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実質、うちらはペンギンってワケ

12月の天気が情緒不安定だ。
海外ドラマでよくみるマリッジブルーの新郎新婦みたいである。


この情緒不安定さはどれくらいかというと、泉ピン子とえなりかずきが流血沙汰の殴り合いをするぐらいどうかしている。徹頭徹尾湿度100%の湿ったブーツの中敷きぐらいジメついている世界感で、唯一の希望は作中に出てくるラーメンと言っても過言ではない。いや、過言かもしれないが。


私の独断と偏見による持論なのだが、幸楽のラーメンって絶対に美味しくないと思うのだ。よく言われる「町中華が美味しい」という通説は、ある種の幻想なのである。IKKOさんが「マボロシ~!」って言うぐらいには、存在しないと思っている。もちろん美味しい街中華もあるにはあるんだろうが、蝦夷で美味しいと思う町中華に出会ったことがない。それに最近は、テーブルマークとニチレイを買い物かごにぶち込めば、手軽で美味しい中華が食べられる。安上がりゲイである以上、貧乏な私にはこれでも十分な贅沢だと嬉しくなる。片付けられていない2DKのダイニングでホクホクしながら食べている行けず後家なゲイ、あまりにも健気でかわいいと思わないか。可愛いって言えよ!!!!(※ヒステリー)

「渡る世間は鬼ばかり」というタイトルからは、こたつで鼻くそを穿りながら「あ~あ。私以外の人間って、み~んな鬼ばっかりね。ほんとイヤんなっちゃうわ。」と、他人事ようにボソりと呟いているパンチパーマおばはんのイメージを受ける。そして家族から「いやいや!あんたも十分に鬼だが!?」とツッコまれることで、本来の意味が完成するという高度な言葉遊びなのである。3秒で考えた小話だから信ぴょう性もへったくれもない。


いつの日か「渡る世間に鬼はなし」が駆逐され「渡る世間は鬼ばかり」が広辞苑という名のウォール・マリア(※1)を乗っ取る日もそう遠くないのかもしれない。渡鬼って、進撃の巨人なのかもしれない。その場合、エレンが「えなりかずき」、ミカサが「泉ピン子」となるのだろうか。ちょっと考えただけで吐きそうになる。他の作品にあてはめたらまだマシかと思って色々考えてみたが、チェーンソーマンのデンジが「えなりかずき」、レゼが「藤田朋子」、パワーが「泉ピン子」と当てはめていった時点で胃がこむら返りを起こした。キッチンハイターと中性洗剤は混ぜてはいけないのだ。


…いや何の話?


※1…「進撃の巨人」の擁護。巨人から町を守る城壁のこと。逆張り嫌味ババアであるが故に「進撃の巨人」も「鬼滅の刃」も見たことがない。スラムダンクもドラゴンボールもちゃんと読んだことがない。外見がどう見てもパッとしないオタク中年な風貌のため、初対面で気を使われてアニメや漫画の話を振られるが1mmもついていけない。全ての知識がミリシラ(1mmも知らないことを指すネット用語)のため、適当に話を併せてしまったが最後、キメラのような作品が出来上がる。東京リベンジャーズに関しては、人の話を又聞きしたせいで「ヤンキー作品だけど手芸部で全国大会に出場する。」という真偽不明の情報しか持ち得ていない。どういうことなのよ。






重たい雪が根雪になり寒すぎてSamsungになったかと思えば、あっという間にポカポカと暖かくなり、そしてガッツリと雨が降った。先週の金曜日までは根雪になっていたのに、月曜日の朝に地上に降り立つとアスファルトが剥きだしになっていた。そして夜にはまたみぞれが降って、チンカチンカのシャッコイ冷たい氷道が完成し、見事に今年初滑りをキメた。GOE+3(※2)ぐらいの加点がもらえる見事な滑りだったが、奇跡的にコケるのは回避した。自然にド頭どたまをかち割られる、それがここ「蝦夷」という魔境である。


この時期になると、蝦夷の民は一様にペンギンへとフォルムチェンジする。坊主で厳つい刺青を入れた何かをキメてそうなアンちゃんも、転んだが最後天使に連れていかれそうな棺桶に肩まで浸かったヨボヨボ爺さんも、社会人2年目ぐらいの食い散らかすのにちょうどいい可愛いケツのでかい男の子も、みな一様にペンギンになってしまう。雪が降る地域の人間にしかわからない、つま先に力を入れて足裏すべてを使って地面を踏むような、あの動きが我々をペンギンにさせてしまうのだ。


ただ注意しなければいけないのが、観光客である。うっかり傍を歩いていると、巻き添えで転ばされる危険性があるのだ。彼らはあろうことか夏靴で蝦夷に降り立ちやがる。何考えてんだよ。そして、夏の感覚で外を歩くのだ。案の定、あちらこちらで転びまくり、ぼーっと歩いていると巻き込まれてしまう。ダサくてもいいから冬靴を履けよぉ!だれもテメーの足元なんて見てないんだからよぉ!と悪態をつきながら、彼らから距離を取る性格の悪い私は見事に誰もいない場所で転び突き上げるのだった。悪態なんてつくもんじゃない。

※2…フィギュアスケート用語で、Grade of Executionの略。通称、出来映え点。複数のジャッジが一つ一つの技に対して「-3から+3」の範囲で得点を付け、それらが複雑怪奇な数式で処理され「GOE」として世に出てくるのだ。大会が終わると選手一人ひとりのリザルトプロトコル(詳細)をPDFで見ることができる。採点競技であるがゆえ、ジャッジの好みに左右される場面も数多くあり、明らかに低く採点されている選手などもいたりする。なお、浅田真央とキム・ヨナがバチクソ戦っていたあの時期は、韓国のロビー活動が酷すぎて、明らかにキム・ヨナの得点が甘かったように思う。回転不足でもなぜか見逃されていたし、日本選手にはやたらと点数が厳しくつけられていた。なお、この話を始めるとスケートオタクたちが仁義なき血みどろの戦いをはじめてしまう。野球や宗教と同様に気軽に語ると痛い目を見るのでどうか夜道には気を付けて欲しい。


アドリアン・シュルタイス(ADrian SchuLtheiss)
かつて活躍したスウェーデンのスケート選手。
前衛的な振り付けで怖い。狂ったペコちゃんのように首が座っていない。
スケオタの間では「ADSL」・「狂ったキューピー」等と呼ばれていた。



そして、先日のガッツリヘビー級な地震と、吹き荒れる雪のダブルコンボである。今なお雪は降り続いており、その様子はさながら「雨の慕情」ならぬ「雪の慕情」である。わたしのいい人はよつれてこいや。誰に許可得て雪降らしてるんじゃボケ、と言いたくもなる。また悪態をついてしまった。


先日の地震では、部屋から「ミ゜キ゜ンギ」という到底聞いたことのない音が鳴り響き、つるしてあった無印のステンレスハンガーがウィンドチャイムのように素敵な調べを奏で、その様子は気の早い第九のようであった。被害らしい被害と言えば、机の端っこに置いてあったマグカップが落ちて割れたぐらいで、当の本人は何もできずにベッドにしがみついていた。地盤が良いめったに揺れない実家ですら結構揺れたらしく、珍しく母・菫からLINEが届いていた。姉・菖蒲が住む北方も揺れていたためLINEしてみたが「え?揺れたの?めっちゃ爆睡してたワ。」と返答が返ってきた。どこまでも豪胆な女である。


今後1週間は余震に気を付けたほうがいいと聞いていたが、まさか本当に来るとは思わなかった。本震よりも小さかったけれど、昨日の寝る直前に余震が来た。寝つきの悪い私が舟をこいで三途の川を渡りそうな直前で揺れやがったせいで、眠気は吹っ飛んでどこへやら。私の眼はギンギラギンギン宇津井健になってしまった。


これはラーメンを食べろっていう岡倉大吉からのお告げなのかと思って戸棚を漁ったが、賞味期限が見事に3年切れたトップバリュの塩ラーメンしか出てこなかった。歯ぎしりをしながらそっと戸棚をしめ、見なかったことにした。またベッドに戻り、ヤケクソで自分の二の腕をかじりながら眠りに落ちた。


朝、がっつり内出血もといキスマークがついていた。
ああ、惨めなり。


これが蝦夷に生きる道化なゲイのリアルなのである。




♬ 乙女 パスタに感動 / タンポポ

その昔、「中年 みじめに失禁」という替え歌を作って歌っていた。
現実になりそうで戦々恐々としている。









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