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経営計画は対話の中から生まれる 〜天草で過ごす2泊3日の経営キャンプ〜

熊本県天草に来ている。

関与先企業の経営キャンプへの参加だ。

会場は海の見える温泉旅館。

2泊3日の日程で、経営についてじっくり考え、語り合う。

朝から晩まで会議と聞くと大変そうに聞こえるかもしれない。

実際、それなりにハードではある。

しかし、この経営キャンプも今回で3回目。

回を重ねるごとに、この会社らしいやり方が少しずつ形になってきたように感じている。

場所が変わる。
参加メンバーが入れ替わることもある。
進め方も毎年少しずつ改善される。

それでも続けているうちに、「うちの経営キャンプはこういうものだ」という文化のようなものが育ってくる。

そんなことを感じる3日間だ。

前回の感想文から始まる経営キャンプ

今回の経営キャンプは、前回の感想文を読み返すところからスタートした。

前回、自分は何を感じたのか。

何を学んだのか。

何を課題として持ち帰ったのか。

そして、その課題はこの1年でどこまで進んだのか。

感想文を読み返していると、普段の業務モードから少しずつ頭が切り替わっていく。

いきなり議題に入るのではない。

まずは経営について考える状態をつくる。

その上で、

「今回は何を持ち帰りたいのか」

を一人ひとりが考えた。

さらに、

「そのためにどんな場にしたいのか」

「どんな姿勢で参加するのか」

について話し合い、グランドルールを確認した。

経営計画をつくる前に、経営について対話する土台を整える。

この流れが自然にできるようになってきたことに、3回目ならではの積み重ねを感じた。

伸ばすこと、変えること、やめること

今回の前半のテーマはシンプルだった。

今期を振り返り、

・伸ばすこと

・変えること

・やめること

を整理すること。

まず「伸ばすこと」として挙がったのは利益額のアップ、利益率の向上だった。

値引きに頼らず、適正価格で受注する。

売上だけではなく、どれだけ付加価値を生み出せているかを重視する。

目標としてMQ率48%という数字も共有された。

もう一つは現場技術力の向上。

資格取得。

若手育成。

技術継承。

特定の人しかできない仕事を減らし、組織としての現場対応力を高めていく。

一方、「変えること」として多く挙がったのは情報共有だった。

現場の駐車場情報。

搬入経路。

工事の注意事項。

安全パトロールの日程。

営業ミーティングの運営。

一見すると別々の問題に見えるが、掘り下げていくと共通する課題が見えてくる。

それは、

「必要な情報が必要な人に届いていない」

ということだ。

組織が成長するほど、仕事そのものよりも情報の流れが成果を左右する。

そんなことを改めて感じる議論だった。

やめることを決める

経営計画というと、

「何をやるか」

ばかりに目が向きがちだ。

しかし今回の議論で印象的だったのは、

「何をやめるか」

も明確にしたことだった。

営業ミーティングは週2回から週1回へ。

報告書も完璧さを求め過ぎない。

箇条書きでもいい。

音声入力でもいい。

AIを活用してもいい。

まずは提出することを優先する。

組織では新しいことを始めるよりも、やめることを決める方が難しい。

しかし、やめることを決めなければ、新しい挑戦のための時間は生まれない。

経営とは、選択と集中なのだと改めて感じた。

そして数字の議論へ

今日の午後からはいよいよ数値目標の設定に入る。

この経営キャンプは3回目になるが、流れがだいぶ定着してきた。

初日から2日目の午前中までは定性的な議論。

どんな会社を目指したいのか。

何を大切にしたいのか。

何を変えるべきなのか。

数字だけでは表現できない部分について話し合う。

そして2日目の午後から3日目の午前中にかけて、その議論を数字へ落とし込んでいく。

売上はいくらか。

利益率はどうするか。

採用はどうするか。

設備投資はどうするか。

理想や想いだけでは経営はできない。

しかし数字だけでも人は動かない。

だからこそ、

「定性」と「定量」の両方を行き来しながら経営計画をつくる。

このプロセスには大きな意味があると思う。

先に数字を決めると辻褄合わせになりやすい。

しかし先に対話を重ねることで、

「なぜその数字を目指すのか」

という意味づけができる。

経営計画とは単なる数字の表ではない。

未来に対する意思表示なのだと思う。

本番は計画ができてから

3日目の午後はアクションプランづくりだ。

誰がやるのか。

何をやるのか。

いつまでにやるのか。

そこまで落とし込んで初めて経営計画は現実のものになる。

もっと言えば、計画が完成した時点ではまだ何も変わっていない。

会社が変わるのは、その後の365日だ。

経営キャンプはゴールではなくスタートライン。

だからこそ、この時間が大切なのだと思う。

さて、今年はどんな経営計画が生まれるだろう。

窓の外に広がる天草の海を眺めながら、そんなことを考えている。

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