【純愛ホラー】ツインテールとドッペルゲンガー〈13〉月とナイフ
ツインテールとドッペルゲンガー
この小説には、暴力・性描写などが含まれます。また、作中に登場する学説は作者の創作です。
〈13〉月とナイフ
夜の闇に姿を現したのは、闇よりも黒い魔物。
殺意に狂うドッペルゲンガー。
俺は心臓が潰れてしまいそうだった。さっき、俺は奴とすれ違った。ということは、あの後、奴はまた引き返して、再びここにやって来たということだ。すぐにでも片割れである彼女を葬ろうと考えたのだろうか。いずれにせよ、まさか向こうの方から俺たちの前に現れるとは思いもしなかった。
奴との突然の遭遇に俺は驚いたが、側にいる彼女の反応は、そんなものではなかった。身を強ばらせて縮こまり、声も上げられないほど怯えていた。彼女は今、自分の目で自分と全く同じ姿の人物を見ているのだ。その気持ち悪さは、想像を絶するものだろう。
車が通り過ぎ、再び暗くなった歩道に俺は目を向けた。ドッペルゲンガーは走って荒くなった息を整えているのか、肩をゆっくりと上下させている。
冷えた空気を伝って微かに聞こえてくるのは、奴の唸るような呼吸音。そして、その全身から立ち上る殺気。
おそろしい。これが人を殺した人間か。
しかも、奴はさらにもう一人、人間を殺そうとしてるのだ。それを思うと、全身に怖気が走った。
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