該当部分を見てみましょう。
ここで示されているのは、イランがフォルドゥ施設で運用している174基の遠心分離機から成るカスケードです。
彼らはこれを用いて様々な実験を行なってきました。

さて、基本的な法則があります。
各遠心分離機が生み出す分離作業量(SWU: Separative Work Unit)は、遠心分離機の数に比例して直線的に増加します。
これはSWUという指標が使われる理由の一つでもあります。
濃縮能力を非常に簡潔に表現できるからです。

例えば174基の遠心分離機があり、それぞれが1SWUを生み出すなら、理論上そのカスケード全体は174SWUになります。
もちろん、そのためにはカスケード全体が高効率で設計されている必要があります。
これは非常に複雑な作業で、実験や調整を繰り返して最適化しなければなりません。
しかし理論限界までうまく機能すれば、174基で174SWUが得られるはずです。
もし各遠心分離機が10SWUを生み出すなら、全体では1740SWUになります。5SWUならその半分です。

イランが行なっていた実験は、このカスケードを2つ連結するものでした。
一つのカスケードで濃縮したウランを、もう一つのカスケードの供給原料として投入し、最終製品を得るのです。
その実験では、一方の入口から20%濃縮ウランを投入し、もう一方の出口から60%濃縮ウランを取り出していました。
当然ながら、IAEAはその様子を監視していました。
ちなみに、イランは3つのカスケードを連結する能力も実証しています。

では、それは何を意味するのでしょうか。
ここにIAEAの報告内容があります。
これはイランの実際の生産実績です。
理論値ではありません。推測でもありません。

現在広く流布している見方――私自身も以前採用していた見方ですが――では、IR-6型遠心分離機の性能は1基あたり3.5~7SWU程度と考えられていました。
かなり幅があります。
というのも、実験データが十分にない中で、この機械装置の性能を推定しようとしていたからです。

しかし、ここでIAEAに対してイランが実際に示したデータがあります。
彼らは20%濃縮ウランをこの二重カスケードに投入し、60%濃縮六フッ化ウランを月間34kg生産しました。
34kgです。
これは何を意味するのでしょうか。
計算の詳細は省略しますが、20%濃縮ウラン112kgから60%濃縮ウラン37kgを生産するには、およそ400SWUが必要になります。
つまり、必要量は400SWU程度です。決して莫大な数字ではありませんが、それなりの量です。

比較のために言うと、天然ウランから同じ結果を得るには約5500SWUが必要です。
つまり、この段階に至るまでに、すでに膨大な濃縮作業が行なわれているということです。
要するに、20%濃縮ウラン112kgから60%濃縮ウラン37kgを生産するには、およそ400SWUが必要なのです。

では、その数字がどこから出てくるのか説明しましょう。
先ほど私が計算した結果を使います。
34を37で割ります。なぜなら、34kgの60%濃縮ウランを生産するために必要な分離作業量は実際には369SWUだからです。
そして、ここには348基の遠心分離機があります。
月単位で計算しているので、この数値を年間ベースに換算するため12か月を掛けます。
すると、この二重カスケード全体が年間に生み出す分離作業量が分かります。
その値は4,440SWUです。これは非常に大きな数字です。核兵器1発分に近い規模です。

つまり、この遠心分離機群は1基あたり12.75SWUを生み出していることになります。
これは従来の想定よりはるかに大きい数字です。
最も低い推定値の3.5~4倍近い能力です。
ですから、もしイランがその気になれば、核兵器製造に関して極めて大きな能力を持っているということになります。

さて、結論をまとめると――
少しスライドを飛ばしましょう。時間はまだありますね。では先へ進みます。

348基のIR-6遠心分離機からなるカスケードは、年間4,437SWUを生産できます。
そして先ほども説明したように、濃縮作業は加速的に進みます。

以前の説明で私は、砂糖水の例を使いました。
実はこれはなかなか良い例えなのです。完全に正確ではありませんが、かなり近い。

例えば毎回の工程で水を10単位ずつ蒸発させられると仮定します。
そして最初の砂糖濃度が10%だとします。
すると、分離作業を行なうたびに砂糖濃度はどんどん高くなります。
濃度が高くなるにつれ、同じ作業量でもより効率的に濃縮が進みます。
50%まで濃縮された段階では、最後の工程に必要な作業量は非常に小さくなります。
つまり、60%濃縮ウランというのは、実は比較的小さな追加作業で到達できる段階なのです。

ですから、348基のIR-6遠心分離機カスケードが年間4,437SWUを生産できるとすると、25kgの兵器級濃縮ウランを得るために必要なのはわずか120SWUです。
すると必要時間は約1.4週間です。非常に短い時間です。
そして、この設計では1発あたり38kg必要になります。
私が持っている60%濃縮六フッ化ウランは440kgあります。
ということは、11発分です。つまり10~11発分の核兵器になります。

別の設計を採用し、14kgの兵器級ウランを得るために68kgの原料しか必要としない場合には、必要時間は5~6日程度になります。
20kg必要な場合でも、7~8日程度でしょう。
つまり、採用する設計によって15発から19発の核兵器を製造できることになります。
これは一般に語られている数字と比べると、はるかに大きな核兵器製造能力です。

さて、最終的な結論は非常に単純です。
アメリカの最高レベルの政策決定者でさえ理解できるはずです。

イランは10発から20発の原子爆弾を迅速に製造する技術と専門知識を持っています。
ここで言う「迅速に」とは本当に迅速にという意味です。
数週間かもしれません。必要な設備を集めるのに数か月かかる可能性はあります。それは分かりません。
しかし、何年もかかるという話では決してありません。

『原子力科学者会報』の主張は完全なナンセンスです。
そして、この問題が重要ではないかのように示唆することは無責任です。
グレン、私がこの点を強調する理由をはっきり説明しておきたいのです。

もし私があなたの技術顧問で、「これは問題ではありません」と言ったとしましょう。
そうすると、あなたは「では心配する必要はない」と思うでしょう。
「考慮する必要のない問題だ」と判断するでしょう。
ですから、これは『会報』による小さな誤りではありません。重大な誤りです。
しかも彼らは自らを専門家だと称しています。
誤った情報を広めています。

今日はあまり礼儀正しくない気分なので率直に言いますが、彼らが広めているのはナンセンスです。
彼らは専門家であるかのように装っています。
しかし実際には何の検証作業もしていません。
そして無責任にも、国民やワシントンの政策決定者たちに誤った認識を与えています。
多くの人々は彼らが専門家だと思い込んでいます。
これが問題なのです。

しかし明るい面もあります。
イランは核兵器保有国になりたいわけではありません。
彼ら自身、それが自国の国家安全保障を損なうことを理解しています。

ですから重要な点は二つあります。そしてその二つは同じ結論へ導きます。
第一に、イランは核兵器を作る技術を持っています。
第二に、出口(他の解決策)を与えれば、その技術を使いたいとは思っていません。
これだけです。
幼稚園児を連れてきて、一緒に選択肢を説明すれば、その子ですら正しい選択をするでしょう。

では、ワシントンのこの天才たちは一体どうしてしまったのでしょうか。何が間違っているのでしょうか。
今こそ外交が必要なのです。
イランが皆の共通利益に沿った行動を取れるよう支援しなければなりません。
それは全員の利益にかなうことです。
もしイランが最終的に核兵器開発を決断したなら、それはイランにとっても、サウジアラビアにとっても、トルコにとっても、エジプトにとっても、湾岸諸国にとっても、イスラエルにとっても、そしてアメリカにとっても、悪夢のような安全保障環境になるでしょう。

そして、「イランは核兵器をイスラエルに対して使う可能性が高い」という議論もまた馬鹿げています。
イラン人はその結果を理解しています。
そして私たちは彼らが合理的であることを確認しています。
これまで得られた証拠はすべて、彼らが極めて合理的であり、この問題を深く考えていることを示しています。

彼らは理解しています。
もしイスラエルに核兵器を使用すれば、それはイランの終わりだということを。
核報復が行なわれることを理解しています。
だから実際には使わないでしょう。

ですから、イランを「潜在的核保有国」のままにしておけばよいのです。
もちろん理想的な結果ではありません。
しかし、それが最善の結果かもしれません。

なぜなら現在のイスラエル政府は完全に狂っているからです。
私はこのイスラエル政府が何をする意思があり、何をする能力があるのか分かりません。

私が「イランがテルアビブ(※イスラエルの経済・文化の中心地)に何をできるか」という講演を行なっている理由の一つは、イスラエル人に理解してほしいからです。
もしテルアビブを攻撃するようなことをすれば、自分たちだけが無傷で済むわけではないということを。
その場合、イスラエルもまた終わることになるのです。
だから皆が冷静になるべきです。合理的に考え始めるべきです。
そして、この崖っぷちから一歩下がるべきです。本当に危険な状況なのです。

私が言いたかったことは、だいたい以上です。
さて、どうです?
まだ納得してもらえませんか?

グレン・ディーセン:いえ、納得しました。ただ、スライドを消していただけますか?

セオドア・ポストル:もちろんです。スライドを閉じますよ。はい、これで大丈夫です。

グレン・ディーセン:ええ、今ので十分納得しました。これは……。

セオドア・ポストル:ええ、もちろんあなたが理解していることは分かっています。
しかし私が言いたいのは、イランの能力の規模は私たちが通常考えているよりもかなり大きいということです。
正直に言えば、核兵器は1発あれば十分です。
もしあなたが核兵器を1発持っているなら、私はあなたを相手にする際に非常に慎重になります。
2発持っているなら、さらに慎重になります。

かつてコリン・パウエルが北朝鮮について、「1発でも2発でも大差ない」という趣旨の議論をしていましたが、私の見方ではそれは正しくありません。
1発と2発の差は非常に大きいのです。
なぜなら、核兵器というのは想像を絶する破壊力を持つからです。
しかし、10発と20発の差となると話はさらに大きくなります。

しかも現在の対立状態が続く中で、毎年さらに数発ずつ追加生産できる能力まで考慮すると、もしイランが開発を進める決断をした場合、そうした将来像が現実になる可能性があります。
つまり、非常に強力な武装国家が誕生し、その周囲にもまた強力に武装した国家群が並ぶことになるのです。
その結果、一体誰が得をするのでしょうか。
イスラエル人にとっても、サウジアラビア人にとっても、イラン人にとっても、それは将来の地域安全保障にとってどのような環境になるのでしょうか。
考えるまでもない話です。
これ以外に解決策がないことが分からないなら、知性が欠如していると言わざるを得ません。
これが解決策なのです。

もし軍事的解決策があるというなら、ぜひ見せてほしい。
その上で議論しましょう。

私は別に、あらゆる軍事的解決策に反対する人間ではありません。
他に選択肢がない場合には軍事力が必要になることもあります。
私の考えでは、軍事力は最後の手段であるべきです。
しかし本当に必要なら、私は頭から反対するつもりはありません。
十分に深刻な状況であれば、軍事介入を支持することもあります。

聖アウグスティヌスの「正戦論」もそのことを教えています。
状況によっては、戦争という不道徳な行為が正当化される場合もあります。
なぜなら、放置されている悪があまりにも大きいからです。
もっとも、アウグスティヌスの基準の問題は別のところにあります。
それは、より大きな悪を止めるために行なった軍事介入が制御不能となり、最終的にはさらに大きな悪を生み出してしまう可能性があることです。
小さな悪で大きな悪を止めようとするわけですが、その結果は予測できません。
戦争ではそれを見極めることが非常に難しいのです。

私は、哲学的に軍事力へ反対しているわけではありません。
ただし、それは本当に最後の最後の手段であるべきです。

ところが、この問題に関しては軍事的解決という選択肢自体が存在しません。
選択肢ではないのです。それだけ単純な話です。
本当に分かっている軍人に聞いてみてください。
例えばペトレイアスのような人物なら何でも言うでしょう。
しかし責任感のある軍人に聞けば違います。
もし誰かが「やろう。できるはずだ」と言うなら、例えばケロッグのような人物に説明してもらえばいい。
見せてほしいのです。具体的にどうやるのかを。

私は核戦争計画の策定に関わっていました。
核攻撃の目標地点(グラウンド・ゼロ)がどこに設定されていたかも知っています。
私はその場にいたのです。
コンピューター上で実際に核兵器を配置する作業にも携わりました。
だから私は単に赤いマーカーの付いた「大規模攻撃オプション」などという政策資料を見ただけの高官ではありません。
実際に何が行なわれているのか、細部まで知っていたのです。

ですから誰かが「もっと核兵器を持つべきだ」と言ったら、私の最初の質問はこうです。
「どうやって使うのか?」です。
見せてください。
私は核兵器の使い方を知っています。計画策定に関わっていたのですから。
どこへ配備するのか。それによって軍事能力がどのように向上するのか。そして、それが国家安全保障をどのように改善するのか。
もしそれを示してくれるなら、私は興味を持ちます。

私は核兵器が良いものだとは思っていません。
基本的には、核兵器が存在しない世界の方が誰にとっても良いと思っています。
しかし現実には存在している。それは認めます。

しかし問題は、こうした主張をする人々が何も分かっていないことです。
何も考えていないのです。
ですから、ケロッグ将軍に説明してほしいのです。

私はただの平凡な人間です。
海軍作戦部長の顧問を務め、核攻撃目標を知っていただけの愚かな男です。
だから私に説明してください。
それが私の基本的な姿勢です。

グレン・ディーセン:それは非常に重要な指摘だと思います。
たとえ私たち全員が、「核兵器取得を防ぐためにイランを攻撃するのは合理的だ」という前提に立ったとしてもです。
仮に情報機関が、「イランは核兵器取得を目指している」と示していたとしましょう。実際にはそうした証拠はありませんが。
さらに、彼らが核兵器の運用について非常に非合理的だという証拠があったとしましょう。それも実際にはありません。
しかし仮にそうだとしても、私はあなたと同じように計画を見たいのです。具体的にどうやって実現するのかを。

なぜなら、イランは知識も持っているし、核物質も持っているからです。
そうなると、今やイランの核兵器開発を阻止する唯一の方法は、イランそのものを完全に破壊することしかないように見えます。
しかし、それが現実的な選択肢として存在しないのであれば、あるいは実現不可能なのであれば、イランへの攻撃はむしろ核兵器開発の必要性を高めるだけです。

だから私は、戦争よりも前に、今こそ外交が重要だと思うのです。
なぜならアメリカとイスラエルは、イランが核抑止力を求める動機をさらに強めてしまったからです。
そして、これこそが今回の出来事から学ぶべき最も重要な教訓であるべきです。

セオドア・ポストル:ええ、本当にその通りです。
幼稚園児に対してでも、選択肢をこうして並べて説明すれば、必ず正しい選択をします。
それほど単純なことです。
「こちらの方法は実現できない」
「こちらの方法なら実現できる」
ではどちらを選びますか?
それだけの話です。

グレン・ディーセン:しかし戦争になるたびに――

セオドア・ポストル:正しい選択をしたらキャンディーがもらえるような話ですよ。

グレン・ディーセン:戦争になるたびに、相手側がどれほど悪いかという道徳的議論ばかりが行なわれます。
そして、その政府の性格や本質について延々と語られる。
しかし重要なのは、何が実現可能なのかということです。

私はこれまで、20年間のアフガニスタン戦争の末に、結局タリバンをタリバンへ置き換えただけという結果を見てきました。
イラクでは政権を打倒した結果、イランへの対抗勢力だった国がむしろイラン寄りになってしまいました。
リビアは破壊され、今ではヨーロッパにとって深刻な安全保障問題となる混乱状態です。
シリアも、かつては一定の安定がありました。今では私たちはISIS系指導者と協力しているような状況です。
これらはいずれも成功例とは言えません。

ですから、核兵器を開発可能な国を攻撃するのであれば、私は具体的な計画を見たいのです。
本当にどのように機能するのかを。
スローガンではなく、実際の計画を見たいのです。

セオドア・ポストル:ええ。私は社会科学者ではありませんから、もし見当違いなことを言っていたら遠慮なく止めてください。
ただ、私には以前から強く感じていることがあります。
それは、アメリカにおける核兵器をめぐる大きな議論――正確には核兵器やその使用可能性をめぐる多くの議論――には、根底に人種的な性格があるように思えるということです。

かつて、レス・アスピンという国防長官がいました。
ブラックホーク・ダウン事件など、アフリカでの悲惨な出来事があった頃です。
彼は極めて人種差別的な議論を始めました。そしてその議論は何年にもわたってアメリカ議会で繰り返されました。
その議論とは、「他国は抑止されるだけの合理性を持っているのか? 彼らは我々と同じように合理的なのか?」というものでした。
いったい何を言っているのでしょうか。

褐色の肌や黄色い肌の人々は理解できないとでも言いたいのでしょうか。
考えてみてください。
子牛を連れた雌牛がいるとして、その子牛に近づいてみればいい。
そうすれば抑止というものが何か理解できるでしょう。
しかも相手は牛です。雄牛ですらありません。ただの雌牛です。

いったいどれほど愚かなら、他人が合理的ではないなどと思えるのでしょうか。
どれほど狭い民族中心主義的な視野を持てば、他国の人々は合理的ではないと考えられるのでしょうか。
むしろ合理的でないのは、そう考えているあなた自身ではないでしょうか。
他国の人々の知性や文化、そして何が重要かを理解する能力についてあまりにも無知だから、彼らは自国の国益を理解していない、
アメリカを核攻撃することが自国の利益にならないということを理解できない、などと考えてしまうのです。

最近トランプが言っているような、「イランは我々を核攻撃するかもしれない」という議論も同じです。
何を言っているのでしょうか。
彼らはイスラエルに対してすら核兵器を使わないでしょう。私は断言できます。
なぜなら、その結果を理解しているからです。
ましてやアメリカを核攻撃する?
それは地上に地獄を呼び込むようなものです。
いったい何を考えているのでしょう。
イランはアメリカに対する核的脅威ではありません。

すると今度は、「船で密かに核兵器を持ち込むかもしれない」という人が出てきます。
そうですか。そして核鑑識によって、それがイラン製だと判明したらどうなるでしょう。
かつてイランが存在していた場所には、緑色のガラス状の駐車場しか残らないでしょう。
つまり完全な壊滅です。

国家安全保障の専門家を自称する人々の議論としては、本当に馬鹿げています。
もし相手が本当に自殺願望を持っているなら、何をしても意味がありません。
しかし、その相手が白人でヨーロッパ人であろうと、黒人でアフリカ人であろうと、あるいは誰であろうと、合理性がないと考える理由はありません。

私が知る限り、本当に国家を破滅させかねなかった最も危険な指導者はヒトラーです。
もし当時ヒトラーが核兵器を持っていて、しかも我々も核兵器を持っていたなら、彼は使った可能性があります。
ドイツ敗戦時、ヒトラーはアルベルト・シュペーアに対して、国を破壊しろ、ドイツ人は生き残るべきではない、
彼らは優等民族としての試験に失敗したのだから死ぬべきだ、文化もすべて消え去るべきだ、と命じました。
しかしシュペーアは従いませんでした。総統の命令を実行しなかったのです。
ヒトラーは完全に狂っていました。
そして私には、もし核兵器を持っていたら使ったように思えます。

しかしスターリンは使わなかったでしょう。
スターリンは残虐で大量殺人を行なった人物でした。
それでも使わなかったと思います。
毛沢東も同様です。

では私たちは何について議論しているのでしょうか。
本当の問題は「誤り」です。それこそが最大の問題です。
核保有国が増えれば増えるほど、そして保有核兵器が増えれば増えるほど、何か予測不能な形で事故や誤認が起きる可能性が高まります。
最初は小規模な核使用だったとしても、それが急速に大規模な核戦争へ発展する可能性があります。
それこそが本当の危険なのです。

だから私は『原子力科学者会報』の会長と話すために時間を無駄にしたのです。
彼らは1995年にロシアで起きた誤警報事件について記事を掲載したのですが、内容が全部間違っていた。
本当に全部です。理解不能なくらい全部間違っていました。
私がその件について手紙を書いたところ、この女性が電話をかけてきました。
私は資料も送っていました。
ところが彼女は資料を一つも読んでいなかったのです。そして説明してくれと言い始めた。
私は激怒しました。私は時に不愉快な人間になることがあります。驚かれるかもしれませんが。

私は彼女にこう言いました。
「電話をかけてくる前に、私が送った5分で読める要約すら読まなかったのですか? 何時間分もの資料を送ったのに? それで私に敬意を払えと言うのですか?」
すると彼女は、「忙しいんです」と言いました。
忙しい? 結構なことです。
あなたはこの雑誌を運営し、核戦争を引き起こしかねない重要な意思決定に関して誤情報を広めている。それなのに、その問題は重要ではないというのです。
本当に驚くべき会話でした。

ある時私はこう言いました。
「この問題はロシアの早期警戒システムに存在する不安定性を露呈したのです。しかもその不安定性は今日でも存在している。条件が悪い形で重なれば、壊滅的な核戦争につながりかねない。」
つまり構造的な不安定性なのです。
すると彼女はこう言いました。これは実際の発言です。
「私はあらゆる不安定性を懸念しています。」
そこで私は聞きました。「では、この不安定性も懸念していますか?」
彼女は答えました。「私はあらゆる不安定性を懸念しています。」
私は再び聞きました。「この不安定性を懸念していると言えますか?」
すると三度目も同じ答えでした。

これが『原子力科学者会報』のCEO兼会長の知的好奇心と専門性のレベルです。
もしこの会報の理事会関係者がこれを聞いているなら、ぜひ私に連絡してください。
私はこの組織について言いたいことがたくさんあります。
本来なら良い仕事ができる組織だと思っています。しかし現状では害を与えている。
それが私の見解です。

グレン・ディーセン:お話しいただきありがとうございました。
ええ、その点について説明していただき感謝します。
確かにそれはまた別の議論になりますが、専門家層の一部が少しおかしな方向へ流れていくのを見るのは、正直なところもどかしいですね。

しかし今回の核拡散問題は本当に重要なテーマだと思います。
特に合理性の問題です。
イラン人は非合理で狂った人々だという前提。これは最も危険な考え方の一つだと思います。
実際、その考え方は私たちの言語にも組み込まれています。
私たちはイランについて語る際でさえ、「イラン」とは言わず、「ムッラーたち」などと言います。
とにかく彼らをできるだけ非合理的に見せようとする。そうした言葉遣いがあるのです。

そして今の状況を考えると、彼らには核兵器取得への動機があります。
しかし同時に、核兵器を持てば地域全体へ核兵器が広がり、自国の安全保障が悪化することも理解しています。

つまり、ここには合意を形成するための非常に良い土台があるのです。
それにもかかわらず、「では三度目の爆撃を試そう」という話になっている。
「今度こそうまくいくかもしれない」というわけです。
本当に信じられない話です。しかし、それが現実です。

最後に何か付け加えたいことはありますか?

セオドア・ポストル:ええ。そうですね。
私は近いうちにワルシャワで講演を行なう予定です。テーマは、1991年の湾岸戦争から現在に至るまでのパトリオット・ミサイル・システムの実際の性能についてです。
そして、その内容は決して好意的なものにはならないでしょう。

私は自分の結論を裏付けるデータを持っています。
私は人々に、この問題について真剣に考えてほしいと思っています。
また、機会があれば、ぜひあなたの番組でもこの講演を行ないたいと思っています。
なぜなら現在、私たちは枯渇したパトリオット迎撃ミサイルの在庫を補充するという話をしているからです。

その目的は、イスラエルが自国を防衛できるようにするためです。
しかし、その迎撃ミサイルは、実際には迎撃できないミサイルに対抗するためのものなのです。
つまり、迎撃できない弾道ミサイルに対抗するために、何十億ドルもの資金を投入して在庫を補充しようとしているわけです。
これはアメリカの納税者が知っておくべきことだと思います。
そしてもちろん、イスラエル国民も知っておくべきです。

なぜなら、将来もし核兵器を搭載したミサイルが飛来した場合、その迎撃システムでは止めることができないからです。
迎撃することはできません。
まあ、これもまた考えるべき材料の一つです。
私はどうも悪い知らせを運ぶ役回りばかりのようですが……。

グレン・ディーセン:誰かがその役を担わなければなりませんからね。
本日もありがとうございました。

セオドア・ポストル:こちらこそ、ありがとうございました。お元気で。

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