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森林・林業でのドローンの活用 10月活動報告:髙鷲 淳一(林業後継者育成)

柳津町地域おこし協力隊に着任して7か月が経ちました。
今回は、ドローン研修のほか、ナラ枯れ被害木調査、両沼植樹祭、奥会津管内の製材所の視察、現場での出来事などを報告したいと思います。(写真:秋の風景 ナラタケと思われるキノコが見られました)


森林・林業でのドローン活用

9月30日から10月3日にかけて、福島県林業研究センターにおいて、令和7年度林業アカデミーふくしま短期研修講座「森林・林業でのドローン活用」を受講しました。
林業の現場においてもドローンの活用が進んでおり、ドローンを運用するための法令の遵守が求められているため、適正な許可申請をしなければなりません。
また、実際に活用するためには、オルソ画像という位置情報を記録した航空写真を作成するための操縦技術や知識が必要になります。
これからの林業には、ドローンの活用が不可欠になると考えられることから、今回の研修は大いに役立つことになりそうです。
自分が国有林在任中に使うことはあったものの、オルソ画像を自分一人で作成することはなかったので、非常にためになる研修でありました。
近い将来、ドローンを飛ばして現場の仕事に役立てたいと思います。

ドローンの実技研修の様子 受講者一人ひとり操縦しました
目視で飛行するためこのような苦しい姿勢になります
許可申請すれば目視外飛行ができるそうです

伐採現場での出来事

クマ剥ぎ
現在、林齢50年から90年ほどのスギ人工林の伐採をしていますが、そもそもクマによる樹皮の剥ぎ取りが顕著になったことから、放置すると枯れて倒れて危険であることなどから、該当するスギを優先して伐採することとしています。
遠くから山を見ても、その被害はよく分かりませんが、山へ入ると至る所にクマ剥ぎの被害木が見られます。
その剥ぎ方も激しく、50センチ以上もあるような大径木もほとんど全周樹皮が剝がされていることもあります。
クマは樹液を舐めるため、樹皮を剥がす習性がありますが、その被害は多くなっているようです。
こうなると直ぐに枯れなくても、徐々に弱り始め、やがて完全に枯れてしまいます。
全国でクマの人的被害が多数発生し騒がれていますが、林業にとっても、話題になっていませんが、大きなダメージを被っています。
クマという野生動物と共存していくためにも、被害がなくなってほしいと願わざるをえません。

クマ剥ぎのスギ被害木 かなりの割合で見かけます
中央に見えるのが上の写真のスギ 葉が少なくなり枯れ始めています

立木の伐倒
立っている木を倒すためには、チェーンソーで受け口、追い口をつくることが原則になりますが、それだけではなかなか倒れません。
任意の伐倒方向に倒すことになると、さらに難しくなったりしますが、伐倒の決め手になるのが楔(くさび)です。現場では矢(や)と呼んでいますが、これを追い口に差し込んで、よき(斧)で叩くことによって倒れます。
ただし、切り残しが多かったり、偏っていたりすると、スムーズに倒れなかったり、びくともしないこともあります。
楔よりも確実に伐倒する手段として、ワイヤロープとチルホールを使うことがあります。
木の幹にかけたワイヤロープをチルホールという器械で引っ張るのですが、より確実かつ安全に倒すことができます。
このチルホールを使った伐倒技術も習熟したいと思います。

楔で伐倒した直後の様子 伐根から5メートル以上離れて倒れることがあります
チルホールでワイヤロープを張った様子 操作には多少経験が必要です
受け口方向にワイヤロープを張って倒します なるべく幹の高い位置にワイヤロープをかけます
チルホールの操作者が伐倒方向にいないようガイドブロックを使って引っ張る方向を変えます

キックバック
キックバックとは、政治やビジネスの世界で耳にする用語ですが、元々はチェーンソーや丸鋸などの回転する刃が硬い物に当たって跳ね返る現象のことを指します。
林業では重大な災害につながりかねない危険な要因であり、チェーンソーを使う作業では常に気を付けなければなりません。
ある日のこと、自分はいつものように造材で枝払いをしていたところ、この現象が起き、瞬く間に刃がズボンに当たり、あやうく災害を起こすところでした。
幸い防護服を着用していたので事なきを得ましたが、非常に怖い瞬間でした。
直後に考えてみたところ、普段と異なるチェーンソーの構え方、バーの当て方をしたために起きたものと分かりました。
絶対にやってはいけない切り方があるのだということを痛感しました。
何はともあれ、無事でよかったと安堵しております。

チェーンソーの刃が当たった防護服の状態 中の繊維が刃に絡まって緊急停止しました

奥会津管内の製材所の視察

10月30日、福島県会津農林事務所の林務担当者と柳津町地域振興課の林務担当者と共に奥会津管内の製材所を視察する機会がありました。
南会津町に所在する製材所を数か所見学したのですが、地域の林業を振興していくためには、製材所の存在や関わり方が重要であります。
この数十年の間、昔からあった地域の製材所がどんどん失われ、状況が大きく変わってしまいました。
奥会津管内に残った製材所は数えるほどしかなく、今後どのように関わっていくか、考えていかなければなりません。
例えば、ある製材所では、森林認証材を扱っていますが、森林認証には、FSCやSGECなどの認証制度があり、同じ認証制度を取得した森林でないと上手く連携できないことがあります。
各自治体などでどの認証制度を取得するのか、十分に検討する必要があります。
また、どのような樹種の木材を生産するのか、どのような寸法の丸太を出すのか、有利に販売するためには、様々なことを考えなければなりません。
しかしながら、今後林業を振興し、木材利用の拡大を図っていくためには、様々な取り組みや関係機関・団体との連携が求められるので、チャンスは大いにあるものと思います。
山には森林という資源が残されているので、この宝の山を活かして行ければと思わずにいられません。
明るい未来をみんなで描きたいものです。

この製材所ではSGECの認証を取得し、認証材の受入れを進めていました
広葉樹材のストックも豊富で湿気を吸わないよう管理されていました
この製材所では多種多様な樹種の製材品が所狭しと保管されていました
ひときわ大きな大径の銘木もありました
中には長さ8メートルもあるような大人も通り抜けらる空洞のある木もありました
まるで「となりのトトロ」の世界のようです!

ナラ枯れ被害木調査

奥会津地域でもナラ枯れの被害が多数発生しています。
昭和村では、町営のキャンプ場でナラ枯れの被木が多くあったため、被害木の調査や伐倒処理を事業として行っています。
今年度、会津里山森林資源育成研究会がこの事業を受託し、調査等を行っているのですが、自分も同研究会の準会員であることから、調査に同行しました。
昭和村のキャンプ場は、自然の景観が活かされ、管理が行き届いていて、
コテージなどもきれいで整備され、車の乗り入れも可能なことなどから、よく利用されているそうです。
実際に調査をしてみて、その被害の大きさに驚きました。
キャンプ場であることから、景観への配慮や利用される範囲に絞って優先順位を決めて対象木を調査しましたが、それでも伐倒処理する木は数百本に及びました。
ナラ枯れの被害も深刻ですが、来年も安心、安全にキャンプ場を利用できれと思いました。

昭和村キャンプ場の管理棟 平日でも利用者が来ていました
キャンプ場展望台から望む昭和村中心部の風景
福島県の観光用ポスターにもなっていてとてもきれいです

両沼地方植樹祭

10月28日、昭和村道の駅において両沼地方植樹祭が開催されした。
この植樹祭は、毎年、河沼郡と大沼郡の自治体が持ち回りで主催しているそうです。
今回、昭和村からの受託で会津里山森林資源育成研究会が植栽樹の準備などを行う関係で参加しました。
当日は、シラカンバの苗7本を関係者や地元小学校の子供たちが植えました。
昭和村は比較的標高があり、涼しい気候の土地に自生するシラカンバの植樹がよく合うと感じました。これからの成長が楽しみです。
令和8年度は、柳津町で開催するそうです。
次回も楽しみですね。

昭和村の小学生たち みんな元気に一生懸命植えてくれました

「せど森の宴」体験プログラムの開催(募集)

前回もお知らせしましたが、秋・冬の「2025せど森の宴」(奥会津体験博覧会)で、スウェーデントーチを作る木工体験プログラムを11月29日に開催します。
今年9月に初めて行い、1名の参加でしたが、予定どおりできました。
やってみて感じたことですが、チェーンソーを使える環境にあることと、材料の丸太が得られること、加工作業の工夫をすることなどの条件がそろわないと、できないことが分かりました。
また、スウェーデントーチのキャンプなどでの需要がありそうなので、やってみる価値があると思い、この度2回目を企画しました。
材料の丸太も沢山用意しましたので、多くの方に参加していただければと思っております。
詳しくは、せど森の宴公式Webサイトをご覧ください。

https://okuaizu-sedomori.com/

☛「奥会津の木でつくる、スウェーデントーチ薪作り体験