単なる靴ではない。ストリートを象徴する、VANS(ヴァンズ)というカルチャー。
はじめに
なじらね、すにーかー倉庫のリョウスケです。
朝、出掛ける前にシューズクロークを見渡す。 今日はどの一足にするか、少しだけ迷う。
その中に、何年も変わらず履き続けている靴がある。
シンプルで、ちょっと無骨で、でもなぜか手に取ってしまう一足。
気軽に履け、背伸びをしない、身の丈に合った等身大の靴。
それが、VANSだ。
今回はVANSの歴史とブランドを象徴する定番モデルをご紹介します。
"その場で作って、売る"から始まった

1966年、カリフォルニア。
ポール・ヴァン・ドーレンとジム・ヴァン・ドーレンの兄弟は小さなスニーカーブランドを立ち上げた。
名前はまだ「VANS」ではなく、"Van Doren Rubber Company"。
面白いのは、その売り方だ。
店に来たお客さんの注文を受けて、その場で作って、その日に渡す。
今では考えられないほど、ローカルで、シンプルなスタート。
これがVANSの始まりである。
スケーターたちが選んだ"理由"

1970年代。
この靴は、自然とスケーターたちの足元に集まっていく。
理由はシンプルだ。
グリップが効く。
壊れにくい。
そして、気軽に履ける。
VANSのワッフルソールは、ボードの上でしっかり食いつく。
余計な装飾もないから、ただ“使いやすい”。
VANSのラフなスタイルとグリップのあるソールがスケーターたちの間で評判となり、Vansを履いてスケートボードをする若者たちが南カリフォルニア中に広がっていく。
スケートの外へ、カルチャーの中へ

1980年代。
VANSはスケートだけの存在じゃなくなる。
きっかけのひとつが、映画"Fast Times at Ridgemont High"。
主人公が履いていたチェッカーボードのスリッポン。
あの一瞬で、VANSは"街の靴"になった。
音楽、ファッション、ストリート。
スケーターのみならず、ジャンルを越えて、VANSの名は広まっていく。
"特別な人のものじゃない" "誰でも履けるのに、カッコいい" そんなポジションを確立していく。
1990年代に入りブランドは経営破綻の危機を迎える。
創業者であるポール・ヴァン・ドーレンが社長に復帰し、ブランドを再建。
有名ブランドやアーティストとのコラボ、VANSの取り組みはどんどん広がっていく。
VANSは"ただのスニーカーブランド"ではなく、音楽、ファッション、ストリート、カルチャーと一体になったブランドとして確固たる地位を築き、現在に至る。
定番モデル
VANSのモデルラインナップはそれほど多くはありません。 逆に言えば創業当時からあるモデルを中心に、今も変わらず、当時から完成されたデザインのまま、現在に至ります。 ここからは誰しもが一度は目にした事があるであろう、ブランドを象徴する定番モデルをご紹介します。
Authentic

このシューズがすべての始まり。
スタイル44と呼ばれ、後に「オーセンティック」と呼ばれる、VANS初めてのシューズ。
無駄を削ぎ落とした飾り気のないプレーンなデッキタイプ。 でも、それがよかった。
Old Skool

VANSを象徴するサイドに入った一本のライン。
いまでは当たり前のあのデザインは、創業者であるポール・ヴァン・ドーレンが書いた"落書き"から始まったと言われています。
でも、その何気ない一本の落書きが、ブランドの象徴になり現在に至る。
Classic Slip-On

VANSが"街の靴"となる、きっかけとなったモデル。
映画"Fast Times at Ridgemont High"作中で主人公がチェッカーボードのスリッポン着用を機に、スケーターのみならず、ストリートのアイコンシューズとしての地位を確立。
SK8-HI

VANSを象徴するライン「ジャズストライプ」と呼ばれたデザインをあしらえた2つ目のモデルSk8-Hi。
Sk8-Hiは飛び跳ねるスケートボードによる怪我からライダーたちを守るだけでなく、スケートパークに新しいスタイルを流行らせた。
あとがき
以上、VANSの歴史と定番モデルを簡潔にご紹介しました。
VANSはハイスペックな靴ではなく、最新テクノロジーが詰まっているわけでもない。
でも、そこがいい。
スケーターが選んだ理由も、街の人が履き続ける理由も、たぶん同じだと思います。
"ちょうどいい"
手頃な値段で、気取らなくていいし、気を使いすぎなくていい。
汚れても気にしない。
いや、むしろ薄汚れていた方がカッコいい。
でも、ちゃんとスタイルはある。
朝、シューズクロークを見渡し、また手に取る。
理由はうまく言えないけど、今日もこれでいい。
いや、今日もこれがいい。
それが、VANSという靴。
単なる靴ではない、VANSというカルチャー。
今日も明日も明後日も、日々の足元にはいつもVANSがあるだろう。

