「ダグラス・アダムスの法則」高校生と向き合う社会課題ゼミと、世代を超えた学び直しの時間
【リバースメンター/HR高等学院】高校生と向き合う社会課題ゼミと、世代を超えた学び直しの時間
話し手:山田崇さん(nanoda代表/株式会社ドコモgacco)、吉竹華乃さん(信州大学繊維学部2年)
書き手:山田崇
日時:2025年11月14日(金) 午前6時-6時30分
Check In
吉竹華乃さん:
おはようございます。信州大学繊維学部二年生の吉竹です。先週、先々週あたりから流星群が見えるっていうニュースを二回ぐらい見かけて、友達と「上の山のほう行こうよ」って話をしてたんですけど、その日に限って毎回曇ってて、星も見えないよっていう日ばかりで。誰か雨女雨男がいるのかなって話をしてました。せっかく空気もきれいで星が見えやすい場所にいるので、ちゃんと見たいなと思っています。今日もよろしくお願いします。
山田崇さん:
ありがとうございます。11月12日の夜は牡牛座北流星群がピークで、獅子座流星群は18日だね。もう終わっちゃってるけど、まだ見えるのかな。
長野県塩尻市から参加してます。今朝は東側から朝日が上ってきて、空が黒夜明けからオレンジのグラデーションになってすごく綺麗です。最近睡眠もしっかり取れていて、今朝も元気に起きられました。よろしくお願いします。
金曜朝の「チェックイン・チェックアウト」を続ける理由
山田崇さん:
金曜の朝にチェックインチェックアウトをするのは、今ここに意識を向ける時間でもあり、私が25歳以上年の離れた大学生や若者から“ピュアレビュー”をいただく時間でもあります。
2019年頃に「リバースメンター」という言葉を知って、通常の“年上が年下を導くメンター”とは反対に、若者の視点から学ばせてもらう関係性がすごく大事だと思ったんですね。
私自身、前例のないことがどんどん起きる時代に、自分の経験や固定観念が“正しい”と思い込む危険性を感じていて。だからこそ、今を生きる20代がどう未来を捉えているのか、ちゃんと聞きたいと思って6年ほどこの時間を続けています。
吉竹華乃さんとの毎週金曜日のVoicyや、ハワイに留学している藤田あみさん(武蔵野大学3年生)との毎月1回1on1しているのもこの一環です。
HR高等学院で始まった「社会課題解決ゼミ」
山田崇さん:
10月から新しく高校の授業を担当することになりました。HR高等学院というオンラインと通学のハイブリッド校で、今年4月に開校した学校です。
ホームページには「学校での偏差値より社会での可能性を」「詰め込み教育は社会で通用しない。その期間を希望に変えませんか?」と書かれていて、かなり強いメッセージですよね。
私は前期にトップランナー講師として授業を担当し、この10月からは“社会課題解決ゼミ”を週2コマ、木曜日に担当しています。高校生とオンラインでつないで毎週授業しているんです。
想定と違ったからこそ、授業内容を毎回アップデートする
山田崇さん:
当初シラバスを出したんですが、実際に生徒と会ってみたら、いい意味で想定が違いました。規模が小さいので全員の話が聞けるし、全員がプレゼンする時間もある。
そして何より、“社会課題に興味がある”以前に、
自分がどういう存在なのか
何に関心があるのか
社会に向けてどう生きていきたいのか
を言語化したいという生徒が多かったんです。
だからカリキュラム全体像を示しつつ、毎回少しずつ内容を変えています。
「ダグラス・アダムスの法則」が示す世代とテクノロジーの関係
山田崇さん:
オンラインかばん持ちでもよく話しているんですが、「ダグラス・アダムスの法則」というのがあります。
1. 生まれた時にあったテクノロジーは“自然の一部”
2. 15〜35歳の間に出会ったテクノロジーは“革命的で刺激的”
3. 35歳を過ぎて出会うテクノロジーは“自然の秩序に反するもの”
ダグラス・アダムスの法則をキミは知っているか?
2024年08月04日 09時00分更新
遠藤諭(角川アスキー総合研究所 主席研究員)
日本の平均年齢は今49歳くらいなんです。だからAIが出てきても抵抗がある人が多くなる。35歳以上が多い社会では、新しいテクノロジーが浸透しづらいのも当然だと思ったんですよね。
だからこそ、若者がどんな可能性を感じているのかを聞く“リバースメンター”が大事だと思った。これが2019年にオンラインかばん持ちを始めた理由の一つです。
“若者の視点が必要”だと気づいた原点
山田崇さん:
私は大学で講義をしたり、信州大学の学生と関わる機会が多いんですが、ふと18歳の頃の自分を思い返すと、50歳のおっさんの話なんて1ミリも信じてなかったんですよね(笑)
だから今、自分が熱量をもって授業している姿を客観的に見て“本当にこれでいいのか?”とメタ認知する時間が必要だと思っています。それもあって、この金曜朝のリバースメンタリングを続けています。
HR高等学院での実践:本・人・旅に触れる授業
山田崇さん:
HR高等学院では「本」「人」「旅」に触れる授業をしています。
私が大好きな出口治明さんの言葉で「本ひとたび(本と一旅)」があります。人生を豊かにするのは本と旅。
本:引用やおすすめの本
人:会いたい人に会いに行く(オンラインも含む)
旅:現場に行く・フィールドワーク
この3つを授業に取り入れています。オンライン受講なので、東京、神戸など全国から参加していても、本とオンラインの人との出会いは誰でもアクセスできます。
高校生も「生成AIのフルスイング」を体験する
山田崇さん:
私は社会人研修でAI活用を教えることが多いので、高校生にもフルスイングでAIを使ってもらっています。HR高等学院はgemini proも使えるので、プレゼン作ったり絵本作ったり、いろんなことに挑戦してもらっています。
オフィスアワーを始めることに
山田崇さん:
昨日授業後、ある生徒が「毎週の授業以外で山田さんと話せる時間ありませんか?」と言ってくれたんです。
「金曜朝6時は?Voicy出ない?」と聞いたら「放課後がいいです」と(笑)
なのでオフィスアワーを作ることにしました。
文部科学省の用語にもある、学生が自由に質問しに来られる時間帯のことですね。
しかもHR高等学院ではメタバース空間「メタライフ」で教室をつくっているので
Check Out
吉竹華乃さん:
今日もありがとうございました。HR高等学院の「学校での偏差値よりも社会での可能性を」というメッセージを聞いて、高校の詰め込み学習ってやっぱり否めないところがあって、それを高校の段階から変えていくのは面白いなと思いました。
ダグラス・アダムスの法則も、以前Voicyで聞いたことがあったんですが、35歳って思ったより若いんだなという感想がありました。私は15歳から35歳のちょうど真ん中に近づいてきていて、小さい頃のケータイ事情を思い返すと、時代がどれだけ変化してきたかをすごく感じました。
いまは赤ちゃんがスマホを触る光景もあるくらいで、それを“怖い”と思う自分がいる。でも、35歳以上の人はもっと抵抗があるのかもと感じました。
オフィスアワーも、大学ではシラバスに書いてあったりするけど、使ったことがありませんでした。研究室に行っていいんだと改めて気づいたので、もう少し活用したいなと思いました。
私は高校生のとき社会課題に興味があまりなくて、自分が何をしたいかわからない状態のまま話を聞いても難しかった。でも山田さんが話していたように、“関心の言語化” から入るカリキュラムはとても良いと思いました。
はい、チェックアウトでした。ありがとうございました。
世代と経験を超えて学び直すために必要なこと
山田崇さん:
ありがとうございます。ダグラス・アダムスの法則は60歳定年時代に書かれたもので、人生100年時代になったらもっと年齢レンジも変化するんだろうなと思います。
自分の経験や「自分の高校生時代は」という話は、いまの若者にとってはあまり意味がないので、そこに縛られない意識を持ち続けることが大事だと改めて思いました。
「思考の生理学」が示す“グライダー人間”と“飛行機人間”
山田崇さん:
思考の生理学(外山滋比古)という本にも影響を受けています。“グライダー人間”と“飛行機人間”の話があって、グライダーは自力で飛べず他者に引っ張ってもらう。テストの点だけ良くても、社会に出て動力がなければ飛べない。
飛行機人間は、自分の力で飛ぶ動力を持っている。
義務教育はグライダー人材をつくるのに向いているが、飛行機人材を育てる努力は少ないと書かれています。これは今の教育現場に立つ自分にとって大事な視点だなと思っています。
学校はグライダー人間をつくるには適しているが、飛行機人間を育てる努力はほんのすこししかしていない。学校教育が整備されてきたということは、ますますグライダー人間をふやす結果になった。お互いに似たようなグライダー人間になると、グライダーの欠点を忘れてしまう。知的、知的と言っていれば、翔んでいるように錯覚する。
信州大学のアントレプレナー実践ゼミやHR高等学院で、私は「自走する飛行機人間」を育てたい。
今日の話をしながら改めてその思いを確かめました。
今日のまとめ
山田崇さん:
今日は、高校生・大学生との向き合い方、HR高等学院での社会課題解決ゼミが始まったこと、リバースメンターの原点、そしてダグラス・アダムスの法則について話をしました。
高校生でも、大学生でも、生きている時代は違うけれど“同じ今を生きる”存在。世代を超えて学び合うために必要なのは、固定観念を手放し、相手の視点に本気で耳を澄ますことだと改めて感じました。
吉竹華乃さん、今日もありがとうございました。
吉竹華乃さん:
ありがとうございました。
山田崇さん:
これからも文字起こししてnoteにも公開しますので、気になることがあればコメントいただけると嬉しいです。今日も良い金曜日と良い週末を。行ってらっしゃい。
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後記
今朝のVoicyで、2017年にたまたま出口治明さんに「未来食堂」でお会いしたのを思い出しました。
