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9月9日は「食」の記念日

9月9日は『燻製の日』『重陽の節句』『食べものを大切にする日』──モクモク、栗、そして小さな実践。日常の食卓を少しだけ豊かにするための短いお話です。




🍂 燻製の日・重陽の節句・食べものを大切にする日

九月九日というと、あまり馴染みがない方もいらっしゃるかもしれません。けれども実は、この日は日本の食文化に深く関わる記念日がいくつも重なっています。
「燻製の日」「重陽の節句」「食べものを大切にする日」。
モクモクと立ちのぼる煙、菊や栗の秋の味覚、そして食品ロスを考えるきっかけ。
今日は、この三つの視点から「食を大切にするこころ」をゆっくり見つめ直してみます。


🔥 9月9日は「燻製の日」

燻製は、保存のための知恵として生まれました。
火と煙で食材を乾燥・殺菌し、長く食べられるようにする工夫です。
現代では保存の目的よりも、桜チップやヒッコリーの香りを楽しむ調理法として親しまれています。
モクモクと立つ煙の中には、昔の暮らしの知恵と、ちょっとした遊び心が同居しています。

キャンプの火口でチーズを燻すと、ほんの数分で香りが変わります。
「おや、こんな風になるのか」と驚く瞬間。
鼻に抜ける燻香は、五感に訴えかける小さな魔法のようです。
保存という機能から始まった技術が、いつしか「楽しみ」に昇華していった――その流れを考えると、食文化の変遷の深さを感じます。


🌼 「重陽の節句」と秋の恵み

同じ九月九日は「重陽の節句」でもあります。奇数の「九」が重なることから「陽が極まる」とされ、古くから長寿や健康を願う日とされてきました。この日にいただくのは、菊の花を浮かべた「菊酒」や、秋の味覚の代表「栗ご飯」です。

食用菊の澄んだ色や、栗ご飯のほくほくした甘み。
それらはただの味覚ではなく、季節の移ろいを祝う合図でもあります。
私自身、幼い頃に祖母が作ってくれた栗ご飯の匂いを今でも鮮明に覚えています。
節句にまつわる行事食は、味とともに祈りや願いを運んでくるのだと感じます。


🍽 「食べものを大切にする日」

さらに現代的な意味で、9月9日は「食べものを大切にする日」とも言われます。語呂合わせの「残さない(ナイン)」「捨てない(ナイン)」から生まれた呼びかけです。
日本ではまだ大量の食品ロスが発生しており、食べられるのに捨てられる食材が多いという現実があります。

日々の暮らしの中でできることは意外に小さなことです。
買う量を見直す、冷蔵庫の中を整理する、最後の一口をきちんと味わって食べきる。
それらが積み重なって社会全体の無駄を減らします。
「いただきます」と声をかける瞬間に、命への感謝を思い出す――
そんな習慣を取り戻す機会でもあるのです。


🌟 三つの記念日が教えてくれること

燻製は「保存と工夫の知恵」、重陽は「祈りと四季の恵み」、そして食べものを大切にする日は「未来への責任」。
一見バラバラに見えるこれらは、どこかで同じ根に根ざしています。
それは「食を大切にする心」です。

食卓に座るとき、燻煙の香りや栗の甘みを味わいながら、その背後にある人々の知恵や願いを思い出すこと。
そうした小さな内省が、文化をつなぎ、次の世代へ残せるものを育てていくのだと思います。


✨ おわりに

もし明日の夕食に燻製のチーズがあるなら、少し切って肴にしてみてください。食用菊を一輪浮かべたお酒があるなら、ちいさな一杯を口にしてみましょう。そして、皿の隅に残った一口を丁寧に食べきる。そんな小さな実践が、9月9日の「食の記念日」が伝えようとしていることです。

モクモクと立ちのぼる煙の向こうに、古人の知恵と未来への願いがそっと重なっています。今日の食卓が、少しだけ豊かに感じられますように⋯




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