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なぜ「フォームを意識すると動きが壊れる」のか


── 指・肩・連鎖の話(入り口編)

トレーニングや動作指導をしていて、
こんな経験はないだろうか。
• ちゃんと説明しているのに、なぜか動きが硬くなる
• フォームを意識させた瞬間、パフォーマンスが落ちる
• 「下げて」「締めて」「力入れて」と言うほど、逆におかしくなる

正直、
自分は10年以上トレーナーをやってきて、
この違和感をうまく説明できなかった。

最近になって、ようやく言葉にできたことがある。



問題は「どこを意識するか」ではなかった

多くの指導では、
• 肩甲骨を下げる
• 背中を使う
• 体幹を固める

といった “正しいこと” が語られる。

でも実際には、
それを意識させた瞬間に動きが壊れる人がいる。

なぜか。



人の身体には「力みの入口」がある

動作を壊しやすい場所には、
ある共通点がある。

それは、

本来は主役じゃないのに、
意識すると主役になってしまう場所

代表的なのが 指。



指は「一番小さいのに、一番連鎖を壊す」

指は力みやすい。

そして指が力むと、
• 前腕が固まる
• 上腕が内旋する
• 肩甲骨の動きが変わる
• 背中や前鋸筋が働きにくくなる

つまり、
末端の小さな力みが、全身の連鎖を変えてしまう。

ここで重要なのは、

指が曲がっているかどうか
ではない。

指で「支えにいっているかどうか」。

この違いは、
見た目ではほとんど分からない。



「肩甲骨を下げる」は、やりにいく動作じゃない

たとえば懸垂。

多くの人が
「肩甲骨を下げてから引こう」とする。

でも実際には、
• 肩甲骨の下制は
• 正しく主役(広背筋など)が働いた結果として起きる

もの。

下げようとした瞬間、
指・前腕・首が主役になることが多い。

その結果、
• 下制しているように見えるが
• 前傾して固まり
• 背中は面で使えない

という現象が起きる。



「意識しない」は、投げやりな話じゃない

ここまで読むと、

「じゃあ、何も意識しない方がいいの?」

と思うかもしれない。

違う。

意識を置く“場所”が違う。
• 指や首のような
👉 連鎖を壊しやすい場所
• そこは 主役にしない

意識を置くのは、
• 背中の張り
• 肩帯の位置関係
• 体の重心や方向

こういう 大きくて遅い要素。



これは「初心者向け」の話じゃない

正直に言う。

この話は、
• トレーニングを続けてきた人
• フォームも筋力も一通り積んだ人
• それでも「何かおかしい」と感じている人

じゃないと、
必要にならない。

だから
あまり表に出ていないし、
資格や教科書にもほとんど載らない。



最後に

もし、
• 指示を出すほど動きが悪くなる
• 「正しいはずなのに」うまくいかない
• どこかで連鎖が切れている気がする

そんな感覚があるなら。

それは、
努力不足でも理解不足でもない。

ただ
“意識してはいけない入口”に
意識を置いているだけかもしれない。



この先には、
• 種目ごとの「主役」と「触れてはいけない場所」
• なぜ倒立・プランシェ・懸垂で感覚が違うのか
• 指・顎・腹圧という“3つの力みポイント”

みたいな話もあるけど、
それはまた別の機会に。

今回はここまで。

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