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中野ザコさんのエッセイ集『JUSCO TOWN』を読みました


長野県佐久市のライター・ナカノヒトミさんと、ざこうじるいさんによるライターユニット「中野ザコ」のZINEエッセイ集『JUSCO TOWN』を読みました。夕方のサイゼリヤで。(隣の高校生カップルがキスを始めて、交尾している犬に水をかけるみたいに、水をかけた方がいいか少し迷いました)

表紙には、こう書かれています。

これは、かつて ジャスコのある街で育った、あなたの物語です

佐久市というと、新幹線でもアクセスしやすく、近年は都心からの移住先としても人気の街。でも、もし移住を考えている人がいるなら、このエッセイを読んでから、もう一度覚悟を決めた方がいいかもしれません。

田舎にとってジャスコとは、ただのショッピングモールではなく「生活そのもの」。エブリシング。そんな感覚がページをめくるたびに伝わってきます。

ぼく自身は京都市と松本市で小中高時代を過ごしたので、「ジャスコへ行けば絶対に同級生の誰かに会う」とか、「親と歩いているところを見られるのが恥ずかしい」といった感覚は、なんとなく分かります。
(とはいえ、同じ長野県民でも松本出身者としては、「でも松本にはPARCOがあるし」(もうないけど)という、しょうもないマウンティングが心のどこかにあります)

ちなみに今は川崎市北部で子育てをしているのですが、意外と"ジャスコ的"なショッピングモールがありません。立川まで行けばららぽーとはあるものの、ららぽーとは少しだけお出かけ感が強くて、ジャスコのような「とりあえず行く」普段着の場所とは少し違うんですよね。

もちろん、このエッセイ集はジャスコだけの本ではありません。浅間山や佐久の風景、人気のケーキ屋さん・ピータース(長野県の月刊誌を編集していた頃、たしか取材にも行ったはず!)が出てきたり。地方で育つことの息苦しさと愛おしさ、その土地で暮らす人たちとの距離感まで、佐久という街の空気そのものが詰まっています。

ナカノさんは旅館で暮らしていた時期があったり、ざこうじさんはインドやタイにも住んでいたそうで、お二人ともなかなか数奇な人生を歩んできたようです。二人とも立派なベンジャミン・バトンです。

それでも今は、自分たちのゆかりの地である佐久に暮らしている。読んでいて感じたのは、「この二人は、きっとどこで暮らしても、その土地の面白さを見つけて、それなりに楽しく生きていける人なんだろう」ということでした。実はそれが佐久だっただけで。

だからこそ、この本は佐久という一つの街の話でありながら、「自分が育った街って何だったんだろう」と、読者それぞれの記憶を呼び起こしてくれる一冊になっています。

ちなみに夫婦でよく話すのは、いつかは御代田(佐久のお隣の町)あたりに住みたいよね、ということ。浅間山の麓で暮らすことには、いまでもほんの少し憧れがあります。

『JUSCO TOWN』を読んでいたら、その憧れが少しだけ強くなりました。

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