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塀の外の懲りない私

私はボクシングジムを経営する傍ら、経営コンサルタントをしている。普通のコンサルとは明らかに違う。危機管理がメインである。

例えば

  • 妬みの多い職業なので顧問でいてほしい。

  • 女性社長だから取引先や監督官庁に舐められる。

  • 何か心細いので月一で顔を見せてほしい。

  • 他人では解決出来ないし、出来ても口外されたくない。

こんな真面目な会社の依頼が多く、一社につき大体、月額数千円の顧問料を頂いている。

顧問を受ける時は、心が汚く利益重視の会社は断る。顧問先の会社に非がある場合、先方に頭を下げ謝罪しに行くこともある。

そう言えば昨年。四国の警察と議員の癒着が有名な某県で、私のクライアントが町長に根も歯もない事で嫌がらせを受けた。

なんでも聞いてみると、被害を受け、警察署に被害届を出しに行くと、勝手に身体を触れ身体検査をされ、録音テープなどがあれば没収されるという。そして帰らされる。

私は腹が立ち、このクライアントの依頼で一人で四国の現地に行った。噂は本当で、癒着先が通報したのか、何もしていない私を運転中、パトカーが停車命令を出し、多数の警察官が私を取り囲んだ。

「俺の体に指一本触るなよ」と言った後、取り囲んだ根拠は刑訴法のどれに抵触するのかと聞くと「田舎の警察ですから、そんな虐めんといて下さいよ」と言う。

「警職法に明らかに抵触する行為だが、それはまあいい。しかし田舎の警察なら、殺人罪という法律も知らなくていいと言う理屈になる。それは通らない。出鱈目な論陣を張るな」

そう言うと全員が黙り込んだ。

しかし更に、この町の本署まで来てくれと警察官は言う。行くと取り調べ室に入って下さいと言う。段々笑いたくなったが堪えた。

「言っとくが体を触る時は、裁判所の令状担当係裁判官に理由を述べ、身体捜索令状を取って目の前で示して読み上げてくれ」と言うと「いえ、結構です」と言った。

だからお言葉に甘え、1時間ほど取調室での会話を録音した。警察でも悪い事は悪い、と言い謝罪を求め北九州市へと帰路についた。

悪いもんは悪い、という当然の行動を起こした結果、癒着していた町長は、その後選挙に落ちた途端、官製談合で逮捕された。

敬愛する安岡正篤先生の言葉に「悪に対して善、と言う反語がある。しかし悪が連むと悪党というが、善が連んでも善党とは言わぬ。だから一応は善は悪に一旦は負けるという事になる」

この様な事を書いていた。蓋し名言であり原理をよくお分かりになさっている。この言葉は深い。

本当に社会を知り尽くし、歴代総理大臣が頭を下げて教えを請いただけの方であり、安岡先生の言葉は普通の学者の言う事ではない。

さて本題に入る。

数年前、あるクライアントからこんな相談があった。

その社長が言うには、ある人から騙された、という。ここから事件は始まる。

因みにこの事件はこれから起訴され公判に入ると思慮される上、重たい事件なので、これを特定できぬように書きたいと思う。

「お金を騙されたのなら私がその男と話そうか?」

クライアントに私がそう言うと、即座にそうではないと言われた。

クライアント先のお客様で、優しすぎて誠実過ぎるある方がいて、他所者の男に、SNSを通じ女心を弄ばれ、おまけに金融会社をたらい回しにされた、と言う。

傷こそないものの、殴られたこともある、と言う。

こう言う手合いは、全殺しの手前、半殺しよりちょい重い刑に処する、と言うのが我が社の社訓である(笑)。

私は頭をフル回転させ、官公庁、弁護士会、役所にマスコミとありとあらゆる人脈をより効果的且つ合理的に使い、こいつのどこが刑法に触れるか、半年かけて資料や証拠集めをした。

なぜここまでしたか。まず弱いものイジメをする者が大嫌いな事。

そしてクライアントの社長が「柳原会長。自分のお金や損害だけならどうでもいい!でもうちのお客様に手出しした事は許せない」。

そう言った男気に感銘を受けた。私は寝食を喜んで放棄し、デュープロセスをきちんと踏み、正当な手続きで追い詰めた。

それから1年弱。私はひたすら時期を待った。昔と今の私の違いは「待つ」という事ができるようになった事。

そして目出たく、この男は福岡県警に逮捕された。

私の信頼する某マスコミのエースが、この件を追うだろう。他にも余罪があるだろう。

これから先は警察と検察、裁判所の仕事と思ったら甘い。私は正面から「柳原でございます」と堂々とやるので、扱いは小さいかも知れぬが、ワイドショーで騒いでもらう事になると思う。

あとは賢明な視聴者が、こいつが悪か善か。その報道を見て判断すればいい。

本来塀の中にいるはずだった私が、お陰様で20歳を超え、死んだ育ての親や実の両親の愛情。
北九州市とボクシング、そして多くの友人や支持してくださる方がいるからこそ、塀の外でこういう事をする様になった。

善が悪に負ける事があってはならぬ、と思う。

安岡先生の言葉には、こういう含みがあるのではないだろうか。

はっきり言うが、この件でかかった費用は1円も貰ってない。寧ろ要らない。

善が悪に負ける事は、やはりあってはいかんと思う。

この被疑者は関西の男だが、北九州で弱い者いじめをするとは、お天道様が黙っていても、この私は許さない。

たまにはボクシングを離れ、こんな話を書くのも斬新である。うちの生徒もこんな男にならぬ様、きちんと育てていこう。

さて最後に逮捕された君へ。
悪運を祈る。

ではgood-bye!



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