博士号取得、ポスドク留学目前、そして妊娠|私の人生が180度変わった3月の夜から今日まで
引っ越しに出張、親族の結婚式に博士修了式直行、と、人生のイベントが重なりに重なった怒涛の3月が終わろうとしている、ある夜のこと。
ふと思いついた行動で、私の人生は180度変わりました。
3月上旬に妊娠検査薬を試したときは陰性だったので、ちょっとお試しの気持ちで買い直した検査薬。
買ったことも忘れかけていたのに、結果はまさかの「陽性」。
何度見ても小窓には線がくっきりと2本。だんだんと「2本は陽性です」と記載された取扱説明書と本体を持つ手が震えてきました。
「どうしよう。今は正直タイミングがまずい」
キャリアとライフプランの葛藤とつわりの絶望
実は、昨年末あたりからポスドクの留学先を探しており、ビザの準備ができ次第アメリカへポスドクとして渡航することがほぼほぼ確定していた時期だったのです。
「今なら間に合うんじゃないか」
渡米をあきらめきれず、妊娠を止める選択肢すら一瞬頭をよぎりったところで、夫が帰宅。夫に伝えると、私とは正反対にとってもとっても喜んでくれました。そんな彼の姿をみて、私の自分本位な考えは一瞬で引っ込み、一瞬でも自分本位すぎる考えがよぎった自分を責めました。
それでも、翌日即産婦人科を受診し、妊娠が確実になったあとも、自分のなかの葛藤は消えませんでした。
「アメリカにどうしても行きたい」
「アメリカでの2年の契約期間のなかで、初産を挟む、もしくは、出産直後の自分がどれだけ貢献できるのか」
しかし、そんな葛藤に悩む間もなく、壮絶なつわりが始まりました。
寝ても覚めても永遠に続く吐き気で、起き上がることもできない日々。
これまでの人生で何度も胃腸炎になったことがある私も経験したことのない、寝ても覚めても永遠に続く(ように感じる)吐き気は本当に辛かったです。食べることはもちろん飲むこともできなくなってきて入院までいきました。動いてストレス発散するタイプの私が布団から起き上がることもできない状態は、精神的にかなりきついものがありました。
追い打ちをかけるように、先方に伝えた結果、今回の渡米は延期と決まりました。
つわりの苦しさ、夢だった渡米が閉ざされた絶望。仕事も何もかもできない喪失感。
「なんで私だけキャリアも、仕事も、健康もなにもかも犠牲にして妊娠を続けないといけないの」と夫に当たり散らしてしまうこともありました。(夫さん、本当にごめんね。)
現在地とこれからの向き合い方
結局私のつわりは平均よりも長く、7か月あたりまで続きました。その期間中の成果としては、なんとか研究員への昇格試験をクリアしただけで、それ以外の研究成果はほとんどないに等しいレベルでした。
それも、続けたというか自宅療養期間や、病欠、時短勤務もかなりあったので、ほそーくなんとか続けられたレベルでした。
こんな状態でも温かく受け入れて下さった研究所には感謝しかありません。
つわりが明けても、消えないキャリアの不安
7カ月後半になって、ようやく寝起きの吐き気もなくなり、少しずつ日常が戻ってきました。
とはいえ、今でも妊娠生活を手放しで楽しめているという状況ではないです。
数年後に子育てをしながら迎える任期満了時期とそれまでの就活。
研究者としてのキャリアパス、成し遂げたいこと。
自立している大人だけではなく、子どものことも含めて考えないといけない経済面。
「すべての面において妥協ない選択が自分にできるのか。」
ふと我に返って考えるこれらの不安は、お腹が大きくなるとともに大きく膨らんできています。
周りからも「生まれてくるの楽しみだね」と言ってもらえるほど、期待と同時に不安が大きくなる日々です。
不安は脳の仕組みだからしょうがない、と割り切る
けれどこれらの不安の正体もわかっています。
私の性格上、
「どうやったらいいか経験がないから」
「やるべきことが今すべて見えていないから」
「答えが一つではないから」
不安を大事に大事に抱え込んだとしても、数年先の公募情報が分かるわけでもないし、自分たちの子育てや家族がどんな形になっていくかも分からないです。
そんな今は毎日産休に入るまでの期間を全力で活かしきれるように生き、経験談や情報をとってなるべく素早く対応できるように準備をすることしかできないと割り切るようにしています。
そう割り切っても不安がふと頭をよぎることはもちろんありますし、漠然と最悪の事態を考えることもあります。
不安に目がいってしまうのは人間の脳の仕組み上しょうがないし、不安に目がいくくらいのほうが楽観視しすぎて後々生き倒れるよりはマシかなと思って気楽にいこうと考えて、毎日を過ごしています。
妊娠期間も100日を切った今。これまでと現在の等身大の気持ちをつらつらと書き留めたこの記事に、最後までお付き合いいただきありがとうございました。
辛い出来事はすぐに忘れてしまう私なので、今だけしかできない様々な体験を細々と書き溜めていこうかなと思っています。
