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【秋葉原アンダーグラウンド】 第7章 15話

「張摩だと?必中の攻撃だったか?」

「そうだよ、ミロク。君はこれから、オレの攻撃を全て食らうことになる。」

「面白いものだな。そんな体で何ができるというんだ!」


ミロクは今度は逆胴を浴びせる。これでシンは終わりだ。そう思って振り向いたが、シンの左脇腹は傷一つなく、シンはただ黙ってそこに立っていた。


「今、君がオレに攻撃を加えるという思考を切った。」


ミロクはシンが何を言っているのかわからず、先ほど同様刃の嵐をシンに浴びせる。しかし、そのどれ一つとしてシンには当たらず、シンはまたしてもその場に立ったままだった。


「貴様、一体何を!」

「さっきも言ったろ、思考を切ったんだって。それで君の攻撃はオレを避ける形となって繰り出された。」

「くっ、そんなことができる訳・・・」

「それができてしまうんだよ。オレの力は全てを切り裂く。さきほど朱尺を切ったのも能力によるものだ。さらに張摩を使うことで物質以外のものを切ることができる。思いとか考えとかね。もちろん意志を断ち切る訳だから無意識のものは切ることができない。落ちてくる隕石に当たるなと命令しても意志がない訳だから避けられないという具合にね。」


そんなこと果たして可能なのか?それが可能ならこの男に何も通用しないのではないか?悔しい表情を浮かべ、ミロクは無量有月を発動させ、それを無数の飛ぶ斬撃へと変換してみせる。しかし、これらの攻撃も全てシンを避けるようにして外れてしまう。


「無駄だよ。いくらその斬撃が無意識だろうと、使い手の意志により飛ばされたものは全て無意識ではなくなる。」

「チィッ・・・!」


ミロクは怒りに身を任せ、巨大な朱雀を召喚させ放った。しかしこれもやはりシンには届かず、シンの周りを右往左往しているだけだった。


「ちなみにオレの張摩は、生きようとする意志すら切り裂く。これが何を意味しているか頭のいい君ならわかるよね。」


するとシンのほうも巨大な白虎を召喚させる。生きようとする意志を切る。それはつまり死ぬ気にさせるということ。気付くとミロクの足は白虎に向かい動いていた。このまま防御も無しに白虎に突っ込めば確実に死ぬ。その考えを拭いきれないまま、ミロクは白虎に正面からぶつかりに行った。白虎の四肢をもろに食らったミロクはその場に倒れ動けないでいた。シンはふらふらになりながらも近づき、ミロクを見下ろしながら呟く。


「最終的には死ぬという思考に切り替わる訳だから、それを切り裂くということは生きるということだ。つまり、生きるという意志を切り裂くことで、結果的には生き残れるということに繋がる。この技では人は殺せないよ。」


シンの言う通り、与えたダメージは大きかったが、致命傷とはならずミロクは生きていた。しかし、無量有月が解除されたところを見ると、そのまま気を失ってしまったのだろう。シンはそれを見届けると、その場に仰向けで倒れてしまった。


「ハハっ、もう動けないや・・・オレもここまでかな。」


ゆっくりと目を瞑ろうとしたその時、目の前に知った顔が現れた。


「待っていろ、すぐに手当てしてやる。」

「・・・ワンか。よくここがわかったね。」

「あれだけでかい出力のぶつかり合いだ。お前らだと気が付かないほうがどうかしてる。」


そうかとシンは答え、黙ってワンの施しを受けた。


「それで、まだやるのか?」

「そうだね。例えこの先が地獄だろうと、オレには見届ける義務があると思うんだ。」

「この意地っ張りめ。もう十分やれるだけのことはやったろう。まぁ、そういうところに惹かれてみんなお前について来たんだろうけどな。」

「さっきミロクのやつにも似たようなこと言われたよ。でも、何も言わずオレのわがままに付き合ってくれてありがとう、ワン。」


ワンはシンに肩を貸してやった。

2人はその場を後にし、国会議事堂へと向かって行った。


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