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パパゲーノ Work & Recoveryの1年間の歩み【就労B開所1周年の振り返り】

2023年9月1日、就労継続支援B型「パパゲーノ Work & Recovery」を東京都杉並区で開所しました。それから1年。2024年9月を迎えることができました。文字通り、手探りでゼロからのスタート。一時は本当にしんどいタイミングもありましたが、たくさんの方に助けていただき、無事に開所1周年を迎えることができました。ありがとうございます。

このnoteではパパゲーノ Work & Recoveryが1年でやってきたことや実態をまとめます。障害福祉施設の運営について、定量的なデータはほとんど公表されておらず、僕たちは開所当初に事業所運営のイメージがつかず困ることが多かったです。そういった方の参考に少しでもなればと思い、パパゲーノのデータも公開します。


パパゲーノ Work & Recoveryとは?

パパゲーノ Work & Recoveryは、障害により就労困難とされる方が、IT/AI の力を使って企業のDXに貢献する就労継続支援B型事業所です。

色んな企業様より仕事を発注いただいてます。

パパゲーノ Work & Recoveryとは?

IT×福祉のバックグラウンドを持つ6名のチームで運営しています。

パパゲーノ Work & Recoveryの支援員6名

AI支援員を作って、チャットで業務マニュアルに基づき質問に答えていただいたりもしています。

数字で見るパパゲーノ Work & Recovery

数字をまとめた資料は下記のGoogle Slideで公開しています。

支援の質を計測し改善し続ける仕組みが作れないかと試行錯誤してきたので、就労Bの業務構築に興味がある方は下記のnoteを参考にしていただけたらと思います。

利用者(障害のある方)の声

パパゲーノをお勧めしたいと思うか?

「パパゲーノ Work & Recovery」では毎月利用者さんから目安箱を兼ねて、通所の目標や満足度のアンケートをしています。NPSもそこで計測しています。

利用者さんのNPS(以下、全て累計値)
  • パソコンを使って黙々と出来る事業所はなかなか他にないと思う。

  • パソコン関係の仕事に就きたい人ならば、ここの作業所は適切だと思われます。仕事内容も事務作業やデータ入力など、今後企業で働くビジョンが見えている方には覚えていて損はない仕事です。

  • 「事務職を募集してる障害者求人」があるにも関わらず、「事務作業ができるB型事業所」というのはやはり少ないので、そこを埋められるのはとても強みだなと感じております。

  • スタッフさんも、仕事や体調に関して密に連携を取ってくださるので、安心して仕事ができます。

  • Macを使い最新のIT(ChatGPTなど)に触れつつ仕事ができるから。

  • 作業所の空間が広くて作業に集中しやすい。

15:00〜16:30は自己学習の時間を設けており、好きなことを学んだり、自分でアプリを作ったり、就職活動をしたり、音楽や絵本を作ったりしていただいてます。以下の利用者さんへのインタビューも読んでいただけると嬉しいです。

通所日数の目標

通所日数の目標は月に1日〜22,3日の方まで多様な方がいらっしゃいます。1番多いのは週に2〜3日通所を目標にされる方です。

通所日数の目標(累計値)

工賃の満足度

工賃への満足度は下記のグラフの通り。

工賃の満足度(累計値)

ちなみに、ご存知の方も多いとは思いますが就労継続支援B型の工賃データを読み解く上では生活保護を受給しているかどうかが大きな交絡因子となるため注意が必要です。また、就労Bの利用実態や属性データと満足度を統計解析したレポートも後日公開できればと思っています。

スタッフの関わり方への満足度

スタッフの関わり方への満足度は下記の通りでした。統計解析の結果、NPSと関連が1番強いのが「スタッフとの関わり方」でした。やはりスタッフとのコミュニケーションが支援の質や満足度に直結するようです。

スタッフの関わり方への満足度(累計値)

企業への就職は1名

就労継続支援B型から企業に就職するケースはあまり多くありません。なので1名就職できたというのはとても嬉しく思っています。

「デスクワークの仕事で企業に就職したい」という利用者さんの強い想いと努力が実って、パパゲーノ Work & Recoveryでは開所から1年で1名、就職して卒業された方がいました。インタビュー記事を公開しているので、下記を読んでいただけると嬉しいです。

クラウドファンディングを6回実施

2023年9月の就労B開所から1年ほどで、6回のクラウドファンディングに挑戦しています。特に開所時のクラファンは185名の方に209.9万円をご支援いただき、皆さんからの応援が大きな力になりました。

就労B開所時のクラウドファンディング
  1. 精神障害のある方が企業のDXや自分らしい活動に挑戦する施設を創りたい!

  2. 世界メンタルヘルスデーに全国各地とオンラインで映画上映会を開催したい!

  3. 精神障がいを抱え生きてゆく希望を本で伝えたい!【リカバリーカレッジとわたし】

  4. 創作×Vtuberで「リカバリー」を広めたい!【プロジェクトOUKA】

  5. 映画上映会でメンタルヘルスを考える場を創りたい!【世界メンタルヘルスデー】

  6. 生成AIを活用した障害者支援を書籍化して全国に広げたい!

現在は、For Goodにて、「生成AIを活用した障害者支援を書籍化して全国に広げたい!」というクラウドファンディングに挑戦中です。3000円から、書籍の先行予約ができるので、興味ある方は見ていただけると嬉しいです!

YouTubeの動画を123本制作

開所前から「パパゲーノの公式YouTubeチャンネル」に動画を公開しています。これまで123本の動画を制作し、チャンネル登録者数は326人です。再生数も100再生ほどと上手に運営できているわけではないですが、動画を見て「パパゲーノで働きたい!」という方からのお問い合わせは少しずついただけるようになったので、じわじわと効果が出ているのかなと思います。

パパゲーノ公式YouTubeチャンネル

パパゲーノ Work & Recoveryのテーマソングも公開しています笑

4名の学生インターン・実習受け入れ

早稲田速記という看護師の学校から3名、台湾の大学院から1名、実習・インターンの受け入れをしました。

支援員400名にAI活用の調査

全国の就労継続支援B型事業所で働く支援者400名を対象に「就労継続支援B型事業所におけるIT活用の実態調査」を実施しました。たくさんの方に回答ご協力いただきありがとうございました!日本の福祉DXの現状が整理できたので、改善に向けて動いていけたらと思います。

東京都や杉並区からAI活用の仕事を受託

生成AIを活用した障害者支援の実践知を生かして、東京都や杉並区からもお仕事を受託しています。杉並区にAI支援さんという音声をAIで解析し議事録を作るツールを提供したり、東京都の特別支援学校にてAI講習を実施したりしています。

たくさんの方が来所

残念ながら正確な集計ができてないのですが、多くの方にパパゲーノ Work & Recoveryに来所いただきました。「初めて就労継続支援B型に来た」という方も多かったです。企業の方が来所して、障害のある方が働く姿に感動して「ぜひパパゲーノに仕事を発注したい!」と言っていただけることもありとても嬉しかったです。

また、僕たちが訪問することもたくさんしています。就労B開所前にも多くの事業所さんを見学したり、実習させてもらったりしていました。

利用希望のお問い合わせ推移

2023年9月に開所してから「パパゲーノ Work & Recoveryを利用したい」というお問い合わせを非常に多くいただいています。「パソコン仕事ができる就労継続支援B型のニーズはあるが、支援の供給が全然足りていない状況」だったのだろうと思います。

利用者獲得に向けてやったことは下記のnoteで全てまとめています。

月ごとのお問い合わせ数の推移

毎月10〜20名ほどの方から利用希望のお問い合わせをいただいてます。開所当初は広告費を投資していましたが、今はLITALICO仕事ナビ以外は1円も広告を使っていません。ホームページや相談支援事業所からの紹介でお問い合わせをいただけるようになってきています。

開所から2024年11月までのお問い合わせ数の推移

問い合わせの流入経路内訳

お問い合わせはLITALICO仕事ナビが最も多く40.3%で、次にパパゲーノのホームページ16.9%、相談支援事業所の紹介16.5%となっています。

正式利用希望の方の流入経路内訳

実際に正式利用希望になった方の流入元は、相談支援事業所の紹介が27.0%と最も多く、次がLITALICO仕事ナビ23.8%となっています。

問い合わせ〜契約のパイプライン

お問い合わせ→見学→体験→契約までの実績値は下記の通りです。

稼働率の推移

開所から3ヶ月の売上

  • 2023年9月:¥112,870(利用者1名)

  • 2023年10月:¥164,492(利用者2名)

  • 2023年11月:¥432,910(利用者4名)

でした。毎月の物件賃料や人件費で300万円ほど支出があるので、ざっくり200〜250万円の赤字がしばらく継続していました。

開所から3ヶ月のKPI

初月から利用者が多い事業所もあると聞きますが、就労継続支援B型は「受給者証」が利用に必要です。お問い合わせから契約まで平均のリードタイムは「70日」、中央値ベースだと「52日」がかかります。そのため、開所から2,3ヶ月はお問い合わせが50名以上からあっても契約者数は数名という立ち上がりでした。

開所から1年後の稼働率

開所からちょうど1年後の2024年8月の稼働率は「93.1%」でした。

  • 契約利用者数:40名

  • 延べ利用日数:391人日

  • 稼働率:93.1%

  • 訓練等給付:3,740,713円

黒字化が見えるPLになってきましたが、「AI支援さん」の開発などに先行投資を続けています。

開所から1年後のKPI

(※一部、途中で計算式を変更した影響で細かい数字が間違っているかもしれないのでご了承ください。ざっくりしたイメージとして参考にいただけたらと思います。)

累計赤字は3000万円ほど

ちなみに、累計の赤字幅は3000万円ほどでした。当初2000万円以上あった現預金は200万円台までギリギリの資金繰りでしたが、たくさんの方にご協力いただきなんとか耐えることができました。

これまでの資金調達については、下記のnoteで全て解説しています。

就労B開所9ヶ月で上場企業と資本提携

2024年6月に、生成AIを活用した福祉のあり方を全国に広めるため、124の福祉介護施設を運営する上場企業のAHCグループ株式会社と資本業務提携をすることができました。詳細のストーリーは下記のPR TIMES STORYで公開しています。

ゼロイチから1→10へ!

ゼロから就労継続支援B型事業所を東京都杉並区に設立し、1年が経過しました。おかげさまで、なんとか苦しかった資金繰りも乗り越え、日々開所することができています。当たり前にあると思っていた全国の障害福祉施設が、「当たり前じゃない現場の努力の上に回っている」ということを痛感する1年間でした。

次の1年間は、「ゼロイチ」から「1→10」へ。障害福祉業界全体にインパクトを広げることへの挑戦をしていきたいと思います。リカバリーの社会実装に向けて引き続きがんばります!


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