猫は畜生、私はカフカ
ブリンカーの、A子ちゃんのお話はかつてしました。
A子ちゃんとは大学時代、下宿の隣どうしでした。トイレも風呂も台所も洗たく機も共同で、まさに運命共同体のようにすごしたのです。
いろんな話をしたんだけど彼女と記憶が違うことがほんとに多い。
私が覚えているのはA子ちゃんと野良猫をなでながら話をしたことで「野良ちゃん」と呼びかけるとその猫は振り返ってくれる。
名前がわかるんだねというと
A子「猫なんてなんて呼んでも振り返るのよ、
だって畜生だもん
」と言った。
いや、たしかに言ったんだ。
そのとき(え!こいつ猫を畜生って言ったぞ)とかなりの衝撃をうけたんだもん。
そのときの声も顔も状況も詳細に思い出せる。
でもね、今聞くと、A子ちゃんはそんなことは言った覚えがないというのです。
しかも小さいころから実家で猫を何代にもわたって飼っている彼女は、「畜生」という言葉は動物に対して使わない、声に出していう「ちくしょー」にはその漢字を当ててない。その要素が自分の中にないというんですよ。
「畜生って、私の中の辞書にない言葉よ」
でも言ったんだもん。
反対に私に対する彼女の記憶にも齟齬があったんです。
彼女の話は私が自分の成績表について
小猿「なんかねーカフカって感じ」と言ってたと。
「カフカって?」ときくと
小猿「可と不可だけなのよ。カフカなのね。えっへへー」と言ったらしい。
言ってないって言ってないってそんなこと!!!
そんな回りくどくてつまんねーダジャレ。極寒のさむさむギャグだ!
カフカなんて小難しい海外作家の本読まないしさ。ぜったーい違うもん。そりゃ可と不可だけだったのは確かだけどさ。
それから私は「カフカはプラハ出身で・・・」とカフカの解説をしたそうな。めっちゃやなやつ🤭
今回A子ちゃんはプラハに旅行に行き、改めてそれを思い出したといいます。
違う違うぜったいちがーう。カフカがプラハ出身なんて知らないもん。カフカって誰よ。プラハってどこよ。知らないもーん。
わたしはそんな嫌なやつぢゃないもん。
記憶って怖い。自分の記憶、どこまでほんとなの?じゃあ、誰が言ったの?私はカフカなの?
お互いに鼻息を荒げながら否定しまくっていました。
なんだろう、二人とも相手の記憶の中の自分像が、自分が一番嫌いなタイプの人間になってたのが面白かったです。
読んでいただきありがとうございます
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