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チラシ経由でも、ITネット経由でも情報取得にデバイドがあるのは同じ


実は自治体のチラシや広報誌は情報の宝庫

 昔はあまり気にもしていなかったが、今は地域や地域活動に関心が向かっている。そのため、公立図書館、コミュニティーセンター、自治体役所の建物などにあるチラシのラックを隅々までみて、ちょっとでも興味をもったものを持って帰るようになっている。我ながら、よくやるなと思っている。
 しかし、地域のシニアと話をしても、そういう行動をしている人はほぼいない。過去にいくつか参加した自治体の施策について議論する市民会議においても、一般市民は拠点だけで配布されるチラシによる情報伝達について否定的な声がほとんどだ。
 自治体の広報誌も隅々まで読むと非常に多様な活動が地域において行われていることが分かるし、その公共施設のラックに並んでいるチラシからも、多種多様な学びや活動の機会があることを知ることができる。
 要すれば、自治体の様々な有益な情報が、手が届くところにまでは届いているはずなのだ。

 勿論、「馬を水場に連れていくことはできるが、水を飲ませることはできない」と言われるように、「手が届くところにある」からといって、その情報を必ず取得するはずということでもない。だから、こういう情報提供のやり方がまったくもって正しく、チラシや広報誌を見ない方が悪いと言いたい訳ではない。同時に、手取り足取り情報を伝えて回るというのも異様な感じがする。

シニアの「置いてけぼり感」

 とはいえ、その結果、知る機会、学ぶ機会があることを知らない住民があまねく存在し、特にシニア層に「置いてけぼり感」を生じさせていることも否定できない。情報収集を自己責任に任せている社会がある訳だが、例えば2025年12月のマイナンバー保険証を巡る狂騒曲のように、もった早くに「手取り足取り」周知し、手続きをサポートしていれば、こんなことにはならなかったのにということも真実であるように思う。

手取り足取りのスマホ・タブレットのサポート

 さて、こんなことを考えている日々なのだが、同時に今、80歳を過ぎている母親のスマホ移行を手伝っているというか、実質的には中心で進めている。母は、スマホどころか、現在契約しているガラケーすらほぼ使っていないのだが、どうしてもタクシー配車をスマホで頼めるアプリを使いたいということで、スマホ移行の「大プロジェクト」に挑戦する気になっている。これをチャンスと、スマホへの移行を文字通り「手取り足取り」進めていこうと思っている。勿論、購入しただけでは終わりではなく、使い方を一緒に覚えていく道のりも覚悟している。
 また、タブレットを新規に使い始める地域のシニアのサポート活動も少し企画し始めている。20人程のグループの中で、本当にITスキルに関する差が大きい。また、IT技術やパソコン操作になれているからといって、タブレット、そしてそこにインストールされているアプリの使い方に習熟している訳でもない(逆に、昨今の若い人の中には、スマホやタブレットの操作にはなれているが、パソコン操作、特にキーボードが使えなくて、大学初年度で支障が出ているという話を大学関係者からよく聞く)。私自身がまさにそうだ。RやPythonで統計解析を行うことはできても、使っていないタブレットの操作に慣れるのには時間がかかる。

アナログの情報デバイド

 チラシ等の紙媒体で分厚い地域情報の展開エコシステムは構築されているが、このシステムは市民側の一定以上の能動性が必要とされる。目立たないが、このシステムを使いこなしているシニアは実は多いのではないかと思われる。というのも、ちょっと物珍しくてコスパの良いイベントなどは確実にシニアの参加者であふれているからだ。ということは、アナログのチラシでも情報デバイドは存在しているはずなのだ。
 ITで情報デバイドを解消というが、そこに市民側の能動性が必要となることは、アナログの場合と同様であり、それだからこそ、IT技術を息長く手取り足取りサポートしていくことが必須なのだ。
 実は、シニアがシニアのITサポートを実施するという活動が、ある程度の自治体の支援の下で行われている。こういう情報も、もっと拡散する必要があるのだが、「鶏が先か、卵が先か」の問題であり、悩ましいところだ。