都市に立ち上がる遺跡の向こうに
淡い質感のタイルが連続しては
街に壁を立ち上げる。ざらりとした砂の風合い。
ほのかな陰影。柔らかな質感と硬質な外観。内外を
隔てる壁は、凹凸を繰り返し立体を構成する。街
が動き始める間に、建物は静かに時を重ねている。

建物がまとう素材の厚み

控えては、立ち上がる幾何学的な要素を

ぽっかりと切り取る円は

古代の記憶を

現代に立ち上げるもの

建物が誇るアッシリアのレリーフは

訪れる人を静かに見守っている

薄く整形されたオニキスは

内外をおぼろげにつなぐもの

縦横に構成される線や

素材の連続に

古代の記憶が

ふわりと立ち上がる

やわらかな直線が連続しては

壁の連続が陰影を生み

古代の記憶の層をまとう

遠い時代と今をつなぐ建物は

現代性をたずさえながらも

静かな空気をまとい

過ごした年月を刻んでいる

砂のように連続する淡いタイル

ゆるやかなスロープは

しかるべき人のためのもの

建物に触れるように過ごす

開館前のひっそりとしたひとときに

ゆるやかな境界が立ち上がる

建物の時間に沿うように

壁面が帯びる柔らかな陰影を伝い

展開される幾何学は
歩調に合わせ

街を静かに動的にする
建物は次代へと
建築家の思いが引き継がれては
街の静かなシンボルとなる
建物は古代の記憶を立ち上げる。海の向こうの遠い
時代。連続するタイルの緩やかな陰影が、砂漠の
上の城壁を思い起こさせる。都市に挿入された境界
はなめらかに、日常から非日常への入り口となる。
