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続く道の先の朝靄の中へ

そしてその道を進んだ先へ


さて森の芸術祭も二日目。一泊の旅はせわしないが、
二日間の旅は、体全体で風景を感じるものとなった。

旅にひかれている。旅の魅力は目的地だけではなく、
そこへ至るあらゆる経路にもあると感じている。その
日の状況に合わせて進むべき道を選択すれば、思わぬ
出会いに遭遇し、次なる道が開けるということもある。

一人旅の朝は早く、まだ街が起き出す前に、ホテル
から東へ向かう。津山文化センターの前を通り過ぎ
続く道の先へと進む。坂を上り
また下りる。空にはだんだんと明るみが差し
朝の時は流れ、太陽の光がうっすらと広がっていく
山合の空気は湿っていて、朝靄は風景を包み込むように
見え隠れさせる。道はぼんやりとしたものでも
その先に待つものに期待感をはせながら
空気の質と風景を体で感じて進む。橋から望む雲の流れと
欄干にはられた朝露を帯びるクモの糸
道沿いに続く電線。旅は点から点へ、そしてやがて線となる
田園風景を覆う朝靄。旅は、おぼろげなものから
重ねることで確かな手応えとなり、先へとつながっていく
やがてその線は面となって、旅の風景を形作り
朝靄が生み出す柔らかな光の風景も、その記憶のひとつとなる
さらに道を進み、山間に点在する民家の先に
たどりついた田熊八幡神社
ここからは自転車を降りて、境内へと続く急な参道を歩く
八幡神社の額がかかる石の鳥居に
風雪を経た時の流れにふれるように
通った道を振り返りながら、境内へと足を踏みしめる
旅はどこか、いつかとつながる、ということを感じ
この道の先に、階段を上った先の風景に引き寄せられるように
風景の淡い色合いは、記憶の中で層をなしていく
境内には石灯籠。その向こうにたたずむ
拝殿へと進み、こうして旅が続くことに感謝して
拝殿がこの地で重ねた時間の層を確かめながら
木の彫刻の鶴に乗る仙人の姿にも目を留める
境内をめぐり、次はそこに建つ、昨日教えて頂いた舞台へと

今までの旅でも、先へと続く道を進み

道がつなぐ風景と、風景がつむぐ旅路

その記憶はゆるやかにどこかでつながっている

ホテルから東へと進み、田熊八幡神社へ向けて


自転車で走る。だんだんと空には明るみが差し、視界
が開けていく。空気の質は変わり、時の流れを感じる。
風景が流れてゆく。歩いての旅にはないスピードで、
道沿いの景色はまたたく間に、遠くの山並みは緩やか
に流れていく。だんだんと強さを増す光は、朝靄に拡散
されて境界を溶かし、風景をにじませる。そのふわり
とした空気の向こうに、その日の出会いを期待して。


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