司法書士のための、今さら聞けないAIの基礎① ~そもそもAIって何?~
「AIが大事なのはわかる。でも、正直どこから手をつけていいかわからない」
これから司法書士としてAIを学んでいきたいけれど、最初の一歩で止まってしまっている。そんな先生に向けて、本当に基本的なところからお話しするシリーズを始めます。今回はその第1回です。
なぜ「今さら」の基本からやり直すのか
最近AIを触っていると、同業の先生から「ちょっと教えてほしい」と声をかけていただくことが増えました。
ただ、そういうときによくあるのが、AIの「種類」や「仕組み」の段階でつまずいてしまうというケースです。
私自身は日々の実務でAIを使っていますが、この機会に改めて、「AIってそもそも何なのか」を土台から一度整理してみたいと思い、このシリーズを書くことにしました。
ひとつ、最初にお断りしておきます。AIの話は、細かく正確に書こうとすればするほど、かえって分かりにくくなってしまうところがあります。ですので今回は、細部には目をつぶり、誤解をおそれず、あえて大づかみに、大胆に書いていきます。「まずは全体像をつかむ」ことを優先する、とご理解いただければと思います。
「今さら聞けない」と感じている先生こそ、ぜひ読んでみてください。
LLM(大規模言語モデル)とは
最近よく耳にするChatGPTやGeminiといったAIは、ほとんどが LLM(大規模言語モデル=大量の文章を学習して、人間のように言葉を扱えるようにしたAI) と呼ばれるものです。
難しく考える必要はありません。「膨大な文章を読み込んで、言葉のやり取りが上手になったAI」くらいの理解で、まずは十分ではないでしょうか。
まずはこの3つだけ押さえましょう
世の中にはたくさんのAIがありますが、最初は代表的な3つを知っておけば困りません。
ChatGPT(チャットジーピーティー)……OpenAI社が開発したAIです。現在のAIブームの火付け役となった、いわば「走り」の存在です。「AIといえばChatGPT」というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
Gemini(ジェミニ)……Google社が開発したAIです。最大の特徴は、Google Workspace内のアプリ(GmailやGoogleカレンダーなど)と連携しやすいこと。普段の業務でGoogleのサービスを使っている事務所とは、相性がよいAIです。
Claude(クロード)……Anthropic社が開発したAIです。私がアプリ開発や記事執筆など、いちばん多く使っているAIでもあります。
おもしろいのは、この3社が常にしのぎを削っていることです。ある時期は「ChatGPTがすごい」、別の時期は「Geminiがすごい」、そして今は「Claudeがすごい」といった具合に、トップが入れ替わっていきます。
一強で固定されていないというのが、今のAIの世界の特徴かもしれません。
「AIエージェント」という言葉も覚えておく
もうひとつ、最近よく出てくるのが AIエージェント(指示を出すと、自分で手順を考えて作業まで進めてくれるAI) という言葉です。
これまでのAIが「質問に答えてくれる相手」だったとすれば、エージェントは「作業まで任せられる助手」に近いイメージです。
少しわかりにくいので、具体例を2つ挙げてみます。
① Genspark(ジェンスパーク)
私自身も使っているツールです。たとえば「○○について調べてまとめて」「この内容でスライドを作って」とお願いすると、AIが自分でいくつものサイトを調べに行き、1本のレポートやスライドの形にまとめて返してくれます。これまで自分で何十分もかけていた下調べや資料の下ごしらえを、まるごと任せられるイメージです。
② Claude Code(クロードコード)
こちらは少し専門的で、プログラミングの作業をAIに任せるためのツールです。「こういうものを作って」と指示すると、Claudeが自分で手順を考え、コードを書き、動作確認まで進めてくれます。エンジニア向けのツール(※非エンジニアでも使えます)ではありますが、AIが「作業そのもの」をこなすという、エージェントの進化をいちばん実感できる例だと思います。
ただし、正直に補足しておくと、AIエージェントはまだ完璧ではありません。 途中まで自動でやってくれても、最後のひと手間は人間が仕上げる必要がある、ということもよくあります。過信せず、「下書きや下調べを任せる助手」くらいの距離感で付き合うのが、今のところちょうどよいと感じています。
この分野は今、加速度的に発展しています。すべてを追う必要はありませんが、「AIに作業そのものを任せる流れが始まっている」ということだけは、頭の片隅に置いておくとよいのではないでしょうか。
今回のまとめ
まずは「LLM」「ChatGPT・Gemini・Claude」「AIエージェント」という言葉を知るだけで、入口としては十分です。
次回は、その上で もう一歩進んだお話をしたいと思います。。
▼このシリーズをまとめたマガジンはこちら
https://note.com/ydaiju/m/md05b75538b8b
