士業1年目の教科書 第134話 士業経営はPMVVだけではダメ
士業経営においては「PMVVを掲げただけでは動かない」ことが多く、
理念(PMVV)を“型”と“一貫性”に翻訳する仕組みが必要になります。
🔹1.PMVVは理念経営の最上層にある
Purpose(パーパス)
存在意義
「なぜ自分たちはこの仕事をしているのか」
Mission(ミッション)
使命
「社会・顧客にどう貢献するのか」 (方向性)
Vision(ビジョン)
未来像
「どんな事務所・業界・社会を実現したいか」(目標)
Value(バリュー)
価値観・行動指針
「どんな姿勢・判断基準で動くのか」 理念層の“実践窓口”
つまり、PMVV全体は
士業事務所の「思想体系」=理念経営の骨格
にあたります。
🔹2.PMVVを掲げるだけでは機能しない理由(士業特有の壁)
法制度に依存する士業の現場は目の前の具体的案件処理で疲弊し、理念を抽象的と感じて価値を感じない
→ 「理念より今日の業務」という現実的優先が起こる。個人競技ゆえ価値観が個人に依存しやすい
→ スタッフによって「誠実」「迅速」「顧客第一」の解釈がバラバラ。先生的サービス業ゆえ不満が検知されず品質が統制しづらいからMissionとValueが現場の“判断OS”に落ちていかない
→ 「理念があるのに動きがそろわない」という状態になる。
🔹3.PMVVを機能させるための翻訳構造(理念→一貫性→型)
段階 内容 目的 翻訳のキーワード
① 理念層(PMVV) なぜ・何のために存在するか WHY
② 一貫性層(IC) どんな判断・姿勢で動くか 判断軸・文化 HOW
③ 型層(System) 何を・どう実行するか 再現性・標準化 WHAT
☑ PMVVは理念そのもの、
IC(Integrated Consistency)は理念の運用設計、
型(System)は理念の実装手段という関係です。
🔹4.士業経営者にとっての実践ステップ
Step 1
「理念(PMVV)を自分の言葉で語れる」
コアメッセージの明文化
Step 2
「理念を判断軸に落とす」
一貫性のチェックリスト化(例:対応姿勢・判断基準)
Step 3
「理念が自然に現場で再現される」
型(テンプレ・業務フロー)化
🔹5.結論
PMVVは理念経営の上位構造。
しかし、それを「現場で機能させる」には、
下層の 一貫性経営(HOW) と 型経営(WHAT) が不可欠。
言い換えれば──
PMVVは理念の設計図、
ICは理念の翻訳装置、
型は理念の再現装置。
