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新作映画感想記 #5☆☆☆「ブリック」※ネタバレは少々

原題:Brick
監督:フィリップ・コッホ
出演
マティアス・シュバイクホファー
ルビー・O・フィー
フレデリック・ラウ

※Netflixで配信されている新作映画です


あらすじ

ゲームクリエイターのティムと建築士のオリヴィアのカップル。
子どもを流産してからというもの、2人の間には微妙な空気が漂っていた。
オリヴィアはなんとかこの微妙な空気をリセットしたいと、環境を変えようと提案するもティムに拒絶されてしまう。オリヴィアは、その夜ベッドのなかでティムとの別れを決意するのだった。
翌日、目を覚ましたティムはオリヴィアから別れを切り出される。
部屋を飛び出そうとしたオリヴィアは窓や壁、ドアを覆っている“黒い物体”に阻まれる。なんとか出ようとするが、叩いても蹴ってもドリルを使ってもその物体は壊せない。
しかも、その物体のせいか水道や電波、Wi-Fiも遮断されていることを知る。
外部との連絡もとれず、ライフラインも限られているなか、果たして2人は脱出できるのか…。

筆者の評価は☆☆☆(最大5)

ネタバレあり感想

さて、ここからはネタバレありなのでご注意を。
登場人物は先述のティムとオリヴィアに加え、以下の人たち。
隣人で薬物を常用しているマーヴィンとその彼女。
ちなみに、マーヴィンは薬の部分以外はまっすぐでいいやつ。憎めないキャラってやつ。
マーヴィンの階下に住む老人とその孫。
老人の隣人で大家のフリードマン。
老人の階下に住むプログラマーのアントンとその友人ユーリ。

ちなみに、アントンはすでに故人。
しかし、彼こそが鍵を握る重要人物である。
フリードマンも、ティムたちが部屋に入ったときには殺されていた。
ユーリは、この物語において悪役を担う。

マンション全体を覆う“黒い物体”は実はある企業が開発した防衛システムだった。
ナノテクノロジーで構成されたそれは、放射能や戦争などのあらゆる危機から建物ごと中の人を守るために開発されたものだった。
すなわち、建物をナノテクノロジーにより高密度かつ高強度な要塞にしてしまうということだ。
アントンはこの“黒い物体”の開発に携わっており、マンションが覆われてしまったのはシステムの誤作動であると考え、外に出ようとする。
彼は、外に出るための方法を知る唯一の人物である。
だが、ユーリは陰謀論者であり、このシステムが起動したということは、核戦争が起きたということだと思い込む。アントンが外に出れば、自身にも危険が及ぶと考えアントンを殺害したのだった。
また大家のフリードマンは覗き趣味があったようで、マンションの各部屋の火災報知器にカメラを仕込んでいた。
この変態大家の趣味が役に立つのだが…。

さて、まあこの辺りを書いておけば物語の展開も読めてくるかなということで、感想をば。
まず、テンポがいい。
ダラダラせずに、ポンポンと話が進むので、退屈な印象はなかった。

とはいえ、オリヴィアもティムも賢すぎるというか、そんなことでそこまで気づくか?という感覚は正直拭えない。
専門知識を生かす部分もあるが、幅広すぎじゃね?と感じる部分も多々ある。

まぁ主人公は人並み以上の力を持っていないと、話が進まないというのは、ままあることなので仕方がないか。

結局、結末としてはアントンが考えていた通りシステムの誤作動だった。
しかも開発していた会社で起こった火事が原因。
はた迷惑な話である。

筆者の解釈

ここからは私なりの解釈を。
マンションという、人間から見れば大きな箱の中で繰り広げられる、助け合い、裏切り、慈しみ、憎しみなどなど。
マンションは、1つのコミュニティを表す。
国でも自治体でも構わない。
そのコミュニティは、危機的状況にある。
言わずもがな、協力していかねばならない。
しかし、そのなかには助け合う者ばかりではない。自身の考えに溺れ他者を巻き込む者もいる。
後者の人間によって、1つのコミュニティが崩壊していく。
そんな自身の考えだけで突っ走り、内部から破壊していく誇大妄想野郎がユーリなのだ。
本当、どこの組織にもいるよねこんなやつ。

そしてラストシーンでは、なんとかマンションを脱出したティムとオリヴィアが車で自分たちの新天地へと赴く。
本作では、マンションというコミュニティは実は小さな世界であったということを示している。
今まで当たり前のように眼前に広がっていた、その小さな世界から脱出してみれば世界はもっと広い。
その広い世界で、自分なりの生き方をしても良い、そんなメッセージが隠されていると私は感じた。

歯車でい続ける必要はない。
幸せは自分たちで気付き、築くものであるということだ。

若干グロシーンもあるが、100分という時間がちょうどよく、サラッと見ることができるので興味があればぜひ。

さて、次は何を見ようかな。
それでは、さよならさよなら、さよなら。

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