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”自分にとって”の新しい音楽との出逢い方【2022年版】

 以前、「人は30歳半ばで新しい音楽を探さなくなる。新たな音楽を発見する年齢は24歳がピーク」という調査結果を目にしました。

 “何歳になったら”というのは最終的に個人差があるのでしょうが、無理もないですよね。過去のストックが増えていけばそれだけで事足りるし、大人は趣味の話をする友達と毎日会えるわけでもないですから。
 でも、私は生きてる間は出来る限り、好きな音楽を増やし続けたいなと思っています。

 そこで今回は、休みの日の過ごし方の一つとして、「”自分にとって”の新しい音楽との出逢い方」をご紹介したいと思います。遠出しなくても出来ること、遠出するからこそ出来ることなど色々書きました。
 もちろん、”新しい”とは、新譜や最新ヒット曲だけではありません。”自分にとって”の新しい音楽と出逢えれば、それでいいのです。なにかひとつでもお試し頂けると、ちょっぴり世界が楽しくなるかもしれませんよ。

 ※ 以下は、国外の音楽探しを想定しています。邦楽だと、また違うやり方があるかもしれません。


1.レーベルから掘り下げる

 似た雰囲気のアーティストを扱う事が多いので、好きなアーティストが出来たら、レーベルを調べてみましょう。まだ規模が小さいアーティストでも、レーベルがTwitterやInstagram等で情報を教えてくれますし、他にも良い音楽をたくさん知れます。
 好きなアーティストが主催しているレーベルも、あればチェックしています。掘り出し物の音楽を見つけられることが多いです。

【具体例】※末尾は所属アーティスト一例です。
・4AD
 ちょっとスモーキーだったり退廃的だったり、やんわりとしたクセのあるインディーロックと言えばここ。私が知ったのは、Daughterがきっかけだったような気がします。
Daughter、Aldous Harding、Big Thief、Dry Cleaning、The National、Future Islands

・Mercury KX
 私の今の一押し。アンビエントやエレクトロニカ、それらとクラシックの融合といった雰囲気が得意なレーベルです。癒されたかったらここの音を聴け。前から好きだったアーティストが実はここの所属でびっくりした、ということも多いです。
Ólafur Arnalds、Lambert、Keaton Henson、Luke Howard、Jean-Michel Blais

・Ghostly International
 エレクトロニカ、インディーロック等、ちょっと実験的だったりクセのある音楽が得意なレーベル。他社コラボ商品も多く、ミッフィーでお馴染みブルーナとのシュール可愛いコラボグッズや、日本の音響メーカーPhononどのコラボヘッドフォンなんかもあります。
Teen Daze、Whatever The Weather、quickly, quickly、Shigeto、Kate Bollinger

・Brainfeeder
 
Flying Lotus主宰のレーベルで、SONICMANIA 2018ではBrainfeeder Nightと銘打ってステージを丸々使っていました。楽しかったな……。「なんかこのアーティスト巧いな」と思ったら、ここの所属じゃないかと疑いがち。
Dorian Concept、Flying Lotus、Hiatus Kaiyote、Ross From Friends、Thundercat

・Domino Recording Company
 とりあえず今流行っている/王道なインディーロック・ポップを抑えたかったらチェック。常にヒットの中心に居る印象がありますね。
Wet Leg、Animal Collective、Franz Ferdinand、Arctic Monkeys、Four Ted

Ninja Tune
 尖ったかっこいい音楽と言えばここ。全体的にシュッとしているかガサガサしているような気がします。SFっぽさとガサガサ、そして癒されそうな音を両立している独特なレーベル。
BLACK COUNTRY, NEW ROAD、Bonobo、FLOATING POINTS、JAMES HEATHER、JORDAN RAKEI、Tycho


2.ラジオ局を探る

 ラジオ局と言いましたが、ラジオライブのアーカイブや良い感じの企画等、YouTubeも含め楽しむのが今のラジオ。インディーズからメジャー、ジャンル問わず知れるので、幅を広げたい・好きな系統がわからない時には、とりあえず覗いてみると楽しいですよ。  

【具体例】
・NRP
 拠点はアメリカのワシントンD.C。Tiny Desk Concertは、洋楽好きな方であればご存知の方が多いかもしれません。現在(2022/04/20時点)では、ソーシャルディスタンスに鑑み形式を変えての実施ですが、ラジオ局内の小さなデスクでアーティストが演奏するライブは、熱気と親しみやすい雰囲気が伝わる大好きな企画。新進気鋭のアーティストからAdeleHarry Stylesのような大物まで、みんな同じ小さな空間で演奏するのが趣深いです。

・KEXP
 アメリカのワシントン州シアトルにある公共ラジオ局。オルタナティブ/インディーロックが得意なラジオ曲で、DJとアーティストの会話も含めたアーカイブをYouTubeに公開しています。ラジオ感覚で楽しめるのも魅力ですね。
 自分の経験上、別のところで知ったアーティストのライブが見たいなと思うと、多くの場合ここの映像に行き当たります。ありがたやありがたや。

・BBC Radio
 英国放送協会のラジオ局で、流れるジャンルは流行最先端のものから往年の名曲、日本でも有名な英国俳優やバンドマンによるセレクトなど多岐に渡ります。金曜夜(日本時間土曜の早朝)はひたすらハウスがかかって盛り上がることも多く、国営なのに振れ幅がすごいなと。
 YouTubeでライブのアーカイブが見られますし、ポッドキャスト(時々イギリス国外では視聴不可)もあります。


3.フェス・賞レース

 現地・配信問わず、自分にとっての掘り出し物を見つけるには一番良い&楽しいものです。
 海外ではそろそろ、通常の形式でのフェス開催が始まりましたね。現地やライブ配信で「時間が合って偶然見かけて好きになった音楽」というのは本当に多く、かつ、出逢いの衝撃も相まって、長い間好きでいることが多いため、この出逢い方は本当に大事にしています。
 早く日本でも、以前のように気軽にフェスに参加出来る時期が来て欲しいものです。

【具体例】※末尾()は開催国略称/開催月
GRAMMY Awards.com(米/2月)
ウキウキで書いたおすすめアーティストについての記事があります。

Coachella Valley Music and Arts Festival(米/4月)
 つい最近、まさに私はこのフェスの配信を見ながら休日を過ごしました。こちらも出演アーティストのおすすめ記事もあるので、休日前のウキウキの事例としてどうぞ…!

Radio 1's Big Weekend(英/5月)

Eurovision Song Contest(年毎決定/5月)
こちらも楽しみでウキウキしながらこんな記事を書きました。

Bonnaroo Music & Arts Festival(米/6月)

Glastonbury Festival(英/6月)

FUJI ROCK FESTIVAL(日/7月)

SUMMER SONIC(日/8月)


4.YouTubeチャンネル

 チャンネルのコンセプトに合わせたライブのアーカイブが見られたり、レーベルの役割を持っているチャンネルが多いですね。好きなアーティストが出演したチャンネルを辿ると、似た雰囲気で掘り出し物が見つかる可能性が高い印象があります。
 最近では、コンセプトに合った曲を流し続けているチャンネルも多いので、聴きたい音楽の雰囲気がわかっている時にはありがたいです。

【具体例】
La Blogothèque
 
特にお気に入りなのは、フランスの街中でアーティストが演奏する姿を自然なカメラワークで撮影する企画”A Take Away Show”。街の風景を活かした映像が本当に美しいです。フレンチの大御所Phoenixが、ふらっとギターを弾きながら信号を渡るベルサイユ宮殿の提案でミニマルなセットを組んで演奏する……なんて場面もあります。

・Mahogany sessions
マホガニーのその名の通り、ナチュラルな雰囲気と音楽の融合が美しいチャンネルです。大自然の中、ちょっとした窓辺の自然光、古びた建物……。温かみのある音と景色が好きな方はぜひとも。

・COLORS
 一色だけを使ったシンプルな背景、ミニマルな環境でアーティストのパフォーマンスを見られるチャンネルです。派手な演出が無い分、アーティストの世界観をより体感出来、程よい緊張感もあります。

・Chillhop Music
 オランダのレーベルで、その名の通りChillhopミュージックを集めた天国のようなチャンネル。キャラクターのアライグマくんが、素敵な部屋で過ごしたり散歩道を歩いたりする景色に合わせた、24時間ラジオも素敵です。
 時々、ファイナルファンタジーなどのゲームとコラボしたアルバムを配信することもあります。

・Vevo
 世界最大のプレミアム音楽動画プロバイダ。MVの画面端にこのロゴが表示されるのを、誰もが一度は目にしたことがあるはず。
 そんなVEVO自身もYouTubeチャンネルを持っていて、注目のアーティストのオリジナルライブ映像”Vevo DSCVR”は結構新しい音楽探しに重宝しています。


5.音楽レビューサイト/配信サイト

 海外の音楽だと、レビューも結構シビアに点数評価されていますし、数回の試聴なら無料で出来ることが多いです。
 そうしたところでまずは情報をさくっと仕入れ、後からじっくり聴いて長い付き合いになる音楽を探していく……。そんな二段階右折みたいなやり方で、新しい音楽と出会うことも多いです。

・Bandcamp
 言わずと知れた、レーベルやアーティストから直接音楽関連商品を購入出来るサイト/アプリ。配信音源だけではなく、フィジカル(レコードやカセットテープがあることも)、その他グッズまで購入できるのが特徴です。
 トップページでは、新しくリリースされた音源や過去の名盤などの特集もしているので、読み物としても楽しめるサイト。何か探したいなと思う時、参考にします。
 また、毎月第一金曜日の24時間(日本時間ではないので注意)には、Bandcamp Fridayという、販売に伴いBandcamp側が差し引く手数料をアーティストに還元する企画もやっています。そういうところも好きですね。

・Spotify
 若干邪道な使い方ですが、無料会員だと聴いてるうちに「好きな系統の知らない曲」に飛ばされるので、掘り出し物を見つけるチャンスが多いです。

・Pitchfork
 世の中でリリースされるあらゆるレコードを、次から次へとレビューし点数を付けていくサイト。時々、「当時我々が適切な点数を付けられなかったアルバム」という振り返りをしているのも面白いです。
 実は私は、このサイトの採点とはそこまで相性が良くありません。特に、高得点帯は自分の評価と違うな〜と感じることが多いです。なので、気になっていたアルバムを聴いてからここを覗いては、「やっぱり気が合わないなあ!」とにっこりすることが多いです。にっこりしながら、まだ聴いていない新譜を見つけては聴きに行く。そんな付き合い方をしています。


6.その他(とは言え侮れない)

・海外旅行
 こちらの記事にまとめています(カクヨム版は完結、note版は更新中)。海外旅行は新しい音楽を見つける最大のチャンスだと思ってくださいね……!

・レコードショップ
 結局は店なのよ。そう思うことが良くあります。もう死語かもしれませんが、ジャケットの見た目だけでとりあえず購入する「ジャケ買い」も、案外はずれがないですし。フラっと店内を歩いて目に付いたアルバムを買うのもまた、偶然による奇跡が起きやすい楽しい瞬間です。

・好きなアーティスト
 彼らが影響された音楽や共演者を見てみます。意外と、好きな音楽と作る音楽って違うものですよね。また、海外のアーティストは本人のSNSアカウントで気軽にライブをやったりしているので、見逃せません。

・映画
 どうして楽曲紹介はエンドロールの終わりの方なのか……。最後まで目が離せません。

・YouTubeのサジェスト
 ピンと来たらクリック推奨。そこが沼の始まりでもおかしくはありません。

 つらつらと書きましたが、新しい音楽の探し方って、結構あるものです。もし、新しい音楽の探し方に苦戦されている方がいらしたら、好きなものから試してみて頂けると、楽しめると思います。
 そして何より、「こういうのもあるよ!」という耳寄り情報があれば、ぜひ教えてください。貪欲に探しに参ります。

 それでは皆さん、好きな音楽に溢れる、良い休日を!


※本作は、以下のエッセイの更新版です。


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© 2022 Aki Yamukai


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