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自民党・維新の社会保障改革の合意を読み解く

こんにちは、代表の千正康裕です。

7月7日に、自民党と日本維新の会が社会保障改革の具体的な骨子について合意しました。報道がたくさん出ていますが、協議の構造と合意の主なポイントを千正が解説します。

この内容が、骨太の方針に反映されて、政府の公式な方針となります。骨太の方針は7月21日に閣議決定すると報道されています。



1. 自民・維新の合意と政策決定の特殊な構造 

今、社会保障の改革というテーマについては、政策決定のプロセスが特殊な構造になっています。

通常は、政府で検討したものを、与党の了承を得た上で、政府の正式な方針とするというのが、一般的な政策決定の流れです。

社会保障改革については、自民党と日本維新の会の協議が実質的な決定の場になっています。おそらく、総理も官邸も独自の方針を持っているわけではなく、両党の協議に任せていると思います。

したがって、社会保障改革の今後を考えるに当たって、最も重要な会議と言えるでしょう。

2. 両党の対立構図とパワーバランス 

両党の協議の構図は非常にハッキリしています。この協議体の両党の考えには大きな隔たりがあります

■ 日本維新の会
社会保険料を下げるために様々な改革の提案を出しています。協議会のメンバーもそのような考えです。

■ 自民党
社会保障改革については、党内に様々な考えの方がいて、社会保障の機能が大事だという考えの人から、社会保障を効率化して負担を減らすべきという日本維新の会に近い考えの人まで様々です。そういう中で、この協議に自民党から出席しているのは、元厚生労働大臣など社会保障の専門家ばかりで、基本的には社会保障の機能を守りたいという立場の人たちです。

このような構図の中で、日本維新の会が投げかけた改革案を自民党がどのくらい受け止めるかという形で議論は進んでいます。

今回の取りまとめをみると、両党のパワーバランスがよく分かります。

ひとことで言うと
否定はしないけど、改革の副作用にも配慮して、よく考えていこうね
という感じです。

3. 合意内容の主なポイント解説  

合意内容の主なポイントを解説します。

3-1. 総論(負担抑制の方向性) 

■ 現役世代の保険料率の上昇を止め、引き下げていくことを目指すと方向性を明記。令和9年度の社会保障負担率が令和7年度と比較して上昇しないよう取り組むと明記。
(千正注:社会保障負担率は、R6:18.5% → R7:17.8% → R8:17.6%と近年減少傾向であり、無理のない目標。社会保障負担率は社会保険料率が下がらなくても、賃金が上がれば下がることに留意)

3-2. 給付抑制・制度改革の先送り

 ■ 給付のカットや総医療費の対GDPキャップ、高齢者の窓口負担引き上げ、といった社会保障費を抑制するテーマは、両論併記で先送り。令和8年度中に改革項目の具体化と行程の明確化を図り、順次実施。
(千正注:改革の行程表は令和8年度中につくるはずですが、実際にどのテーマをいつからやるかは不明です)

3-3. 保険者機能の強化と都道府県の役割  

■ 医療介護分野も、市町村から都道府県へと役割・責任のシフトの方向性

3-4. 中医協の見直し  

■ 病院機能の強化の観点から中医協の委員構成の見直し検討、創薬機能強化の観点から、製薬、医療機器、卸等の産業界の位置づけの明確化を検討する。
(千正注:現在のように中医協で業界の意見を聞くことについて法令上位置付けるだけなのか、産業界の代表が委員に入るところまで改革するところまでいくのかは不明)

3-5. 地方の医療介護の持続性  

■ 人口減少下の地方の医療介護サービスの持続性は、診療報酬でも対応を検討するほか、テクノロジー活用の実証・導入・伴走支援などを進める。
(千正注:8月の概算要求で具体的な予算事業が出てくるかもしれません)

3-6. 民間保険の活用  

■ 民間保険の活用は、かねてより政府でも検討することになっていますが、記載が過去の政府文書より大分具体化され、三省庁・保険業界も交えて検討すると明記している。
(千正注:元々維新から提案されたタマだが、自民党もある程度前向きに見える)

3-7. 年金の第3号被保険者

■ 3号被保険者制度の縮小は丁寧に進める

3-8. 医薬品等の費用対効果分析

■ 医療技術・医薬品の費用対効果分析を強化するとともに、診療報酬(薬価)を下げるだけでなく、上げることもあるようにする。
(千正注:保険収載の入り口で費用対効果を活用するとは書いてない。現行の保険収載後の一定期間経過後の費用対効果分析による薬価見直しの仕組みを前提としているように見える。製薬業界にも配慮していると感じる。)

3-9. 医療法人の経営基盤強化

■ 医療法人の経営基盤強化に向けて、収益源の多様化や医師でなくても経営能力のある人が理事長になれる道を開くなど、規制緩和を行う。

4. おわりに:今後の注目ポイント  

先送りされているテーマも多いですが、令和8年末までに改革行程表もつくることになっていますので、引き続き政府内の議論に加えて、両党の協議の行方に注目していく必要があります。

合意文書の本体は、日本維新の会のホームページに掲載されています。詳細を確認されたい方は、下記のリンクからご覧ください。
https://o-ishin.jp/news/2026/images/df5709b8cf1cc53480338b51b06f3fc90bf525aa.pdf


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