進歩と調和に抗うもの
大阪万博記念公園といえば、
イサム・ノグチの噴水の彫刻が水上で輝いてる。
前川國男の鉄鋼館は、公園の一部となっている。
大阪日本民藝館の屋根の水平ラインに心が踊る。
森の空中観察路ソラードは冒険心を掻き立てる。
黒川紀章のみんぱくに途方もなくワクワクする。
そんな魅力が溢れでる万博記念公園であるが、
一つ挙げるとすれば、やはり太陽の塔である。
何がいいかといっても一言では言い表せない。
その大きさ。とてつもないサイズ感。
その佇まい。横顔のアングルもよい。
その表情。見れば見るほど、奥深い。
そして、そこに込められた熱い思い。




太陽の塔には、様々な顔がある。
てっぺんに黄金の顔、
正面にある太陽の顔、
建物背面に黒い太陽、
建物内に地底の太陽。
それぞれには意味がある。
黄金の顔は未来を照らし、太陽の顔は現在を示し、
黒い太陽は過去と、植民地主義への怒りを表す。
そして第4の顔である地底の太陽のまわりには
呪術的な面で原始の混沌とした祈りを表現する。




塔の内部のうねる生命の樹のまわりには、
進化の過程を表す生物模型が展示される。
地面から、上部に向かってうねるように、
力強く伸びゆくエネルギーに圧倒される。

人類の進歩と調和がテーマの万博において
お祭り広場の屋根をぶちやぶる太陽の塔は、
テーマに抗って強烈な違和感を発している。
その対立から生み出されるエネルギーに、
岡本太郎のものづくりへの覚悟と執念を
感じ、驚き突き動かされるばかりである。
