田村夕美子著『AIを味方にする あなたの仕事と会社業務』(清文社 2024)
このほど、いつも楽しくやり取りをさせていただいている田村夕美子女史より、ご著書をご恵贈いただいた。清文社から出版されている『AIを味方にする あなたの仕事と会社業務』である。
本書の特筆すべき点は、単に「会社業務において生成AIをどう活用するか」を解説した本ではない、というところにある。むしろAI導入そのものよりも、「仕事の本質をどう見直すか」という視点に重きを置いている点に、既存のAI関連書との違いがあると言えるだろう。
特に印象的だったのは、「AIの得手・不得手」を整理している箇所である。昨今はAIを“万能の頭脳”のように語る論調も少なくない。しかし実際には、AIは平然と誤りを出すし、自信満々に嘘をつくこともある。確かに便利ではあるが、決して全知全能ではない。
だからこそ、「どこをAIに任せ、どこを人間が判断するのか」という線引きが重要になる。本書は、その当たり前でありながら見落とされがちな部分を、比較的冷静な視点で語っている。
また、OCRや定型文書、プレゼン資料作成など、現場感覚に近い話題が多い点も良かった。AI論というと、どうしても抽象論に流れがちだが、本書は「明日から会社でどう使うか」という実務の地平にしっかり足をつけている。
本書は、単なるAI入門書というより、“働き方そのものを見直すための小冊子”として読むべき一冊だろう。
これから「仕事でAIを活用してみたい」と考えているすべてのビジネスパーソンに薦められる良書であることは間違いない。
田村夕美子著『AIを味方にする あなたの仕事と会社業務』(清文社 2024)

