【管理職のホンネ】チームを疲弊させるのは「仕事ができない人」ではなく、「ルールが実践されない状態」だった
管理職として日々チームを率いる中で、最近強く実感していることがあります。
それは、「仕事ができないこと自体は、決して大きな問題ではない」ということです。
誰しも最初は未経験です。分からないことがあって当然ですし、時間をかけ、適切なサポートを受ければ成長する余地はいくらでもあります。
本当に深刻なのは、別のところにあります。
奪われるのは「体力」ではなく「思考力」
現場で特に難しいと感じるのは、本人の自己評価と、実際の仕事の進め方に差があるケースです。
客観的に見ると段取りが悪く、報告・連絡・相談などのコミュニケーションも不足している。その結果、本人のところで仕事が滞ってしまう場面を何度も見てきました。
一人の進捗が遅れると、チーム全体のスケジュールが崩れます。本来進むはずだったタスクが止まり、他のメンバーがフォローに回らざるを得なくなります。
ただ、管理職として本当につらいのは、フォローの作業そのものではありません。
本来なら、新しい施策を考えたり、業務改善を検討したり、チームの先を見据えたりするために使うはずだった思考力が、予定の組み直しや突発的な調整、同じ確認の繰り返しに奪われてしまうことです。
一日の後半になると、体力は残っていても、考える力だけが先に尽きていることがあります。
この「無駄なところで頭を使い切ってしまった」という感覚に、私は強いもどかしさを覚えます。
ルールは縛るものではなく、仕事を進めるための土台
もう一つ、どうしても引っかかっていることがあります。
それは、会社で決められたルールが実践されないことです。
私は、ルールそのものに不満があるわけではありません。少なくとも、何か理由があって決められたものです。過去の失敗や経験を踏まえ、仕事を円滑に進めるために、多くの人が考えて作ったものだと思っています。
ところが、そのルールが実践されない。
実践されないから、余計な確認が増え、トラブル対応が発生し、予定の組み直しが必要になります。その負担は、本人だけでなく周囲のメンバーにも広がっていきます。
一つひとつは小さなことに見えるかもしれません。
しかし、それが積み重なると、チームの生産性は確実に落ちます。そして、誰かの遅れを別の誰かが埋め続ける状態になると、職場の雰囲気も少しずつ悪くなっていきます。
組織をじわじわと疲弊させるもの
「仕事ができない人」が悪いわけではありません。
できないことは、学び、支え、経験を積むことで変えていけます。
本当に怖いのは、「決められたルールが実践されない状態」が放置されることです。
その状態が続くと、仕事の遅れだけでなく、周囲の集中力や思考力まで奪われていきます。そして気づかないうちに、組織全体がじわじわと疲弊していきます。
ルールをただのお飾りにせず、実際の行動として定着させるにはどうすればよいのか。
メンバーの成長を支えながら、管理職や周囲の人が本来使うべきところに思考力を使える状態を、どう取り戻すのか。
この仕組みづくりこそが、今、私が管理職として向き合うべき本当の課題なのだと感じています。
